世界のプロレス探検隊

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新日本プロレス NJPW STRONG Resurgence 2024 Review "狂王vs狂犬" エディ・キングストン対ゲイブ・キッド他

新日本プロレス NJPW STRONG Resurgence 2024 5/11/2024

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NJPW STRONG女子選手権試合
ステファニー・バッケル(c)対アレックス・ウィンザー
 力強くキビキビとした動きが印象的な両者の試合。高い運動能力、強靭な肉体、確実な技術を堪能出来るが、両者ヒール調の試合運びを崩さなかったため、内容の濃さの割にハネていかなかったのは残念でした。平均的良試合。
評価:***1/4

NJPW STRONG無差別級王座-ノーロープ・ラスト・マン・スタンディングマッチ
エディ・キングストン(c)対ゲイブ・キッド

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 メインとは異なり、この試合で1番何を求められているかを理解した上で、試合に臨み表現し切った一戦。狂犬ゲイブとMad Kingキングストンがまさに真っ向勝負。

 得意のダメージ表現によって自分の世界観に引き込んでいくキングストンの構築に対し、隙を与えず攻撃を加え続けることで主導権を握らせないゲイブ。互いが活きる形での試合構築には違いないものの、片方が上回る形を阻止する細かなせめぎ合いが楽しい。以前も好勝負を残しているカードだけに、持ち前のハードヒッティング&ハードコアで魅了していく形。

 BC狂犬スタイルのゲイブにCZWやJAPWといった東海岸インディ仕込みのハードコア巧者たる姿を見せつけるキングストン。ある意味ここ最近のAEWでの戦いぶりよりもエディ•キングストンらしさに溢れた試合となっており、非常に楽しめる。

 ラストマン戦の要素も正確に取り入れており、ゴミ缶やラダーへのエグい投げから、フィニッシュの断崖式スーパープレックスまでヴァイオレンス度たっぷりに走り切りました。ゲイブ戴冠劇に相応しい死闘。チープフィニッシュを選ばなかった選択にも敬意を表したい。(キングストンはあえなく脚の骨折で離脱となってしまったのは残念。)

 試合後には、ジャック・ペリーと5年ぶりの新日本登場となるヤング・バックスの新生ジ・エリートが登場し、キングストンを襲撃するサプライズも印象に残るシーンでした。好勝負。

評価:****

 

IWGP世界ヘビー級選手権試合
ジョン・モクスリー(c)対海野翔太
 師弟対決。海野が奇襲を仕掛けるなど攻勢に立つシーンが多く、海野の持てる攻撃を全て受け止めた上で突き放すモクスリーの圧倒的強者が光る試合。

 海野は、スター性も高い、良い選手には違いないが、もう1人の関係の深い先輩であったオスプレイの技ばかり使っていて、モクスリーの弟子ですよね?師弟対決ですよね?とテーマがブレている。確かに海野に合っているのはオスプレイの技なので、それは間違ってはないのだが、モクスリー色をオスプレイ色が超えるのはストーリー・テリング的にはいまいち。

 モクスリーも海野に対しては狂犬的に厳しく行くことはなく、むしろ受けてオーバーさせることを選んでいる。加えてBloodsportで主に取り組んでいるシュートスタイルをロングマッチ用に組み込む試運転をしているようにも見える。モデルチェンジをしているとはいえらモクスリーが本気で潰しに行く時はこんなものではないので、まだライバルという段階には到達していない。

 30分の中身の濃い試合内容ではあるものの、ディテールの部分が決めきれず、好勝負レベルには届かず。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

全体評価:8+