世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

新日本プロレス レビュー 2021 鷹木信悟対ザック・セイバーJr./高橋ヒロム対YOH他

新日本プロレス Power Struggle 2021 11/6/2021
IWGP世界ヘビー級選手権試合
鷹木信悟(c)対ザック・セイバーJr.
 消耗戦、30分越えロングマッチがデフォルトとなっている中で、サブミッションが武器のザックは、景色を変えられる存在。同じロングマッチでもいつ一本取って終わるかわからないという緊張感を生み出せる。

 その上で、ザックはハードヒッティングも出来る。鷹木は、ハードヒッティングが得意な上にグラウンドにも対応可と戦える領域を多数持っている両者なので、攻防の幅が段違いで多い。一進一退の攻防がメインとなっても、他とはアクセントの付け方が違う。予定調和の攻防を崩して、変則的に得意技に持ち込む新鮮さもあり、全てにおいて飽きずに楽しめる内容となっていた。

 両選手の懐の深さと様々なマットで戦ってきた経験値が存分に活かされていた。奥の手旋回式ザック・ドライバーやゴツゴツした打撃合戦で上手くクライマックスもまとめて幕。団体の閉塞感を打ち破るには、ザックの登用も鍵ではあるでしょう。名勝負。
評価:****1/2

 

新日本プロレス G1 Climax 31 9/30/2021
Aブロック公式戦
ザック・セイバーJr.対グレート-O-カーン
 レボプロでオーカーンに散々現地のレスラーをジョバーにさせた甲斐があったと思わせる鋭いグラウンド合戦。アマレス的攻防から関節技の極め合いと互いの土俵に立ちながら、技術を競い合う。

 緊張感溢れる激闘の後は、オーカーンの七色のアイアンクローがザックをギリギリまで追い詰めるも、隙を突いたザックの脱出不可能な腕攻めでフィニッシュとこのコンセプトに一番相応しいフィニッシュ。全編通して狙い通りに遂行出来たテクニカルコンテスト。好勝負。
評価:****

 

新日本プロレス G1 Climax 31 日本武道館大会 10/21/2021
G1 Climax 31優勝決定戦
オカダ・カズチカ対飯伏幸太
 負傷からのレフェリーストップしか印象に残らない程の衝撃だったが、40分超え位を目指して丁寧に積み上げた攻防の数々は、半分でも十二分に好勝負レベルだったので、もう半分があれば、年間ベストバウト級は容易に狙えたでしょう。この2人がじっくり試合をすれば、まず外すことは無い。好勝負。
評価:****

 

新日本プロレス WORLD TAG LEAGUE 2021 & BEST OF THE SUPER Jr.28 両国国技館大会 12/15/2021
BEST OF THE SUPER Jr. 28 優勝決定戦
高橋ヒロム対YOH
 ジュニアでヘビーを超える試合をしよう。そのコンセプトのもと、数年に渡り動いてきたヒロム。30分超え試合の構築が上手くなり、緩急強弱の調節、脚攻めを交えた時間の使い方、スポットの配分等かなり良化している。

 途中のSHOの無法介入も、結果的にはドラマ性を高めることとなり、その後のYOHの丸め込み連発、ヒロムの危険技&ラリアットゴリ押しプロレスを良い方向に引き立てた。

 YOHがシングルのビッグファイトでここまでの試合が残せるとなると、ジュニア戦線にとっては、非常に明るい材料となる。文句無しに好勝負。
評価:****1/4