世界のプロレス探検隊

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IWA-MS King Of The Death Matches 2021 Night1 Review ジョン・ウェイン・マードック対イアン・ロッテン/MASADA対"超新星"ケビン・ギザ

IWA Mid-South King Of The Death Matches 2021 – Night1 7/30/2021


1回戦-バーブドワイヤー・マッドネス、テキサス・ブルロープ・デスマッチ
マンス・ワーナー対ボビー・ベバリー
 ブルロープを使いながら殴り合いに凶器攻撃を交え、手広く的確に構築。通常形式も出来て、ハードコアも得意な2人ならではの、デスマッチの体裁を取りながら、過激度を上げすぎずに盛り上げる上手さが光る。ニアフォールの攻防を予想よりも多く取り、一定のボリュームもあり、大盛り上がり。試合巧者の2人らしい技巧が溢れる乱戦でした。中々良い試合。
評価:***1/2

 

1回戦-ワールドシリーズ・オブ・ガラス・デスマッチ
シュラック対インセイン・レーン
 先に蛍光灯櫓を4つ割った方が勝ちのルール。場外戦を含み、蛍光灯を使いながら、ひたすら暴れ回る展開。これぞシュラックの試合という内容で、デスマッチトーナメントにはこれがないと面白くないと思わせる試合。平均的良試合。
評価:***1/4

 

1回戦-4コーナーズ・オブ・ペイン・デスマッチ
エリック・ライアン対シェイン・マーサー
 前年覇者のライアンだが、強敵マーサーの怪力に苦戦。力技でこれでもかとガラスボードを割って行く様は爽快。十八番の鉄球攻撃もバリエーションが増えている。一つ一つのシーンの強烈さは目を見張るものが多かったものの、その割には全編通すとあっさり目で、伸び切らなかったのは惜しかった。平均より上。
評価:***

 

1回戦-ファンズ・ブリング・ザ・ウエポンズ・デスマッチ(SPレフェリー:JCロッテン)
ジョン・ウェイン・マードック対イアン・ロッテン(w/ビリー・ザ・P&CJハトラー)
 息子JCが試合を裁き、教え子マードックが迎え撃つ52歳となったイアンの復活劇。恐らく最終章。ウォーターボトルでの奇襲こそ勢いがあったが、もう老いで満足に戦えないイアン。マードックのサポートは受けるけれども、動きの少ない攻撃で往年の雰囲気を少し出し、残りは技を受けるのがやっとというレベル。

 この試合の意味、ノスタルジー、現在のデスマッチ界のトップオブトップであるマードックによる最大限のキャリーで何とか体裁を保つ。そんな状態のイアンでも戦場へ舞い戻ったのは、相手がマードックだからというのは大きいはず。ICWでブレイクを果たしても、IWAに毎週出続ける義理深き教え子。師匠イアンを看取る男として選ばれたのは当然の事でしょう。単なるクオリティならばもう少し悪い評価でも仕方ないが、この2人の築いてきた関係性やストーリー、個々の歴史、実績を加味してこそのカードなので、十分思い出に浸る事は出来る。
 ガラスボードや蛍光灯系の凶器も多数飛び出し、動けない中でも何とかやれることをしようというもがき続けるイアン。蛍光灯歩行器で挑発しながらも、イアンの為に何とか盛り立てようとマードックが手を尽くしていたのも印象的。イアンの状態の悪さを考えると良くここまでやり抜いたと思える内容にはなっている。平均的良試合。
評価:***1/4

 

1回戦-イッツ・エレクトリファイド・デスマッチ
MASADA対ケビン・ギザ
 この日のMOTN。ノーランがスピーキングアウトで消え、オーシャンは低迷し、デスマッチ新世代カルテットもAKIRAとアティカスの2人となってしまったが、そこに名乗りを上げる輝きを見せるのが、イアンの遺伝子を受け継ぐインディアナデスマッチシーン希望の星ギザ。MASADAに臆する事なく立ち向かい、思い切りの良い受けっぷりとトンパチさ溢れる攻めにより、MASADAからも今までにない鋭さと熱を生み出す事に成功。  

 アティカス戦を超えて近年ではトップレベル。ほぼ蛍光灯束のみで、竹串が登場しなくても、全く見劣りしない熱戦でした。ケビン・ギザ彼の名前は確実に記憶しておくべきでしょう。中々良い試合。
評価:***1/2

 

全体評価:7+