世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

DPW You Already Know 2024 Review MCMG対ウノ&スチュ/カルヴィン・タンクマン対コルビー・コリーノ他

DPW(DEADLOCK Pro-Wrestling)

You Already Know 2024 1/21/2024

www.dpwondemand.com

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ジェイク・サムシング&”スピードボール”マイク・ベイリー対アレック・プライス&ケビン・ブラックウッド
 ハイパーアーマーは着ていないものの、巨漢サムシングが過去一かもしれないほどパワーハウスとして無双。ブルドーザーのように相手を薙ぎ倒す様は爽快。

 脇を固めるのが、ベイリー、プライス、ブラックウッドと間違いのない面子だけあり、サムシング無双以外の攻防でもクオリティを叩き出し続ける。

 DPWのノリの良い観客との相乗効果もあり、演者は常にテンション高く、ボルテージは最高潮。クライマックスにかけての畳み掛けもインパクト十分。ミッドカードには勿体無いが、ミッドカードだからこそ出来るぶっ飛んだ内容でした。

 好勝負。
評価:****

 

DPW女子世界王座戦
高瀬みゆき対レディ・フロスト

 

 


 ナニワの不死鳥高瀬の熱い戦いぶりは氷の女王フロストまでも熱くする。中盤以降はチョップ合戦でギアを上げ、フロストの身体能力の高さを活かした波状攻撃を受け切り、相手の良さを引き出した上で勝利する。

 高瀬の魅力は万国共通。まさに横綱相撲でした。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

DPWタッグ王座戦
モーター・シティ・マシンガンズ(c)(アレックス・シェリー&クリス・セイビン)対”SSB”スーパー・スマッシュ・ブラザーズ(イービル・ウノ&スチュ・グレイソン)

 

 

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 COVID ERAの際に行われていたAEW×インパクトのクロスオーバー。当時インパクト世界タッグ王者だったグッド・ブラザーズには挑戦していたウノとスチュだが、観たかったのはそんなカードではなく、名実共に業界最高タッグの一つ、MCMGとのドリームマッチ。

 スチュのAEW離脱、C4でのタッグ再結成など時を経て遂にこの対決が実現。
 ダーク・オーダーではなく、SSBとコールされたウノとスチュは、SSB時代の連携技を披露するなど本来彼らに望む試合運びをこの試合では実行していた。

 ただ、この試合ではSSBが持つ爆発力、独創性を凌駕するかのように、MCMGが最高の仕事ぶりを発揮。個々としてもタッグとしても動けば稲妻の様にキレキレ。かと思えば緩急も使いながら、端に脚攻めを行うにしても、低空ドロップキックとドラゴンスクリューをここで合わせるのかとまだ異なる切り口を生み出す。20年選手となっても全盛期を更新し続けるその匠の技を堪能出来る。

 その完璧なMCMGであっても、ウノ&スチュなら一発逆転を起こせるのではと思わせてくれるSSBの本来の魅力を発揮。そうこれが観たかった!と思わずガッツポーズをしたくなる大熱戦。フィニッシュはあっさりだったので、フィニッシュを修正すれば名勝負には到達したでしょう。年始始まったばかりだが、間違いなく今年を代表するタッグマッチの一つには挙がるでしょう。
 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

DPW世界王座戦-スティール・ケージマッチ
カルヴィン・タンクマン(c)対コルビー・コリーノ

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 タンクマンの怪物性と団体のエースコルビーの勇敢な戦いぶりを両立。

 コルビーが機動力を活かした攻めを見せ、流血も交えた被虐でタンクマンの強さを際立たせる。タンクマンもその流れに乗っかり、金網も活用しつつ豪快な攻撃を放つので、ストーリー性やエンタメ性に劣っても熱戦模様のセットアップが十分に出来ている。足りないところを演者の創意工夫でカバー。それを盛り立てる団体と観客。今のDPWが実に上手く回っていることを証明している。

 エスケープを意識させながらも、金網からの攻撃を繰り出し、巨漢タンクマンのスパニッシュフライといった驚愕の攻撃も披露。フェイス対決でストーリーメイクも短い為、その後の厚みを生み出すには試合時間や過激度が足りなかった分はあるものの、金網戦という難題にも合格点を打ち出せる今のDPWの勢いを再認識出来る死闘でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

全体評価:9.5