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ACTION Wrestling No Easy Way Out Review "戦慄の打撃戦" アンソニー・ヘンリーvsノーラン・エドワード!

ACTION Wrestling No Easy Way Out 2/12/2021

ACTION - IndependentWrestling.TV


アンソニー・ヘンリー ラスト・インディマッチ
アンソニー・ヘンリー対ノーラン・エドワード(w/AKIRA)

アンソニー・ヘンリーインディ卒業試合は、新鋭ノーラン・エドワードとの一戦を志願。KOBK(Kill or Be Killed)のクルーの一員であるAKIRAを従えたエドワード。

ヘンリーの鋭い攻撃に何とか喰らい付いていく冒頭。軽快な動きを見せ、鋭い打撃も返していく。しかしいつも以上に気迫が凄まじかったのはヘンリー。KO級の打撃を幾度となく放ち、脚はドラゴンスクリューだけして終わりとかではなく、膝裏へのキック等も見舞いとことん痛めつけて動けなくしておいて、関節技で失神させる。華麗さ、激しさ、バリエーションのみならず、その攻撃を生かす為の立ち振る舞いや繋ぎ技等演出面においても高品質。若手を上げて去るのではなく、未だかつてないほど叩きのめした上で去っていく。フェアウェルマッチとしては異形で異例の内容。

ダン・マフやジョン・ウェイン・マードックにボコボコにされても立ち上がり続けたエドワード。この試合でも良い攻撃は見せつつ、メインはタフさを示す事であったが、この超新星エドワードを完璧に上回り、蹴散らす。「完全殺戮」という言葉が相応しいヘンリーの潰し方はまさに驚愕の一言。試合が終わった瞬間は、ヘンリーの潰し方が凄すぎて呆気に取られてしまった。その中でもドラマ調の展開も加えていたのは、良い意味でスポーティーさを消すアクセントになっていて効果的。
ヘンリーのここ数年の充実度を考えると、コロナがなければ、日本でザックやリッジウェイのような活躍をしていたかもしれないと悔やまざるを得ない。一度NXTを蹴って夢を叶えたかったけれども、愛する家族の為に、生活を選んだヘンリー。しかし今のNXTは、サッチャーやKUSHIDA、ローキャンなど極上のシューター揃いなので、活躍の場は確実にあるだろう。

その様な旅立ち前のヘンリーが、インディへの最後の贈り物として、これからシーンを背負って立つエドワードに対して、地元ジョージアのACTION Wrestlingで、闘魂注入試合を行ったのは感慨深い。試合自体はバチバチのハードヒッティングマッチで、ヘンリーがエドワードを叩きのめした戦慄の内容だが、この試合の背景やヘンリーの辿ってきた道を考えるとエモーショナル度が増す内容。

試合後に自らの代わりに、エドワードをワークホースメンのメンバーとして任命したのも興味深く、その後にICW NHBにヘンリーの親友でありタッグパートナーのJDドレイクが参戦を決めたのも必然だろうか。インディシーンに対するアンソニー・ヘンリーの最後の置き土産は、2021年のUSインディを代表する好勝負。
評価:****