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WWE NXT Vengeance Day 2023 Review ウェス・リー対ダイジャック他

WWE NXT Vengeance Day 2023 2/4/2023

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WWE NXTノース・アメリカン王座戦
ウェス・リー(c)対ダイジャック

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 PWGやBeyond Wrestlingでありそうなカード。ナッシュ・カーターを失ったものの、シングル路線に切り替えた結果、不幸中の幸いで、シングルレスラーとしての本来の実力を世に示す形となったウェス。対するダイジャックも度重なるキャラクターチェンジを乗り越えて、本来の動けるビッグマンという持ち味を示す形に原点回帰。

 組み合わせ通りスポットフェスト的な攻防は多く、良くも悪くもインディらしさはかなり感じる内容だが、2人の持ち味をこのカードで表現するには最適解である。一応フェイス対決ということだが、ウェスをアンダードッグに寄せすぎず、投げ技も活用していたのが印象的。どうしてもダイジャックの豪快な攻撃に対し、守勢に回らざるを得ない事が多くなる中でも、王者ウェスとしての確固たる存在感を放ち続けていた。

 華麗かつハードな攻防が満載。ダイジャックは、キース・リーとの数え歌でWWEでも記憶に残る活躍を残していたが、LUやインディでリコシェやクエルノと素晴らしい試合を見せていたデズモンド・エグゼイヴィアー時代を彷彿とさせる突き抜けた仕事を見せてくれた。

 好勝負。
評価:****

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WWE NXT女子タッグ王座戦
ケイデン・カーター&カタナ・チャンス(c)対ファロン・ヘンリー&キアナ・ジェームス(w/ブルックス・ジェンセン&ジョシュ・ブルックス)

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 ケイデン&カタナの華麗な連携のバリエーションが目を惹く展開。キアナ&ヘンリーが、まだタッグとしての形を見出しているレベルにはない為、結果は別として、ケイデンカタナの独壇場となった内容でした。

 平均より上。
評価:***

 

3本勝負
アポロ・クルーズ対カーメロ・ヘイズ(w/トリック・ウィリアムズ)
 ウェス、カタナとフリッピーさが持ち味の選手の後に、身体のバネが持ち味の一つである黒人選手2人の対戦。ストーリー的にも繋ぎ感が強く、賞味期限が切れている。印象的なムーブは多くあるものの、単発気味。

 その上、トリックの介入に対するカウンターとして、コマンダー・アジーズことダパ・カトーの登場では流石に弱く、2-0のストレートで終わるという誰も得をしなかった試合となってしまった。

 平均レベル。
評価:***

 

WWE NXTタッグ王座戦-フェイタル・4ウェイ
ニュー・デイ(c)(コフィ・キングストン&エグゼイヴィアー・ウッズ)対プリティ・デッドリー(エルトン・プリンス&キット・ウィルソン)対ギャラス(ウルフギャング&マーク・コフィー)対チェイス・U(アンドレ・チェイス&デューク・ハドソン)(w/テア・ヘイル)

 ニュー・デイとチェイスUという人気者タッグ2組、ヒールのPD、巨漢の荒くれ者ギャラスと、見事にキャラクターがバラけており、バラエティ豊かなメンツを上手くまとめるのは、管理プロレスのお家芸。

 安定したスポット回しから、場外ダイブスポット、チェイスの大合唱、実況席破壊と見栄えの良いスポットを続々投入し、走り切った内容。大きくハネた訳ではないものの、ミッドカードの4ウェイとしては満足出来る。
 平均的良試合。
評価:***1/4

 

WWE NXT女子王座戦
ロクサーン・ペレズ(c)対ジジ・ドリン対ジェイシー・ジェイン
 中盤までは2対1の展開が続き、終盤ではジェイシーとジジが仲間割れしたことにより、その組み合わせでの戦いも発生。典型的なヒール2、フェイス1の3ウェイをそつなくこなしていたのは印象的。

 難しいシチュエーションにおいても、安定感抜群なロクサーン。2人をまとめて蹴散らすムーブも多く披露しと、ハンデを一切感じない戦いぶりでした。最後はテーブルと雪崩式で華やかにフィニッシュしたのも、印象が良くなった要因。
 平均的良試合。
評価:***1/4

 

WWE NXT王座戦-スティール・ケージマッチ
ブロン・ブレイカー(c)対グレイソン・ウォラ―

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 豪インディ時代と同じウザヒールキャラクターでNXTのトップクラスまで登り詰めたウォラー。ただウザヒール路線では、大先輩ミズに成長著しいオースチン・セオリーもいる為狭き門。この試合では、キャラクター通りにブレイカーにボコボコにされながらも、小狡く形勢逆転し、時折大技を決めてと持ち味は出し切った格好。

 対するブレイカーは、スラムやスープレックスは強力だが、タックルや打撃のインパクトが弱めと父親譲りのWCWテイストを醸し出す。WCWも好きな筆者は嬉しくなるものの、WCWが嫌いなファンの方が多いはずなので、悪い印象を与える。

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 大プッシュの反動で支持が減ってきていること、遺恨戦や特殊形式の経験不足といったネガティブな要素が多く、オープニングではあれだけ盛り上がっていた観客が静かになっていたのがこの試合では全て。昇格候補最有力のブレイカーもまだNXTでやる事があると痛感させられた一戦でした。
評価:**3/4

 

全体評価:7+