世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

Impact Wrestling No Surrender 2023 Review Time Machine対BULLET CLUB/ジョシュ対スワン他

Impact Wrestling Countdown to No Surrender 2023 2/24/2023

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ジョナサン・グレシャム対”スピードボール”マイク・ベイリー
 GCWでは幾度となく組まれているカード。業界でもトップレベルの実力者だけに、10分少々の持ち時間においても、ハードヒッティング、軽量級の華やかなムーブ、脚攻めとそのダメージ表現と様々な要素を10分少々に確実に落とし込む。

 全てをハイレベルで表現する決して簡単なことでないことを容易くやり遂げる腕の確かさを再認識出来る試合。フィニッシュはあっさり目だが、それまでの内容で十二分にお釣りが来る内容です。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

Impact Wrestling No Surrender 2023 2/24/2023

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タイム・マシーン(KUSHIDA、アレックス・シェリー&クリス・セイビン)対バレット・クラブ(KENTA、エース・オースチン&クリス・ベイ)
 タイム・スプリッターズとモーター・シティ・マシンガンズを一度に楽しめる贅沢な組み合わせがタイム・マシーン。そこにゲストのKENTA、タッグとしてもキャリアを重ねてますます躍進しているエースとベイを組み込みと間違いのない人選。

 前半はスロースタート。それぞれの組み合わせをじっくりと見せる一方、TSとMCMGそれぞれの連携、更には3人での連携も見せる大盤振る舞い。スピードを上げなくても、最も容易く空気を持っていく実力者達の妙技が光る。

 後半に移行するにしても、すぐにBCのターンに移るのではなく、更にタイム・マシーンのテクニックを見せてから、BCのターンに移る。全員の魅力が出る様に各々に時間がしっかりと割かれていたのが、この試合の良い所。

 タイム・マシーンの寸分の狂いもない連携にとにかく惚れ惚れとする中、BCもエース&ベイの華麗かつトリッキーな攻撃を軸に反撃。このトリオは初めての組み合わせだが、連携を用意してきており、スタイル的には合わないハードヒッティング&ヒールプレイが持ち味のKENTAも、3番手として仕事を果たす。ノア、新日本、ゼロワン、ROH、TNAそしてWWEと近い場所にいタイム・マシーンスが続いたKENTAとタイム・マシーンの3人の絡みが見られたのも新鮮で喜ばしいこと。

 終盤は、ギアを更に上げて仕上げに取り掛かる。次回行われるMCMG対エース&ベイの前振りなので、終わりは唐突であっさりだったものの、その組み合わせで出来ることは殆どやり遂げた。それぞれの魅力が光った熱戦。改めてクシダ、セイビン、シェリーのトライアングルが特別であることを証明した試合でした。

 好勝負。
評価:****


Impactノックアウツ世界王座戦
ミッキー・ジェームス(c)対マーシャ・スラモヴィッチ

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 WWEでトリッシュの助けを得て、リタがタッグ王者に輝くサプライズがあった中、その間もずっと現役しかもフルタイムで活躍し続けているディーヴァ時代から女子革命まで、アメリカ女子プロレスの生き字引と化しているミッキー。

 そのミッキーが、性差を飛び越えて世界の最前線を走るマーシャにレスリングで真っ向勝負を挑むという考えられない試合。US王者時代のジョン・シナや二冠王者になり、ヒールターンしてからのローマン・レインズの様に、改めてレスリングを見直し、基本で張り合う。ペースも極力マーシャが普段行う様なハイペースでの攻防を志願。体力的にはかなり苦しい方にあえて自らを投じていく。

 ミッキーの年齢キャリア実績では、中々あり得ない事。同世代、同じ様なキャリアのレスラーで、フルタイムのレスラーがいない事がこの異常さを証明している。対するマーシャもミッキーに合わせながら、ラフやシュート、ハードヒッティングなど様々な要素を織り交ぜたレスリングをTVプロレス用のアピールを追加した上で展開させていく。

 TVプロレスと自らのハイブリッドスタイルのミックスも精度が高くなっている。試合は、マーシャの価値を落とさない様に虚を突いたもので少し消化不良な終わり方だったが、ミッキーが若手実力者の力を吸収して輝き続けている、その存在の強さを堪能出来る試合でした。
 中々良い試合。
評価:***1/2

 

Impact世界王座戦
ジョシュ・アレキサンダー(c)対リッチ・スワン
 PPV、Rebellionに向かっていく中で、ここでスワン相手にジョシュが負けるとは考えにくい。ならば内容で魅せるしかない状況下で、しっかりと内容で下馬評を覆した一戦。

 スワンの身体能力を示しつつ、基本はジョシュが優勢でコントロール。体格差はあるものの、元王者スワンの価値を落とさず、スワンもムーブはいつも通り身体能力を活かしたものだが、間を沢山使う事で重厚さをアピール。表情作りやセルが凄く秀でた訳ではないが、王者時代に磨いた経験値で、試合の世界観を崩さずに伸ばす事に成功。

 ジョシュもそれに応え、スワンを甚振りつつも、スワンが光る様な試合構築を披露。ベビーフェイス対決で、ドミネイターが体格に劣るハイフライヤーを光らせるのは難解だが、難なくこなしてしまうジョシュは恐ろしい。

 ジョシュならどんなカードでも何とかしてしまうという安心感はあるが、本当にキッチリ何とかしてしまうのは流石の一言。勢いが落ちかかってもアンクルロックや必殺技の複数回使用などで乗り切り、クオリティを落とさず走り切りました。

 予想を超える好勝負。
評価:****

全体評価:8.5+