世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

山下対舞海/橋本対福田/マーシャ対ジャナイ・カイ ~UWF? UFC? 話題沸騰! 女子シュートスタイル最新試合集~

GLEAT GLEAT Ver.1 7/1/2021
LIDET UWFシングルバウト
橋本千紘対福田茉耶

 体格、実力、実績も雲泥の差というよりもはや新人のデビュー戦。それが橋本相手とはかなり豪華である。試合は、福田が打撃を散らしていくも、体格差があり過ぎて勝負にならない。ボディスラムやブレーンバスターといった投げやショルダー・タックル等プロレス的基本技を抜いた様な新人教育マッチ。

 掴んで寝かしてしまえば、橋本の独壇場。ただ、グラップリング、レスリング勝負なら右に出るものはいなくても、福田が1発当てたハイキックに希望が見えた様に、勝ち負けがわからないカードは、組める余裕があるのなら、観てみたいところ。面白かったけれども、様々な格差が全てといえる内容でした。平均レベル。
評価:***

 

東京女子プロレス TJPW INSPIRATION 7/1/2021
UWFルール~5ロストポイント制
山下実優対舞海魅星
 一方この試合は、打撃対レスリングに振り切った格好。打撃では右に出る者がいない空手ベース、業界きってのストライカー山下に対し、テイクダウンを執拗に仕掛け、寝かしてしまえば、勝てる可能性がある事を示した舞海の攻めは、見応えがあった。

 実験的なカードである点、山下が団体の絶対的な存在である点から、追い込んでからの勝ちは見えにくいものはあったが、グラウンドでは圧倒しており、下克上はいくらでも実現出来たレベル。

 ただ、そんな舞海の健闘を、得意の打撃ラッシュで強引に印象を塗り替えてしまうのが、エース山下。打撃ラッシュから、スカルキックを含むKOキック2発でフィニッシュ。いつでもKOを奪ってしまう、他を寄せ付けない圧倒的な説得力こそ山下の持ち味。

 UWF的なものよりは、MMA的な世界観の方がより驚異な存在になるのではないだろうか。いずれにしても是非この2人にもBloodSportや後述のCFUに出て欲しい。

中々良い試合。
評価:***1/2

 

CFU(Combat Fights Unlimited) Shoot to Thrill 6/24/2021
決勝戦
マーシャ・スラモヴィッチ(w/ジュリアス・スモークス)対ジャナイ・カイ(w/Yoya)

iwtv.live


 UFCをもじった団体名とロゴ、とはいえ女子選手のみなので、実質はInvicta FCに近いコンセプトであるCFU。そのシュートスタイルトーナメントの決勝戦。オクタゴンではなく普通のケージでの試合。メインイベントは、UFCに倣い、3分5ラウンド制。テコンドー黒帯、ジャナイ・カイのセコンドには公私のパートナーであるYoya。そしてロシア生まれNY、ジョニー・ロッズ経由、日本Marvelous育ちの狂犬マーシャのセコンドには、ニューヨーク繋がりなのか、ROHの狂犬軍団ロットワイラーズなどでホミサイドやロウ・キーのセコンドにも付いていた、ジュリアス・スモークスが付く。

 

 1ラウンド目は、打撃中心。とはいえ簡単に受けて打ち合う真似はせず、カイもテコンドー仕込みの回転系のキック等は使わずに、カイはローキックとパンチを打ち分け、マーシャは、前に出ながらのパンチと前蹴りを多用。この時点でも、安易にグラウンドの攻防に行かず、今のUFCを意識した簡単に有効打が決まらない。テイクダウンに行って切られると、打撃を当てられて負ける。といった世界観で進めている。ただ、全く受けない訳ではなく、一定レベルで技は打ち合い、ダウンもありとあくまでもプロレスであるラインは崩していないのが良い。

 2ラウンド目以降は、打撃が効けば、グラウンドに持ち込む。マーシャが圧力を強めていくものの、カイも正確に対応。技を決めてばかりではなく、攻撃と防御、抵抗することを決して忘れない。グラウンドからサブミッションへの移行、脱出とコントロールの鬩ぎ合いが増えてくると、マーシャの攻めの多彩さが際立って来る。腕関節、足関節、首へのギロチンと追い詰めるにしても、同じ展開を作らないのは、単調にしない工夫である。

 4ラウンド目は、カイの打撃を封じにかかるマーシャと、体力の消耗を突いて、打撃を畳みかけるカイ。決定打までは許さないマーシャと、これぞ現代のシュートスタイルという考えられた内容。マット・リドルの様な大爆発、刹那的な名シーンこそ少ないけれども、UFCとシュートプロレスを良く研究していると感心する上、それを具現化出来るのも素晴らしい。


 レスラーとして発展途上な面は当然あるものの、インディにしか出来ない意欲作。最後マーシャの猛攻を凌ぎ切ったカイが、必殺の旋回式ハイキック一閃でKO勝利。回転系の蹴りを温存して温存して、最後に決める。上手くズバリと決まるのは、プロレスだからこその面白さではある。

 2人がどういうレスラーであるか、得意なことは何か、個性をシュートスタイルの枠に落とし込み、それをUFC要素の強い、現代的にアップデートした一戦。UWFが生まれた国と、UWFは見ているだけではあったが、UFCという世界最大のMMA団体がある国の違いが現れた試合。どれが良い、どれが悪いというものではなく、UWFらしさを求めると同じ試合内容になりがちな中で、シュートスタイルとは言っても、他とは異なるエッセンスを示した熱戦でした。後、シンプルにケージである事はかなり重要。業界期待のホープ同士が織りなす世界最先端のシュートスタイルマッチでした。好勝負。
評価:****

全体評価:7.5