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IWA-MS Double Death 2021 Review 44OH!対リジェクツ他/「最後の聖戦へ」イアン対マードック始動

IWA Mid-South Double Death 2021 4/3/2021

smartmarkvideo.com

 

Double Death Tag Team Tournament 2021 1回戦-バーブドワイヤー・マッドネス・デスマッチ
44 OH!(エリック・ライアン&アティカス・クーガー)対The Hallowed(ロード・クルー&オーティス・クーガー)
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 リアルかフェイクは分からないものの、クーガー兄弟の激突。44OH!に入るまで(とIWC)は、オーティスとの兄弟タッグで活躍していた間柄。温めている対決もサラッと実現してしまうのがIWAらしい。

 試合は、禿頭に一番映える凶器でお馴染みの画鋲バット攻撃が火を吹き、その後もテンポ良く凶器攻撃を被弾。コンパクトサイズではあるが楽しめる内容。クーガー兄弟のマッチアップは、そこそこあったが、試合自体が短めなので、今後に楽しみを残した格好。平均より上。
評価:***

 

Double Death Tag Team Tournament 2021 1回戦-タイペイ・デス&ワールドシリーズ・オブ・グラス・デスマッチ
ザ・リジェクツ(ジョン・ウェイン・マードック&サトゥ・ジン)対ブラッディ・ブラザーズ2.0(レーン・ブラッディ(インセイン・レーン)&JCブラッディ(JCロッテン)
 インセイン・レーンがPWTに続き、IWAでも復帰。イオンの代わりに息子のJCを連れて、ブラッディ・ブラザーズを復活させ、リジェクツ撃破に挑む。試合形式は、タイペイデスマッチ+小型のガラスボード(実質長めの鏡)が公認凶器で、そこに蛍光灯も交えていく。通常のフォールやギブアップに、複数回ガラスボード攻撃を相手に浴びせたら勝ちというルールも追加されているものの、何回割れば良いのか分かりにくいのは難点だが、そんなことは些細なこと。レーンのコンディションが余り良くなかったのも些細なこと。

 というのも試合中に、現役を退いているIWAのボス、イアン本人がなんとマードックを襲撃し、殴り合いを展開するサプライズ!正直これだけで今大会、元が取れてお釣りが来るので、大満足。衰えは当然あり、足元もおぼつかないものの、拳のキレや椅子攻撃の強烈さは上々。結果的に今年のKOTDMでイアンとマードックの7年ぶりの一騎打ちが決定する引き金になったのだから嬉し過ぎる。
 更に、父イアンの勇姿に呼応した息子のJCが、イアン譲りの強烈な椅子攻撃を連発したシーンは今大会のハイライト。試合自体も良い内容であったが、説明不要のデスマッチ神イアンとそのイアンの寵愛を受け、反目しつつもIWAの牙城を守り続ける現在の米デスマッチシーンのトップに上り詰めたICWアメリカンデスマッチ王座初代王者マードックの一戦は、全身が奮い立ち、血が湧き出す程楽しみな一戦。

 米インディシーンにおいてメインストリームといっても良い位に、過去最大級の勢いを見せるデスマッチシーン。その2021年に、そのシーンの勢いを付ける立役者のマードックと、その師匠である真のデスマッチレジェンド、イアン・ロッテンが激突する。これは世界中のデスマッチファンは絶対に絶対に絶対に見逃し厳禁。もう見なくなった人もこの一戦だけは帰ってきて欲しい。中々良い試合。
評価:***1/2

 

Double Death Tag Team Tournament 2021 決勝-カリビアン・スパイダー・ウェブ&ライトチューブス・デスマッチ
44 OH!(エリック・ライアン&アティカス・クーガー)対ザ・リジェクツ(ジョン・ウェイン・マードック&サトゥ・ジン)
 省エネで決勝に勝ち進んだ44OH!だが、マードック率いるリジェクツが相手では当然楽が出来るはずもなく、大量の蛍光灯を矢継ぎ早に被弾していき、あっという間に血だるまに。いつもやりたい放題の44OH!が血祭りに上げられている爽快感があり、この翌週に控えているICW NHBでのマードック対ライアンの一戦の前哨戦的な意味も生まれたこのカード、別に上手くまとめれば良いものの、全力を尽くしてしまうのは美しい。蛍光灯攻撃が殆どのシンプルな内容だが、これでもかと蛍光灯を打ち合う様は凄惨の一言。

 エリミネーション・ルールなので、テンポ良く選手も抜けていき、最後ライアン対マードックになった所で、44OH!のRSPとベバリーが介入したのを助けに入ったジンが、まさかのマードックへの裏切りの一撃!IWAだけはリジェクツの内紛ストーリーが展開される形となりました。その様にチープ・フィニッシュではあるものの、内容は凄まじいものなので、お勧めです。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

全体評価:7.5