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GCW/Loko Wrestling Fight Club: Houston Review ニック・ゲイジ対サディーカ他 ~GANG GANG~

GCW/Loko Wrestling Fight Club: Houston 7/9/2021

 

www.fite.tv

 

マシュー・ジャスティス対ミステリアスQ


 マシューはいつ見ても最高。極上のハードコアを常に見せてくれる。今回は地元出身のQの身体能力の高さを引き立てながら、椅子やドアを使い、荒々しくフィニッシュ。スラッシュメタル三羽烏、ハードコア師範代、ワンマンECWを堪能出来ました。

中々良い試合。
評価:***1/2


スクランブル・マッチ
グリンゴ・ロコ対ロウ・ライダー対ASF対アラミス対アーレズ対ゴールデン・ドラゴン


 ルチャドールのド派手な多人数戦。目まぐるしく多人数が常に絡んでいく、予想不可能な展開が続く。様々な曲芸を見せていく中でも、アラミスのムーブの華麗さと完成度は群を抜いていた。この中でもトップの実力を持つアラミスとアーレズはAAA参戦時に比べると、省エネ感はあったものの、要所で確実に締めるのはやはりスター。

 この2人以外では、新顔ASFが大健闘していたのが印象的。クライマックスで崩れかけたものの、何とか力技で持ち直してフィニッシュ。やはりルチャドールの多人数スクランブル戦は、いつ見ても楽しい。満足の一戦。中々良い試合。
評価:***1/2

 

ニンジャ・マック対ジャック・カートウィール
CZW BOTB2のジョニー・ストーム対ジョディ・フラッシュを彷彿とさせる飛び技師対決。動きは当然の如く素晴らしいが、単発で繋ぎはバラバラ。試合構成はまだまだで、良くも悪くも00年代初期のスポットフェストを思い出させてくれる内容。相対的にダンテ・レオンの評価が上がる試合となった。
評価:**1/2

 

GCW世界王座戦
ニック・ゲイジ(c)対サディーカ


 ギャングのボスMDKゲイジに、女ギャング、剛腕サディーカが決闘を挑む格好。ゲイジの選手紹介コールを遮ると、ゲイジはすかさず先制攻撃。蛍光灯等各種凶器で血祭りを上げる。流石のサディーカもゲイジにはワンサイドゲームかと思いきや、サディーカも蛍光灯攻撃で反撃。更にステージから断崖式の旋回式スープレックス、蛍光灯束付きランニング・ニーではゲイジを大流血に追い込む。

 攻対攻と攻対守の配分が実に上手く、適正時間は最長でも15〜18分のところ、ベテランゲイジの匠の技である繋ぎの上手さや、サディーカがあわやというシーンを多数作り出すことで、奇跡の王座交代もあり得ると思い込ませる程の熱戦となっていった。

 攻めで男子に全く劣らないのは、サディーカの圧倒的な魅力。それでいて守勢に回っても、他を寄せ付けないキャラクター。身体を張るだけでなく、色々な展開に対して一定の対応力があるのも、アメリカマットに進出しても評価を上げ続けている要因だろう。サディーカの実力を見た、ゲイジが全力を尽くし、結果的にTシャツを脱ぎ、数々の攻撃を受け、そして叩き潰しにいったのも頷ける。

 ヘビーメタルのマフ戦、ICW NHBのマードック戦、そしてこの試合とデスマッチ/ハードコアのトップランナー達による三者三様のおもてなしシリーズは、この試合で完成形を生み出したといっても良い。20分超えのロングマッチを凶悪なまま走り切った、見事なデスマッチ・レスリング。ルチャ・エクストレマ。

今年を代表するデスマッチの一つです。文句無しに好勝負。
評価:****1/4

全体評価:8.5