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CZW Tournament Of Death 19 Review ネクロ・ブッチャー対ビッグ・F'N・ジョー他 ~TOD復活! 女帝ミッキー狂い咲き~

CZW Tournament Of Death 19 10/29/2022

 

 

1回戦-Shattered & Bruisedデスマッチ 
ネクロ・ブッチャー対ビッグ・F’N・ジョー

 


 試合形式は、ペインズ・オブ・グラス&タイペイ・デスマッチ。
 被虐よりも狂乱要素を強め、相手を攻め倒すのが今のネクロ。今回もガラスボードを投げつけたり、釘をこれでもかと相手に突き付けたりとやりたい放題。まったりした部分もあったとはいえ、ジョーもネクロへのリスペクトを込めた試合展開にしており、ネクロのお株を奪う様なタイペイ・パンチ連発で返り討ちに。期待通りの乱打戦となりました。
 中々良い試合。
評価:***1/2

 

1回戦-Fluorescent Fatalityデスマッチ
ミッキー・ナックルズ対オリン・ヴァイト
 試合形式は、蛍光灯デスマッチ。
 今まででもトップクラスに本気を見せている今大会のミッキー。対するオリンは試合構築が抜群に上手く、反ワクチンでなければ今もGCWに出続けているはずの一戦級。

 蛍光灯の使い方にしても派手で場を繋げるから使う昨今の使い方ではなく、最上級の凶器として丁寧かつ豪快に活用していく。蛍光灯の価値を再認識させるハードかつクラシックな内容となっている。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

準決勝-ファンズ・ブリング・ザ・ウエポンズ・デスマッチ
ボビー・ベバリー対ビッグ・F’N・ジョー
 観客凶器持ち込みデスマッチだけあり、様々な凶器をストレートに叩きつけ合う展開。特に蛍光灯系が多く派手で見応え有。決勝に備えたコンパクトサイズの準決勝とはいえ、中々に身体を張ったデスマッチでした。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

決勝
ボビー・ベバリー対ミッキー・ナックルズ
 決勝は、ノーロープ・バーブドワイヤー、ノーキャンバス、ライトチューブス&スカフォード・デスマッチといった決勝らしい形式。
 米インディ界におけるリビングレジェンドとオハイオが誇る仕事人の対決。拳と頭突きと蛍光灯が殆どの割を占めるものの、いつもの下ネタを最小限に抑え、シンプルかつダイナミックな攻防を展開。ミッキーに関しては、ベバリーの猛攻と3試合目のダメージでフラフラにはなるものの、そこからの粘り腰に感情移入したくなる戦いぶりの表現力は見事。手加減一切なしの仕留めに行ったベバリーの猛攻を真っ向から受け切り、攻めでも男子顔負けの鋭い攻撃とIWA時代の闘魂ミッキーを再び目の当たりにした一戦。

 締め括りは高所足場(コーナーの最上段よりも少し高い程度)からガラスボード2枚(その内1枚には火が!)と蛍光灯櫓トラップに叩き落とし盛大にフィニッシュ。
ベバリーも心の籠った仕事ぶりで素晴らしかったのは言うまでもないが、1番はミッキーの仕事ぶり。まさに生き様を示す。

 もう余り名前を出せなくなりつつあるイアンとのデスマッチを彷彿とさせる入魂の闘いでした。CZWやDJハイドというよりもTODという由緒正しい大会に相応しい決勝にしようという強い気持ちが、高い技術によって具現化された激闘。

 DJハイドが嫌いでも今の没落CZWに魅力を感じなくても、今大会とこの決勝そして今大会のミッキーの戦いは、デスマッチならば確実に見届けて欲しい。ミッキーはやはり、デスマッチシーンにおけるG.O.A.Tの1人である。
 好勝負。
評価:****

youtu.be

 

全体評価:8.5+