世界のプロレス探検隊

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東京女子プロレス(TJPW) TJPW INSPIRATION Review 乃蒼ヒカリ対ソーヤー・レック/桐生真弥対がばいじいちゃん

東京女子プロレス(TJPW) TJPW INSPIRATION 5/1/2023

 

桐生真弥対がばいじいちゃん

 

 両者のキャラクターが最高にマッチした上質なコメディマッチ。がばいじいちゃんのキャラクターも既に定着してしまったが、桐生という新風により、鮮度が復活したのは大きい。桐生も内から出て来るキャラクターで戦っているので、違和感がない。

 杖を活用した各種攻防は、レフェリーを交えるところまで行き、完璧にやり切った内容となる。実験的なカードだったが、予想以上に優れた化学反応を起こす事が出来た。年一回は必ず観たくなるカード。桐生の現時点でのキャリアベストマッチといっても良いでしょう。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

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蛍光灯デスマッチ
ソーヤー・レック対乃蒼ヒカリ

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 乃蒼の初めての蛍光灯デスマッチ。デスマッチ経験はある実力者ではあるものの、アイドルレスラーの蛍光灯バージンを捧げられるというキャリアの中でも屈指の大役を任されたソーヤー。

 レスリングの実力や経験に勝る乃蒼だが、デスマッチ経験は少なく、蛍光灯は初。レスリング能力には劣るものの、デスマッチ経験は多いソーヤーという対比だが、男女含め格上との対戦が多く、試合をリードする立場は余りない中で、体格差を活用しながら試合を展開していく。

 上手く蛍光灯が割れないシーンや椅子攻撃も狙い通りに決まらない中でも、すぐさま追撃を行いカバーするのは明確な成長を示している。乃蒼の小気味良い動きと献身性は勿論重要な要素だったが、ソーヤーが体格を活かした投げ技やビッグブーツを躊躇なく放つことで試合を象っていたのは印象に残る。アメリカでやっているものに比べれば、過激度はまだまだとはいえ、アイドルが体格差のある外国人相手に蛍光灯デスマッチを戦う背景だけで加点となっている中、見事にアンダードッグを演じ切って、試合を完遂。

 場外の椅子攻撃や蛍光灯へのチョークスラムは見応えがあり、特に蛍光灯を丁寧に使用していたのは、デスマッチの神秘性、苛烈さを表現するに活かされていた。このカード、このタイミングしか出来ない試合。クオリティ以上のインパクトとエモーショナルさがある。中々良い試合。

評価:***1/2

全体評価;7.5