ROH Supercard Of Honor 2024 4/5/2024
ROH世界TV王座戦
カイル・フレッチャー(c)対リー・ジョンソン
AEW通常放送で演じている上級ジョバーではなく、シングル王者としてパワフルな攻撃と相手を引き上げる試合構築で存在感を示したフレッチャー。すっかりシングルプレイヤーが板に付いている。
対するジョンソンは、良くいる黒人ハイフライヤーの域は出ないものの、その武器である跳躍力を活かした空中戦にポイズン・ラナやカナディアン・デストロイヤーと持ち味は全開。良くも悪くもインディらしさも全開ながら、リミッター解除の攻防は見応え十分。ジョンソンで出来ることは全てやり切った激戦でした。
好勝負。
評価:****
E Nexus V(舞華&白川未奈)&星来芽依対クイーンズ・クエスト(AZM&上谷沙弥)&中野たむ
オープニングのほぼ20分の好勝負の後にやりづらい上に、普段とは異なるユニット混成の6人タッグだが、長年築き上げたパッケージはそう崩れない。
テンポ良しスピーディーな攻防の連続は、シチュエーションを選ばない。スターダムではメインイベンターを揃えたカードだけに、アンダーカードとしては上級。ハイレベルな6人タッグでした。中々良い試合。
評価:***1/2
ROH女子世界TV王座初代王者決定戦
ビリー・スタークス対クイーン・アミナタ
フィニッシュが騙し討ちからの決着と消化不良ではあるものの、それまでの内容は機体の若手によるアグレッシブな攻防が続いており、インディの猛者らしいハードさ、スピーディーさという魅力は十分出ており、プッシュに値する価値を示すことには成功した。
平均的良試合。
評価:***1/4
ROH女子世界王座戦
アティーナ(c)対志田光
SHIMMER対決。こちらもこの特番用に用意されたマッチメイクで、ストーリーが盛り上がっているとは言い難いけれども、内容で魅せる。
ロングマッチを苦にしないハイレベルな攻防の数々。激しいジャパニーズスタイルの影響も色濃く含まれており、攻防量・質共にかなりのもので、20分もあっという間に過ぎていく。まさにSHIMMERを彷彿とさせる濃密な試合内容。
そこに増したスターパワーにより、スケールアップがなされているので、自然とクオリティは上がっていくのも必然でした。好勝負。
評価:****
ROH世界王座戦
エディ・キングストン(c)対マーク・ブリスコ
マークは旧テーマ曲 Lynyrd Skynyrd 『Gimme Back My Bullets』で登場。家族も見守る中、これでマークが負けたら暴動もの。試合もキングストンがヒールモードとまではいかないがラフファイトでマークを流血させるドラマチックな展開。
高い壁と化したキングストンに対し、マークは久しぶりのカット・スロート・ドライバーに兄譲りの必殺ジェイ・ドリラーなど持てる手全てを注ぎ込むフルコースで応戦。マークの初戴冠に向けて演者は最高の仕事をしたでしょう。
問題は何故トップフェイスのエディ・キングストンがこの役をしたか。キングストンをフェイスのままにしたいのなら、早い段階で他のヒールにベルトを渡した上で、マークに獲らせれば、この試合の比ではないレベルのエピックモーメントとなったでしょう。
ストーリーの欠如、ナンセンスな配役を除けば、試合内容も演出も素晴らしいものでした。好勝負。
評価:****
全体評価:9