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ROH Final Battle 2021-End Of An Era Review ~現体制最後のPPV、そしてそれぞれの戦いへ~

ROH Final Battle 2021 - End Of An Era 12/11/2021

 

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ROH1現体制最後のライブ大会。(TV放送はまだあり。)

大会の間には、CMパンク、ブライアン・ダニエルソン、"ハングマン"アダム・ペイジ、ヤング・バックス、ジミー・ジェイコブス、コーディ等がコメントを寄せました。

AEWとインパクトの関係者ばかりとあって、両団体特にAEWがサポートしていた大会というのが理解出来ます。

 

ドラゴン・リー対レイ・ホラス
 スタートはルチャドール対決。華々しい飛び技の数々、リーのストロングな面、ホラスはバランスを取りながら、カウンターで魅せる。リーの試合でありがちな、ダメージ無視のフルスロットルに行かず、ホラスもしっかり手綱を握り、テンポを守り強弱を付けていた。10分強ではあったが、時間の短さを感じさせない、

 密度がかなり高い良試合。
評価:***3/4

 

ファイト・ウィズアウト・オナー
ケニー・キング対シェイン・テイラー
 何でもありの遺恨清算戦、ファイト・ヴィズアウト・オナー。
 特にTLCではないので、徐々に凶器を出して上げていくのが良いのに、既に出ているラダーとテーブルを早々に使い切るのは趣がないなと感じてしまう。実力がある2人なので、演出面の勿体無さが出てしまう。しかし、身体を張り続けてカバーする両者。各種凶器にテーブル葬も複数回行い、終盤では特大版を含むラダーを使った攻防でハードに完走。

 特にテイラーだが、ハードコア慣れしていない部分が目につき、少し冗長な面も目立ったが、物量は揃っており、お祭りのファンマッチとしては悪くない。平均より上。
評価:***

 

ROH女子世界王座戦
Rok-C(c)対ウィロー
 ウィローは、ウィロー・ナイチンゲール。
 ベビーフェイス対決であり、新体制に移行後も恐らくロキシーを売り出していく中で、王座交代は余り考えられない環境下。ロキシーが才能を示す試合だったが、明らかにナーバスになっていたのもロキシー。技の細かなミスも、表情的にも試合を成立させるのがやっとというところ。そこを修正し、盛り上がりを生み出したのがウィロー。

 元々インディファンの人気が高いウィローだけに、ウィロー支持の方が多く、試合に関しても明るいキャラクター、恵まれた体格から来るパワーファイトとウィローが圧倒する展開が続き、ロキシーは盛り返し切れず、決着後もブーイングが飛ぶ形。人気者ではあるけども、この試合に関してはウィローが神童ロキシーを凌駕した一戦でした。

 平均的良試合。
評価:***1/4

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 試合後、Rok-Cのもとに現れたのは、インパクト・レスリング所属、現AAAレイナ・デ・レイナス王者ディオナ・パラッツォ。New Texasで対戦経験もある若き王者に宣戦布告し、勝者王座総取り戦を提案し、Rok-Cも受諾。インパクトで来年に行われそう。

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ヴァイオレンス・アンリミテッド対EC3組の試合後、EC3の呼びかけに、元WWEブラウン・ストローマンとウェスリー・ブレイクが登場し、ROH若手勢を粉砕。

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ROH世界タッグ王座戦
The OGK(c)(マット・テイヴェン&マイク・ベネット)(w/マリア・カネリス-ベネット)対ブリスコ・ブラザーズ(ジェイ&マーク・ブリスコ)

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 マリアも登場し、数年前の風景が思い出される格好となり、実際ROHのタッグ戦線では現状1番ベストなカード。双方に気合が入っており、動きも鋭く、得意技も大盤振る舞い。ストーリーがない分、攻防で魅せる。

 決して長くない時間の中に、詰め込めるだけ詰め込んだ格好。マリアの介入から誤爆。ドゥームズデイ・デバイスは正調と場外トペ式という破天荒な打ち合いもあり、最後はお互いの必殺フルコースを決め合う豪華なフィニッシュ。現体制ラストに相応しい華々しい内容で非常に盛り上がりました。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4


試合後には、ブリスコズとの対戦を熱望していたFTRが登場し、大乱闘を展開。

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“オリジナル” ROH世界王者決定戦
ジョナサン・グレシャム対ジェイ・リーサル

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 当初メインをグレシャムと戦うはずだったバンディードがコロナ感染の為欠場。その為バンディードの持つベルトではなく、かつてのROH世界王座のベルトをオリジナル版として用意し、そのベルトを賭けて戦う形で対応。最終的には2人目の世界王者が生まれることとなる。
 グレシャムの相手は、先立ってAEWと契約していたリーサル。FBには出ないと公言していたが、AEWのサポートもあり、急遽出場となる。このカードが近年のROHを体現出来る1番の組み合わせなので、選ばれたのは必然的。

 試合は、グレシャムの腕攻めや素早いレスリングの応酬、丸め込み切り返し合いとピュアレスリングの要素を残しながら、ファストペースで攻防の応酬を行っていく展開。多少の緩急は用いていたが、この試合も詰め込んでボリュームを増していく手法を取っていた。その中でも切り返しで丸め込みを重ねて使う事でボリュームを増す手法をグレシャムが使っていたのは面白かった。

 熱戦の最後は、ロスターほぼ全員が登場し、リングサイドを囲んで応援する展開。Chikara式を持ってくるのは良い意味でデリリアスらしいなと思わせるが、グレシャムが勝った後、マイクアピールなしですぐ放送が終わったのも趣がなく悪い意味でデリリアスらしい。妻ジョーディンや親友バロン・ブラックもいるので、TERMIUSの伏線も張れたはずなのに勿体ない。折角のパートナーでありライバル同士の大激戦だったのに、余韻が全くなかったのは残念。

 リーサルはもういなくなった人だけに、グレシャムを使って、新体制への光をもっと見せるべきでした。しかし、試合自体は最後を締め括るに相応しい好勝負でした。
評価:****

全体評価:8+