世界のプロレス探検隊

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WWE Backlash 2023 Review バッド・バニー対ダミアン・プリースト/ビアンカ・ブレアー対イヨ・スカイ他

WWE Backlash 2023 5/6/2023

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WWE RAW女子王座戦
ビアンカ・ブレアー(c)対イヨ・スカイ
 まさかのイヨに大声援、ビアンカにブーイングが飛ぶ本国アメリカでは考えられない展開。ポリコレも国境を越えれば、異なる形となるのは興味深い。

 本来のプラン通りに行っていたのかは興味深いが、スタンスを崩さず、レスラーとしての実力勝負で勝負出来る2人だったのは正解。イヨの身体能力やタフさを軸に、ビアンカも怪力技を織り交ぜていく展開。

 一部のブーイングを飛ばしている観客もアクションの凄さには沈黙するしかない。イヨが本来の実力を示し、ビアンカも王者として相応しい対応力を見せた熱戦でした。
 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

WWE US王座戦
オースチン・セオリー(c)対ボビー・ラシュリー対ブロンソン・リード
 怪獣2人に挟まれたセオリーは、インサイドワークで応戦。その分ボコボコにもされるが、ラシュリーとリードが打ち合う隙を狙って狡猾に立ち回る。特にリードのパワフルな魅力が光っており、この中で存在感を示せたのは大きい。

 全編通してこのタイミングのこのカードならこれしかないでしょうという内容とフィニッシュも見事。短時間とはいえ狙い通りの一戦でした。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

WWE Smackdown女子王座戦
リア・リプリー(c)対ゼリーナ・ベガ

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 ハウス・オブ・ブラックメンバーのリアルパートナー対決。

リア・リプリー→バディ・マシューズ

ゼリーナ・ベガ→マラカイ・ブラック

 

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 プエルトリコの血を引くゼリーナが大歓声を受け、感極まる場面も。家族や親族もリングサイドに観戦に来ており、試合前後の大歓声は特別な瞬間。そもそも一度リリースもされているだけに、まさかこの様な瞬間が訪れるとは思わなかったでしょう。

 試合は、白いコスチュームのリアが貫禄たっぷりに支配。佇まいだけで世界最強と世界最高を手中に収められる闇の女王。プエルトリコ開催を意識した攻防も用意し、リアはゴリースペシャルを決め、ゼリーナは619を決めと印象的なシーンも決める。リアが負けることは考えにくい試合だが、印象的なシーンは残し続けた。
 平均より上。
評価:***

 

サン・フアン・ストリート・ファイト
バッド・バニー対ダミアン・プリースト

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 スペイン語圏初のヘッドライナーとなった世界最大級の音楽フェスティバルコーチェラ(Coachella 2023) のステージを2週、沢山のセレブリティが来場するファッションの祭典「Met Gala」参加を経て、ラテン界を飛び越えて世界のメガスターとなっているバッド・バニーが、2005年1月開催の『New Year's Revolution』以来となる故郷プエルトリコ開催のストリート・ファイトで、元タッグパートナーだったプエルトリコ系アメリカ人のスターであるプリーストを迎え撃つ。

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 試合内容は、ハードコアでのセレブリティマッチで出来る事を全て注ぎ込んだもの。バッド・バニーはレスラーとしてもやはり優秀で、プリーストのチョークスラムを被弾し、場外ダイブに豪快な投げ技も決めていく。さすがにプリーストが受けるシーンが多いとはいえ、訓練していないと絶対に出来ない働きを見せる。

 ボクシングの経験があるローガン・ポールとは異なり、バニーはラッパーなので実に驚異的。必要なダメージは全て負っており、そこに類稀なるスター性と観客の支持が乗っかれば、申し分なし。プリーストも強弱を付けた試合運びで的確なサポート。ヴィランとして不可欠な働きを全う。

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 助演陣も超豪華で、JDやLWOだけでなく、プエルトリコのレジェンドカリートとも召喚しお祭り騒ぎ。それで終わらせず、バッド・バニーがクリーンに締める最大の配慮も絶妙。わかりやすいサプライズ祭りと勧善懲悪、それに留まらないバッド・バニーとプリーストのレスラーとしての働き、全てが噛み合った好勝負。

 セレブリティマッチとしては今年のWMのセス対ローガンを早くも超えていく歴代最高レベル。プエルトリコをWWEのテリトリーにするには十分な程の歴史に残る一戦でした。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

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サミ・ゼイン、ケビン・オーウェンス&マット・リドル対ブラッドライン(ジェイ&ジミー・ウーソ&ソロ・シコア)
 バニー対プリーストで燃え尽きた観客を落ち着かせた上で、的確にメインのコーディ対レスナーに繋ぐ役割を任された6人タッグ。

 ウーソズとソロの隙間風を表現しながら、人気者揃いのフェイス組が盛り上げる。RAWやSDでも十分な内容ではあるものの、1番ホットな組み合わせの彼らを出さない訳にもいかないので、これは妥当。
 ジェイ対サミが中心だったのが、ジェイ対ソロのブラッドライン内紛に移すやり方もスムーズでした。抗争の転換期としては十分。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

コーディ・ローズ対ブロック・レスナー

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 コーディが、ゴングが鳴る前に奇襲を仕掛け、椅子攻撃まで見舞う展開。リング内に入っても連続攻撃を仕掛け、隙を与えない。

 弱ったレスナーだが得意のスープレックスシティで反撃。お決まりのシークエンスだが、コーディのダメージ表現が秀逸なので、レスナーの価値が蘇る。

 インディ〜ROH〜AEWとWWEでは出来なかった血が滴る死闘、遺恨戦、デスマッチをこれでもかと経験したコーディ。ローズ家の遺伝子、本人もオールドスクールなスタイルを趣向しているのもあり、この手の遺恨戦は持ってこい。レスナー側も対戦していて楽しかったはず。ディーン・アンブローズとの一戦では、流血も有刺鉄線も拒否したレスナーだが、今回は流血に負けも飲むというサプライズ。この抗争は、とにかくレスナーが真剣に取り組んでいるのが驚き。

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 メキシコ開催のボクシング、カネロ対ライダーの入場が始まっており、カネロの入場前に切り上げたかったことも作用したか、唐突な丸め込みフィニッシュに試合後の演出も皆無だったが、それまでの試合内容で十分満足は出来るものに仕上がっており、長期抗争となるはずの中、今後に期待を持たせることは出来た。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

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全体評価:9