世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

ACTION/SUP Have Fun, Be Sad Review VIF対フィンジュース/ノーラン対レイン他

ACTION Wrestling/Southern Underground Pro(SUP) Present: Have Fun, Be Sad 4/9/2021

 

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ACTION - IndependentWrestling.TV


ダニエル・マカベ対エリック・ロイヤル
 

 今大会で1番期待していた技巧派対決ではあるものの、ロイヤルはヒール王者でパワーがある選手なので、マカベが受けに回る展開が多く、奇術師のテクニックは余り前に出てこない。両者ベテランでそつなくこなしているものの、期待していたレベルには到達せず。

 終盤マカベが投げを多めにして、攻撃の比重を多くしたことにより試合は良化。激しさとテクニカルな面が上手くミックスされて、帳尻を合わせる事には成功しているので、それなりの内容には仕上がっている。中々良い試合。
評価:***1/2

 

マット・マコウスキ対アダム・プリースト
 マコウスキの華やかでトリッキーな攻撃と地味渋職人型プリーストの厳しい攻撃が絶妙なバランス。短時間の試合だからこそ互いの持ち味を凝縮して見せていた。このカードの狙い通りの内容。平均的良試合。
評価:***1/4

 

アンサンクションド・マッチ
ノーラン・エドワード対アンジェラス・レイン

 連戦続きのノーラン、今度は非公式試合に参戦。そしてそれはハードコアを超えるデスマッチ色の強い試合となっていく。試合開始前からリングに画鋲を撒き、そこで両者受け身をガンガン取っていくトンパチ具合。更に場外戦では椅子攻撃を互いに繰り出し合い、レインは大流血。

 リングに戻れば、更に画鋲攻撃に戻り、とことん痛めつけ合う展開。レインは器用な選手ではないが、タフさはあるので、こういう試合にはピッタリ。そしてノーランの試合運び、凶器の使い方が絶妙。投げに偏らず、打撃を散らし、画鋲も投げばかりではなく、踏みつけを使う等工夫も凝らしている。

 画鋲ばかりでは持たないと思えば、有刺鉄線やドア破壊を活用。レインの短所を隠し、長所であるタフさを引き出し切った。最後も豪快ではないにしても、有刺鉄線ドア葬で印象的に締めているので悪くはない。ノーランのハードコア・レスリングにおける試合構築の上手さがとことん光った一戦。見応え満点のタフマッチでした。

 こんな試合をした後、その日の内に後3試合もして、翌日もシュラックとマフと試合をしたノーラン。その働きぶりは当然ながらMVPである。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

ヴァイオレンス・イズ・フォーエヴァー(ドミニク・ギャリーニ&ケビン・クー)対フィンジュース(デヴィッド・フィンレー&ジュース・ロビンソン)

 まさかまさかのマッチメイク。インパクト参戦の為にアメリカに帰っていたフィンジュースが、何故か今大会でVIFと対決する流れ。VIFも実力者ではあるが、実績的にはフィンジュースが格上。しかし自らのプロデュース大会で、日本でスターになった大物を目の前にして、VIFが奮起。

 試合は、ヒールを選ばずに、ベビーフェイス対決を選択。序盤~中盤は、オーソドックスな立ち上がりから孤立の展開となり、フィンジュースが合体技を次々と放ちリード。テンポが実に良く、技も正確。日本で、インパクトで見る時よりもタッグとしての仕上がりが増しているのではと思う程。

 VIFもクーが勢いに乗った爆発を見せてからは、互いに一進一退の攻防へ。VIFも連携攻撃、合体技が豊富な上に、インディらしい荒々しさ、鋭さを押し出せるシュートスタイルの強みも持っているので、あわやVIF大勝利かという展開においても説得力が生まれる。最後はフィンジュースが押し切ったものの、良い意味でタッグとしての実力差が少なかった事もあり、ここまで手が合うかと感心する激戦となりました。

 インパクトでも新日本USAでもこのカードを組めば、フィンジュースの良さがもっと知れ渡ると確信出来る内容。見事なメインイベント。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

全体評価:8.5