世界のプロレス探検隊

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PROGRESS Wrestling Chapter 129: I Choo-Choo-Choose You Review カーラ・ノワール対スワーブ・ストリックランド

PROGRESS Wrestling Chapter 129: I Choo-Choo-Choose You 2/20/2022

 

“オリジナル”ROH世界王座戦-ピュア・ルールズ
ジョナサン・グレシャム(c)対ディーン・オールマーク
 ジム・スモールマン体制からCCKの一員としても参戦していたグレシャムが今回も登場。UKマットでピュアレスリングを体現出来る実力者オールマークと共に、己のテクニックのみで仕上げる試合を作り上げる。大技はなく、出てもアームホイップ位だが、この2人なので飽きる事なく楽しめる。

 序盤でロープブレイク権を喪失させる攻防を行った割に、終盤にフォールやサブミッションで、そのロープブレイクを巡る攻防を演出しなかったのは勿体なかった。この2人ならそれが最も容易く出来るだけに。ただ、試合を通したストーリーテリングは備わっており、匠の技術を堪能出来る内容ではある。中々良い試合。
評価:***1/2

 

 

PROGRESS世界王座戦
カーラ・ノワール(c)対”スワーブ・ザ・リアリスト”シェイン・ストリックランド

 ブラック・スワンよりもスワンの様に舞い続けるストリックランドの高い技術を堪能出来る試合。元WWEのビッグスターを迎えたことで、カーラが一歩引いて、ストリックランドを立てる試合運びを行おうとする一方で、ストリックランドはカーラのキャラクターを理解した上で、挑発を入れるなど工夫を施した立ち上がり。
 試合を通して緩急の使い方が印象的で、カーラは得意のトペ・スイシーダ式飛び付き胴締めスリーパーを放ち、ストリックランドもラフ、ハイフライング、関節殺しと多種多様な武器を駆使し応戦。ストリックランドの流れる様な試合構築に、カーラは王者でありながらアンダードッグ的魅せ方で応戦し、臨機応変な振る舞いを見せていた。

 溜める所は溜めて、畳み掛ける所は惜しみ無く死力を尽くす。エプロンへの投げ、場外でのスワーブ・ストンプ等凶器を使わないハードコアレベルにまで昇華させており、絶対王者陥落かと最後の最後まで思わせ続けていたほど濃密な内容。

 ストリックランドの持ち味が詰まっていた激戦で、このレベルの相手でも格も実力も落ちないのが、UKマットを代表するレスラーとなったカーラの今の姿。AEWファンは、シェイン・ストリックランドが何故WWEをリリースになったのか疑問に思いたくなることでしょう。名刺代わりになる一戦。と同時に、カーラ・ノワールを押さえておきたくもなる試合でもある。文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

youtu.be

 

全体評価:8