世界のプロレス探検隊

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GCW/VXS Jimmy Lloyd's All Grown Up Review "スピードボール"マイク・ベイリー対ミエド・エクストレモ他

GCW/VXS Jimmy Lloyd's All Grown Up 2/17/2023

 

www.fite.tv

 

イースト・ウエスト・エクスプレス(ジョーダン・オリヴァー&ニック・ウェイン)対ストレンジ・バイ・コマンド(アーレス&コマンデル)

 戦う事が多いアーレスとコマンデルがタッグを結成。コマンデルの無重力技は、会場の広さ的にもタッグのバランス的にも控えめだったが、アーレスのタッグは上手く回っており、連携も的確。タッグ歴が長いEWX相手にも、タッグとして負けていなかった。

 対するEWXは、勢いに溢れるアーレス&コマンデルに苦戦しつつも、ホームの意地を見せる。オリヴァーが引いてウェインが華やかに躍動し、最後は連携でというのが決まったパターン。それは変わらずだが、オリヴァーのターンで引いても動いても隠しきれない存在感の高さが、ウェインの存在を凌駕していたのが印象に残る。ロッカーズでもバックシートボーイズでもなく、DXやMCMGになっていく可能性を秘めている。それ程オリヴァーの躍進が凄まじい。
 試合は、一度勢いに乗ってしまえば、ギアは止まることなく加速。4者4様どの組み合わせでも楽しめる、見応え十分の軽量級タッグマッチ。好勝負や名勝負レベルも狙える可能性を秘めている。中々良い試合。

評価:***1/2

 

コフィン・マッチ
シクロペ対マシュー・ジャスティス
 AEWではダービー・アリン用の特殊形式となっているコフィン・マッチ、要するに棺桶戦。この2人なので、棺桶に入れる入れないよりも相手を潰し切ってから最後に入れるということに軸を置いた内容となり、椅子にドアとお馴染みの凶器で、ノーガードで頭部への椅子攻撃を受けるマシューの勇姿を堪能できる。

 しかし、デスマッチとハードコアで少し相容れない部分があるのも事実。両者実力者なので形にはなるものの、ハチャメチャはハチャメチャだが、死力を尽くし切った訳ではなく、ミッドカードレベルに抑えていた。ただ楽しめる乱戦ではある。

 まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

“スピードボール”マイク・ベイリー対ミエド・エクストレモ

 デスマッチ/ハードコア部門のミエドがベイリーと対峙する異次元マッチ。ただ、ミエドも日本で修練を積んでいた選手。デスマッチだけではなく、レスリングも出来る所を示す。

 ベイリーがハードヒッティングで試合のベースラインを敷いたことにより、ミエドもわかりやすく乗っかる事が出来る。ラフを織り交ぜつつ、対ベイリーの定石通り脚攻めを行う。それもロメロ・スペシャルを徹底的に使うことでルチャドールらしさを示したのは賢明。重ねて客席でロメロ・スペシャルを再度行ったのはこの試合のハイライト。

 厳しい実直な攻めの数々に、時折織り交ぜられるルチャらしいアクセントが光る。ハードヒッター対デスマッチ/ハードコアファイターの良さも、その枠に囚われない良さも兼ね揃えており、想像を遥かに超える熱戦となりました。日本人にとっては、このカードが素晴らしい内容になってくれたことは、倍嬉しい。
 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

全体評価:7.5+