世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

GCW Review 2022 コマンデル組対グリンゴ・ロコ組/マーサー対カートウィール他 ~とにかく重力を無視するコマンデル~

GCW Amerikaz Most Wanted 12/16/2022
コマンデル、アーレス&ASF対グリンゴ・ロコ&ロス・パイパーズ(トキシン&ラティゴ)

 とにかく鳥人コマンデルの動きに驚愕する試合。これまでも呆気に取られ続けてきたが、この試合では、更に一段レベルが上げ、重力なんてなかったかの様な驚愕の動きを見せた。その為、他が凄い動きを見せても霞んでしまう。

 パイパーズも体格を感じさせない軽快な動きは多数見せたが、コマンデルの後では鈍重さが出てしまうのは可哀想。比較相手がルードに置いた時のアーレスやブラック・タウルス、ラレド・キッドでは流石に分が悪い。

 ただ、ユニットで動いているだけあり連携は豊富。グリンゴを加えた独創的な連携の数々はインパクト十分。6人入り乱れた攻防やムーブの数々は、ルチャらしい楽しさを多分に感じさせ、アーレスとASFが繋ぎ、最後はコマンデルの大技で締めると黄金パターンを作り、何かあればそのパターンに立ち返れば良いとなっていたのも功を奏していた。

 上述の理由から好勝負止まりではあるものの、この試合におけるコマンデルが巻き起こした瞬間最大風速は、年末となった現在でも2022年のベストモーメントの一つに数えられるでしょう。

 好勝負。

評価:****

 

GCWエクストリーム王座戦
ジョーイ・ジャネラ(c)対パガノ

 

 ジェイク・ロバーツもビックリの大蛇を持ち込んだジョーイがこの試合のハイライト。試合は、ドアに椅子と軽めのハードコアではあるが、人気者同士スターパワーにより、力ずくで何とか出来てしまう強さも示した。

 まあまあ良い試合。
評価:***1/2

全体評価:7

 

GCW Wasted Time 12/3/2022
GCW世界王座戦-デスマッチ
ニック・ゲイジ(c)対コール・ラドリック
 これまでなら一方的にボコボコにしても良い位だが、まだ本調子ではないゲイジに対し、成長著しいラドリックが本気にさせる展開。2020〜2021年のゲイジにはまだまだ程遠いが、ほのかにかつての鋭さは垣間見えたデスマッチ。本調子ではない分ストーリーで補佐出来れば良いが、その雰囲気はないのが残念。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

GCW One Afternoon Only 12/4/2022
シェイン・マーサー対ジャック・カートウィール

 

 


 怪力対ハイフライヤーという構図の相性は元来良く、両者粗さがあり、繋ぎの為の用意したネタも余り嵌っていないところは、試合構築の拙さは感じるものの、マーサーは持ち前の常人離れした怪力でカートウィールを千切っては投げ、カートウィールは、高所ダイブや場外でのカナディアン・デストロイヤーで空気を一変させる。

 スポットの強烈さは特筆すべきものがあり、そこに相性の良さが乗っかり、上手く粗さをカバー出来ている。クライマックスの大技連発もこのカードならではの豪快なものばかり。定番化すれば大化けする可能性を秘めた一戦でした。
 中々良い試合。

評価:***1/2

 

トニー・デッペン対ビリー・スタークス

 デッペンがほのかにヒール風味は出すものの、基本は真っ向勝負。上背の差は殆どない為、真っ向勝負でも違和感はなく、実力者だがヘタレ属性もあり、女子とほ真っ向勝負となっても違和感なく力を出し切れるのがデッペン。

 ビリーも女子選手の中ではパワフルな部類に入るので、当たり負けせず実力を発揮。シンプルな一進一退だが、デッペンの巧さとビリーのパワフルさが交わり、見応え満点のメインイベントに。

 小大会とはいえ、何でこのカードがGCWでメインなのかと疑問にしか思わなかったが、見事なタフマッチで、戦前予想を遥かに超える大熱戦となりました。 

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

全体評価:7