世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

FREEDOMS 2021 Review ビオレント・ジャック対竹田誠志/葛西純対植木嵩行他

FREEDOMS 葛西純プロデュース興行 

東京デスマッチカーニバル2021 vol.2 8/30/2021

血肉散乱R指定トリプルKデスマッチ
葛西純対植木嵩行
 世界にも出ていく2人なのに、KKKは本当にやめた方が良いのは置いておいて、内容は世界水準の面白さ。蛍光灯はあくまでもサブ凶器で、有刺鉄線木馬、剣山などを上手く活用。裸足状態なのが活きる展開を作り出し、とどめは大量の画鋲。

 途中でショートタイツになるのは、コミカルに寄ってしまうと危惧したが、画鋲のインパクトが最大限映える演出となった。攻守に渡り、植木のリアクションが冴えていて、シリアス面を増やし、その影響でブルファイトとのバランスも良くなっていた。葛西の土俵でも闘える事を示し、トップ戦線で登用した意味を結果で返す事が出来た。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

KING of FREEDOM WORLD CHAMPIONSHIP-

Top of the Deathmatch World 4 Dangerコーナーフリーウエポンデスマッチ
ビオレント・ジャック(c)対竹田誠志
 先程のセミと打ってかわり、ジャパニーズ・ストロング・スタイル・デスマッチを見せたのはこの試合。とにかく間を空けずに、各種凶器を鋭角に最高速度で打ち込み続ける極限のタフマンコンテスト。2人のスタイルなので仕方ない部分もあるが、ストーリーもライバル関係も大きくはないだけに、凄いけども、凄いだけという内容。溜めを作る、余韻を味わう演出が全くないのが要因。

 そこはジャックが上手く調節して欲しかった。断崖式ガラスボード葬や掟破りの必殺技合戦で形は付けたものの、アスリート性には優れていても、ドラマ性には欠けていた激戦。デスマッチもレベルが上がり切り、今やプロレスリングとしてドラマ性も必要になる時代で、アメリカやメキシコ(それこそシクロペたち)ではそれを難なく実現しているので、この2人もプラスアルファを見せて、世界最高の名を轟かせて欲しかった。とはいえ、壮絶な好勝負という事には、何の疑いもありません。好勝負。
評価:****

 

全体評価:7.5+

 

FREEDOMS E.R.E NIGHT! 2021 8/11/2021
E.R.E デス4way(フェイタル・4ウェイ)
ビオレント・ジャック対佐久田俊行対植木嵩行対竹田誠志
 スクランブル・デスマッチ。ハサミや魚串など各種得意凶器&蛍光灯系凶器を矢継ぎ早に激しく撃ち合う展開。トップ所4人が揃って、出し惜しみなく打ち合えば、面白くならない訳はない。新木場サイズで肩の力が入り過ぎてなかったのも良く、それぞれの攻守の配分も非常にバランス良く与えられており、動ける選手ばかりなので、疾走感も満点。

 ジャックと竹田の前哨戦ではあったが、植木佐久田も見劣りせず、むしろ緩急を付ける役割も担っており、この試合が良化する要因となっていた。

 最後、佐久田のフィニッシュとなった蛍光灯束を背負ってのスワントーン・ボムだったが、蛍光灯束の背負い方が、アメリカで活躍を続け、来日を嘱望しているデス・サムライの姿、そして佐久田と同じ小柄ながら、米デスマッチシーンでは欠かせない男となったハニー・ベイジャーの姿を思わせるもので、来たる激突を期待してしまった。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4