世界のプロレス探検隊

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Beyond Wrestling The Iron Match Review トニー・デッペン対トリッシュ・アドラ

Beyond Wrestling The Iron Match 2/14/2021

60分 アイアン・マッチ
トニー・デッペン対トリッシュ・アドラ
 

混合戦なのでアイアンマン・マッチではなく、アイアン・マッチ。最近台頭してきたアドラが、実力者デッペンに対してどこまでやれるかが鍵となる形。冒頭10分はベーシックなグラウンドの攻防。スローペースでじっくり行い時間を使っていく。基本的にはデッペンのレスリングクリニックという流れだが、何とかアドラも付いていく。
 その後もアドラがついて行ける様なレベルの攻防に抑えながら時間を費やす。アドラが基本は出来るというのは良く伝わったが、デッペンが泳がしているという印象しかない前半30分。それだけではネタが切れるので、30分〜40分は関節技で絞る展開が増える。ロープワークや丸め込みは適度にあるものの、やり過ぎない様に抑えている。実力差がかなりあるので、動き回るよりは寝かせていく展開は合理的。そこに水を吹きかけたり、実況席に行ってアドラをなじったりして、デッペンが何とか脚色する。

 後半になってもアドラは付いていくのがやっとで、デッペンが試合を作る流れは変わらず。それでもグラウンドベースを続け、なおかつ50分経過しても0-0でやり切ったのは挑戦的である。この時点でもエピックマッチを作り上げるつもりの試合ではないことは示されている。アドラの経験値積み上げが主目的である。それに値する素養があるのは確認出来て、タクトを握り続けたデッペンはやっぱり巧い選手である事は随所に堪能出来る。面白いかどうかは別にして。

 残り8分半時点で遂にアドラが先取。そこからはギアを最高潮に無理やり上げてまとめていく、アイアンマン・マッチにありがちな展開。終わり良ければ全て良し精神で何とか体裁を整えてフィニッシュ。カード通り、デッペンのレスリング教室というべき内容だったが、アドラが今後インディシーンでスポットを獲得出来そうな素養は持っていることは確認出来たので、それだけでも収穫ではある。平均レベル。
評価:***

 

 ちなみにこの試合では入場はカットされていたが、トリッシュ・アドラの入場曲は、Kendrick Lamar『m.A.A.d city』。ケンドリックのセカンドアルバム『Good Kid, M.A.A.D City』の中の曲です。個人的に大好きな曲なので、この曲が使われていて嬉しかったです。