世界のプロレス探検隊

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ドラゴンゲート レビュー 2021 "脅威の新星対決" SB KENTo対JACKY“FUNKY”KAMEI/衝撃決着 マスカラ戦

DRAGON GATE FANTASTIC GATE 2021 =開幕戦= 12/1/2021

オープン・ザ・ブレイブゲート選手権試合
SB KENTo(c)対JACKY“FUNKY”KAMEI

youtu.be 同期対決。神戸大会の一戦が好評ですぐさま再戦が組まれる程。先にブレイクしたヒールのSBKが、追いかけるフェイスのJFKを甚振りながら、JFKが要所で鋭い反撃を返す王道の流れ。

 SBKのヒールも嵌っていて、試合運びに関しても、緩急も硬軟も両方使いこなしており、エプロンでのデスバレー・ドライバーで腰攻めの起点を作り、ヒールキャラと腰攻めで中盤を構築。そしてJFKの反撃を受けた上で、終盤スパインバスターと必殺SBシューターに持ち込む磐石の試合運び。

 対するJFKもアンダードッグの役割を見事に果たし、反撃シーンではトルニージョや吉野正人から継承したトルベジーノ十字固めといった仕掛けもあり、アンダードッグ側が攻めで劣らない所も試合を押し上げた要因。

 軽量級の面白さがありながらも、無差別級の重さもあり、それでいてユニットを超えた同期のパチパチ感が第一に来るのも素晴らしい。キャリア2年未満とは思えない完成度。団体の看板となり得る数え歌になりました。好勝負。
評価:****

 

マスカラ・コントラ・マスカラ
(※直接の敗者がマスクを脱ぐ、セコンドは介入禁止。)
MASQUERADE(シュン・スカイウォーカー&ドラゴン・ダイヤ)対R.E.D(ディアマンテ&ダイヤ・インフェルノ)
 タッグでのマスカラ・コントラ・マスカラ。遺恨と混沌渦巻く試合になっているが、マスク裂きや流血的なハードコアにはならず、マスカレードはハイフライヤー2人の華麗な飛び技と連携を次々と放ち、REDは、ディアマンテが2人をなぎ倒す強キャラに設定され、実際随一のパワーを持っている選手なので、その役目には打って付け。インフェルノはバランサー。とはいえ、インフェルノも中の人のムーブを次々と繰り出し、内に秘めていた人間らしさを徐々に出していく流れ。冒頭の煽りVが示す様な人間関係や隙間風が、風穴となってしまう様な衝撃のクライマックスに向けて、淡々とセットアップしていく無機質さが堪らない。

 ストーリーメインではあるものの、試合自体も華麗さと重さが共存しており良い展開が続いた。フィニッシュについても、1番似合うヴェルタフィナーレを持つディアマンテだったのも良い人選でした。衝撃のフィニッシュに加え、試合後のプロモも極上。これぞドラゴンゲートという名シーンを、若手だけでやってのけたのは実に意義がある。試合前から試合後までセットにして観て欲しい好勝負。
評価:****

全体評価:8.5+

 

DRAGON GATE THE GATE OF DESTINY 2021 11/3/2021

オープン・ザ・ツインゲート選手権試合
NATURAL VIBES(c)(横須賀ススム&KING清水)対金剛(拳王&覇王)
 今や望月やEitaも参戦していることもあり、ドラゲーでGHC Jr.戦が組まれたこともあり、関係が深まっているドラゲーとノアの対抗戦。
 とはいえ、拳王覇王もみちのくプロ関係者であり、インディ上がり。いつにない緊張感はあるとはいえ、そこまでヒリヒリする展開にはならず、拳王の蹴りを跳ね返す清水のパワーと覇王の上手さをフューチャーした試合となる。

 清水の強さがドラゲー外でも通用しそうで、リーグ戦に出させてあげたくなるレベル。ゲストマッチの域は超えなかったものの、異文化交流によるリズムの掴み合いは非常に楽しめる。中々良い試合。
評価:***1/2

 

オープン・ザ・ドリームゲート選手権試合
YAMATO(c)対B×Bハルク
 場外への雪崩式テーブル葬や掟破りこそ特別感はあったものの、それ以外は介入なしの一進一退の攻防が続くシンプルなもの。団体の象徴同士の対決らしく余計な要素は入れないという拘りは見え隠れするものの、その一方で年末に向けた繋ぎ感は否めず。

 両者特にYAMATOがここへ来てキレキレで、ハルクに勝機を与えないレベル。試合内容は全編通して安定していた中で、YAMATOの鋭さがハルクを凌駕した格好となった。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4