AAA Auto Luchas 3/20/2021
AAA世界クルーザー級王座戦
ラレド・キッド(c)対アーレズ
MLWでリオ・ラッシュにベルトを奪われたのは有耶無耶となり、何事もなかったかのようにAAAで王座戦を戦うラレド・キッド。
独創的な攻撃、勢い溢れるハイフライング、ルチャらしい攻防は目を引く。そこに試合運びの安定感を織り交ぜ、王座戦らしい格式高い空気感を上手く作り出しているのは見事。アーレズを押し上げるラレドの受けベースの試合運び、スピーディーになり過ぎず、丁寧かつそれでいて豪快に攻防を紡いでいくのは、アメリカンプロレスにも精通しているラレドならでは。アーレズも独創的なカウンター、ジャベの使い方も上手く、そこについて行けるだけの能力を持っていたのも功を奏し、重厚な内容に仕上がっている。
場外での投げ、断崖式の投げを活用していたのも効果的。王座戦に相応しい痛み、重みを視覚的に生み出していたのは的確。ルチャに不足しがちな試合の重みをこれで補っていた。終盤からクライマックスになっても、勢いも質も落ちず、そのまま突っ走り完走。もっと特別なスポットを入れて、ハードコア要素を付け足せば名勝負になってもおかしくなかった一戦。このままパッケージで世界中に出せる大激戦でした。
文句なしに好勝負。
評価:＊＊＊＊1/4
