世界のプロレス探検隊

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GCW Josh Barnett's Bloodsport 7 Review "元WWEシューターの逆襲" ジョシュ・バーネット対(元)アルトゥーロ・ルアス/マリーナ対マーシャ他

GCW Josh Barnett's Bloodsport 7 10/22/2021

 

 

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エリック・ハマー対バッド・デュード・ティト
 ハマーの猛攻とティトのアマレス要素強めの切り返しが上手く交わり爆発した一戦。意表を突くカウンターが複数あり、ヘビー級のシュートスタイルマッチは展開が決まりがちだが、その予定調和をあえて崩していき、そこに自らの長所を確実に乗せた良試合でした。中々良い試合。
評価:***1/2

 

マリーナ・シャフィール対マーシャ・スラモヴィッチ

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 今大会のMatch of The Nightは、モルドヴァの超新星対ロシアン・ダイナマイト。
 新世代最高の実力を持つマーシャとWWEをリリースされたロドリック・ストロングの愛妻マリーナの激突。WWEではシェイナのサポート位しか活躍出来なかったものの、MMAファイターとしてプロのキャリアを持つ選手。序盤からグラウンドと打撃を織り交ぜたスリリングな攻防を展開。ブランクがあったとは思えない程仕上げてきたマリーナが、マーシャを凌駕する場面を作る。

 リング外に落下すると、マーシャが蹴り上げ、サマーソルト・アタックまで繰り出す彼女らしいトンパチさを見せる。プロレスの面白さを提供する一方で、シュートスタイルにもキッチリ対応し、変わらず高いセンスと実力を示す。マーシャは本当に隙がない。

 その素晴らしいマーシャに最後まで引かなかったのが今回のマリーナ。プロレスの面白さも示しながらも、マーシャには出せないMMA的鋭さ、強さを出し続け、試合内容を昇華させた。綺麗なノーザンライトSHを繰り出したマーシャに対し、バックボーンである柔道を活かしたカウンターの投げでも応戦していたのは印象的。

 個人的には今大会の裏メインだったが、期待を遥かに超える大激戦を演じてみせた。リリースしたWWEが悔しがる様な、MMA版フォーホースウーメンの真価を示したマリーナ。今後も色々な相手との試合が観てみたい。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

ジョシュ・バーネット対タイガー・ルアス

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 こちらもWWEリリース組。アルトゥーロ・ルアス改めタイガー・ルアスが、大会主宰ジョシュに挑む一戦。体格差はあるとはいえ、グラップリングならばアマレスと柔術仕込みのテクニックを見せ、互角以上の勝負に持ち込むルアス。MMAの経歴は輝かしいジョシュだが、決してプロレスラーとしては上手い選手ではないので、鈴木みのるやジョン・モクスリー戦もそうだったが、相手の腕が問われてくる。

 

 しかし、WWEでもある程度は活躍した選手だけあり、相手を活かし、外さない様にまとめるテクニックも持ち合わせている。前半はそれぞれのグラウンドスキルを見せ、ジョシュにも対抗出来る選手である事を示す。後半からはプロレス的な攻防が増え、投げや打撃の割合が増える。ルアスがもう一つのバックボーンであるカポエラのテクニックを繰り出し、場を騒然とさせて、体格差を超える投げでも度肝を抜く。ルアスの奮戦があったからこそ、クライマックスのジョシュのみちのくドライバー2が最高に引き立つ。先程のマリーナと共に、ルアスもオファーが増えるであろう見事な働きでした。
 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

鈴木みのる対クリス・ディッキンソン
 この試合の前に、放送はされていないが、新日本US大会で行われているので、初遭遇ではない。連戦が続くみのると気合十分のディッキンソン。実力も人気もあるとはいえ、流石にモクスリーやブライアンとは格が落ちるディッキンソン相手。色々ごまかしが効かない部分もあり、ディッキンソンの圧力を、みのるが老獪なテクニックであしらう形だが、強さを上手さで返しにくく、結果そのまま試合が流れていった印象。

 上手く纏めた期待通りの内容で、みのる劇場を楽しめるメインだが、ディッキンソンが更にオーバーする様な、想像を超えるものではなかった。平均的良試合。
評価:***1/4

 

全体評価:8