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PROGRESS Wrestling Chapter 163: Twisted Metal Review "金網戦"スパイク・トリベット対キッド・ライコス/デリース対YOICHI

PROGRESS Wrestling Chapter 163: Twisted Metal 2/25/2024

demandprogressplus.progresswrestling.com

 

マン・ライク・デリース対YOICHI

 


 レスラーとしての基礎能力や体格、テクニックはヨイチの方が上ではあるが、そのヨイチも表現力や様々な魅せ方、異なるスタイルの選手達との対戦を重ねて、真のメインイベンターとして国内外股をかけて活躍出来る選手になるべく奮闘中。

 今回のデリースの様な黒人のハイフライヤーという普段戦っている選手達とは異なるムーブやリズムを持つ選手に対しても、自らのパワフルさや細かなテクニックを披露しつつ、相手を引き立てることも忘れない対応力の高さを示していた。キャラクター面など今取り組んでいる内容がもっと仕上がってくれば、日本に帰ってもトップを取って活躍出来るでしょう。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

PROGRESS世界王座戦-スティール・ケージマッチ
スパイク・トリベット(c)(w/スモーキン・エーシズ)対キッド・ライコス(w/キッド・ライコスⅡ)

youtu.be

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 昨年マスクを剥がされたトリベットに、変則エリミネーションマッチ、サンダー・バスタードマッチを勝ち抜いたライコスが、三度目の正直で挑戦することとなった金網戦。
 マスクを失ったライコスだが、元々人気はシーン随一。そこに素顔が出たことで、マスク越しでも高かった表現力、アジテーション力の高さが更に表れている。観客を乗せる力はやはり非凡。動きも機動力に秀でており、加えて顔面を真っ赤に染める大流血も志願。

 ただ、前回同様の感想になってしまうが、トリベットがせめてカーラ・ノワールとの抗争の様な嫌味ヒールとしての鮮度が保たれていたら、もっとこの試合は劇的な王座交代劇としてニュースになったでしょう。

 トリベットは、それなりに何でもそつなくこなせるところに、嫌味ヒールのキャラクターを試合に落とし込めていないことで、器用貧乏に映る。

 ライコスの大流血がある中で、ラフに徹底すべきところを綺麗な攻防に終始しており、本来デスマッチも得意にしていた持ち味を忘れて戦っている。攻防自体は悪くないので、一定のクオリティは保たれているが、これではエピックマッチにはならない。

 

 金網の外にいるセコンド達の介入やロッカールームの選手達の登場、ライコスによる盟友クリス・ブルックスやR.I.Pカーティス・チャップマンなど縁があるレスラー達のオマージュで強引にドラマ性とクオリティを上げたものの、これなら無理に前回の試合と差別化せずに、ハードコア度を上げた形の金網戦にした方が魅力的だった。前回の試合同様、今の波に乗り切れないPROGRESSらしい試合内容。

 とはいえ、ライコスのシングルレスラーとしての成長を実感出来る抗争ではあったので、やって損はなかったのは事実。
 総合するとまあまあ良い試合。
評価:***1/2