AEW Dynamite #174 2/1/2023
ジョン・モクスリー対”ハングマン”アダム・ペイジ
テキサス・デスマッチ前の一戦は、場外戦からスタートし、荒々しく乱闘。客席で4の字固めを極めたり、椅子を持ち込んだりと自由に削り合う。毎試合流血しているモクスリーなので、流血がスケールアップに繋がらないのは勿体ない。
この試合に関しても乱戦から比較的自然な流れでは流血していただけに、そこは考え直す必要はある。リングに戻っても乱戦は継続。乱戦におけるアイデア力を競う不利な展開にも付いていけるハングマン。タフマッチに強いのはスターの条件。モクスリー相手にそれが出来ていれば申し分なし。
乱戦からラフで広げていき、大技攻勢に移行し終盤を構築。レスリングを排しても、フェイスヒールの攻防なくとも、ラフファイトだけで好勝負を作り上げる両者の懐の深さを堪能出来る熱戦でした。好勝負。
評価:****
竹下幸之介対ブライアン・ケイジ
両者の身体能力を活かした試合。竹下のプッシュの一環ではあるものの、近い持ち味を持つケイジも文字通り力の限りを尽くす。
ケイジは、中堅ヒールをしている時が1番力を発揮出来ている。トップだと物足りなさはあるが、中堅だと上級である。豪快なスポットも続々と飛び出し、存在感を示しました。
中々良い試合。
評価:***1/2
ブライアン・ダニエルソン対ティモシー・サッチャー
MJFがブライアンの腕殺しのために放った刺客はサッチャー。腕利きの元WWEシューターによるテクニカルコンテストが開催。
サッチャーもWWEを経て表現力は増しているものの、刺客のポジションということで冷徹に仕事を遂行する立ち位置。ブライアンは腕のダメージを表現しながら、サッチャーとの戦いに臨む。
TVプロレスとストーリーの縛りはあるので、このカードに本当に望む渋くも激しいせめぎあいは、完全には表現出来なかったものの、表現したい内容は一定レベルでは実現出来ている。見応えはあるドリームマッチでした。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
AEW TNT王座戦-ノー・ホールズ・バード
ダービー・アリン(c)対サモア・ジョー
画鋲付ジャケットを纏い特攻を仕掛けたダービーだが、それを凌いだジョーは場外戦で形成逆転。ダービーをとことん甚振る展開は、このカードのお家芸。今回は場外戦や凶器攻撃の力も積極的に活用し、ダービーのクレイジーバンプを引き出していく。
攻守のバランスや凶器の導入の仕方、配分、配置も的確。1番効果的な形で各種スポットを決めている。テーブルも飛び出した後は、リングの板を剥き出しにした中での攻防で、過激にフィニッシュ。
ダービーのスーサイドな面とジョーの老獪なキラーらしさが際立った好勝負。この抗争は全て外れがなかった相性抜群の数え歌でした。
評価:****
全体評価:9+