大日本プロレス(BJW) 旗揚げ30周年記念大会 大日魂 神奈川・横浜武道館大会 5/5/2025
BJW認定デスマッチヘビー級選手権試合-鋭利物裸足デスマッチ
AKIRA(c)対デイル・パトリックス
蛍光灯やガラスボードが使えない横浜武道館ということで、有刺鉄線などの鋭利な凶器を使う裸足デスマッチ。やりたいことや世界観を共有出来ていたことが大きなポイントとなった本試合。
AKIRAのレスリングも織り交ぜたトリッキーなスタイルも理解し切っており、尚且つこの試合では両者がレスリングも出来て、ハードコアにもデスマッチの試合運びを応用出来るUSのトップデスマッチファイターだからこそ通常技と各種凶器とのミックスを上手く成功出来ている。
今も蛍光灯全盛時代であり、なおかつ今後蛍光灯生産停止の未来が待っている中で蛍光灯が使えないデスマッチの可能性を示しただけでなく、有刺鉄線やカミソリボードといった殺傷力に反して使い古されすぎてインパクトが薄れつつある凶器の価値を再定義している。
有刺鉄線が巻かれたロープでの拝み渡りといった過去のオマージュも組み込みながら、最後までクレイジーなスポットとそのアイデアが尽きなかったのが素晴らしい。流血量もかなりのものであり、裸足デスマッチの狂気を最大限活かした激闘でした。
好勝負。
評価:****
BJW認定ジュニアヘビー級選手権試合
日高郁人(c)対佐藤孝亮
WWE ナタリアではないがまさに”控え目な伝説”Low-Key Legend、日本が世界に誇るジュニアのリビングレジェンド日高が卓越したテクニックで佐藤を翻弄。
グラウンドテクニックから打撃、そして得意の脚攻めから必殺ショーンキャプチャーへの布石を打つ、耐えられると脚を削る打撃、そして必殺級の攻撃を放ちながら、脚攻めも並行して行う。これらをスムーズに行い、若武者佐藤を圧倒。
日高の技術と経験に圧倒された試合内容。対する佐藤に関しては、一定の技術はあるものの、日高と技術で勝負するのは分が悪い。だからとがむしゃらに立ち向かい続けたことがこの試合では功を奏し、ドラマ性を生んでいた。割り切りとひたむきさが生んだ感動の王者交代劇。
日高の完璧な試合運びに感嘆しつつも、若さ溢れる佐藤の良さが出た熱戦でもありました。好勝負。
評価:****
BJW認定世界ストロングヘビー級選手権試合
神谷英慶(c)対橋本大地
タッグパートナー対決であり、大日本ストロングBJを見せると両者が考えた結果、武骨なハードヒッティングマッチを展開。ヘビー級のゴツゴツとした攻防、鋭い打撃の数々とストロングらしさを打ち出していく。
2人の世界に入ること自体は決して悪くないものの、余りにも入り過ぎると、観る者からすると置いてけぼりの印象を受ける。ビッグマッチだからいってわかりやすく万人ウケをするような内容にしない、2人の世界を見せつけるという良くも悪くも確固たる意思が見て取れた一戦で、最後まで折れることなく貫き通した。
メジャー団体だと攻め過ぎて出来ないことを、尖っていると見られてもやるのがインディという観点から行けば、これくらい他と差別化しても問題はないでしょう。パートナーでありライバルでもある両者の頂上決戦に相応しい熱戦であることには、疑いの余地はありません。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
全体評価:8
全体評価:7.5+