世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

新日本プロレス G1 Climax 34 レビュー 辻陽太対KONOSUKE TAKESHITA/鷹木信悟対グレート・オーカーン他

新日本プロレス(NJPW) G1 Climax 34 1日目 エディオンアリーナ大阪第1大会 7/20/2024
Bブロック公式戦
辻陽太対KONOSUKE TAKESHITA

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 新世代を担う者同士であり、日本体育大学先輩後輩対決。特別なカードを、この先何年も続いていく様なライバル関係を築ける様に、更に特別に仕上げようとする意図を強く感じる試合。

 竹下のショーケースマッチであり、ライバル関係のセッティングのための一戦だが、2点共に関して満点回答だったのがこの一戦。竹下の類稀なるアスリート能力、AEWで鍛えた表現力や魅せ方を駆使し、試合と会場を支配。

 序盤のトペコンとタケシタラインで度肝を抜き、その後の攻防も全てインパクト満点。ポテンシャルの高さを示すと、辻との戦いをヒートアップ。ショーケースどころか試合が進んでいけば行くほど激しさも熱さも増していく。日本人でも屈指の身体能力の高さと180cm超えの上背から来る迫力と華やかさ、互いの手数の多さもあり、攻防が高いレベルな上に、途切れない。
 その意味でもライバル関係も確実に築くことが出来、2人が業界の未来であることを提示出来た好勝負でした。日本人離れした華やかさとダイナミックな攻防の数々でショーをスティールしました。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

新日本プロレス(NJPW) G1 Climax 34 9日目 大阪・大和大学 大和アリーナ大会 8/3/2024

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Aブロック公式戦
鷹木信悟対ザック・セイバーJr.
 完成された数え歌。緩急を使った打•極•投で魅了していく。ロングマッチである必要はなく、ソリッドかつハードな攻防の数々で会場を掌握。吹田でこの数え歌が見れる素晴らしさ。
 サブゥーのモノマネをする茶目っ気を披露した鷹木だが、攻撃に関しては茶目っ気は一切なく激しさオンリー。激しい攻防の応酬の末、三角絞めを持ち上げてラスト・オブ・ザ・ドラゴンに持ち込んだ驚愕の1発でフィニッシュ。大満足のメインイベントでした。

 好勝負。
評価:****

 

新日本プロレス(NJPW) G1 Climax 34 16日目 浜松アリーナ大会 8/14/2024

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Bブロック公式戦
KONOSUKE TAKESHITA対成田蓮


 EVILと東郷を竹下の入場時に介入させて主導権を握った成田。ダメージを負っている脚を更に重点的に狙うことによって竹下の攻撃力を削ぐ。
ラフを交えつつも膝十字やインディアンデスロックなどを駆使し、竹下を封殺。ヒールプレイの中に隠された様々なテクニックを堪能出来る試合。竹下のダメージ評価も的確で相乗効果を生む。

 単なる柴田勝頼フォロワーではなく、成田蓮としての魅力を出すことに成功している。まさに成田なりのストロングスタイルである。
 脚が使えなくても強力な攻撃を繰り出せる竹下の魅力も光っている。終盤は戻ってきたEVIL &東郷の介入でいつも通りと思いきや、それだけで終わらせずに、成田の膝へのサブミッション対膝を使えない竹下の弾丸エルボーの構図に回帰したのも見事でした。想像を遥かに超える大激戦でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

新日本プロレス(NJPW) G1 Climax 34 17日目 幕張メッセ大会 8/15/2024

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G1 CLIMAX 34優勝決定トーナメント・ファーストステージ(Aブロック)
鷹木信悟対グレート-O-カーン
 オーカーンがアマレステクニック、柔術に関節技と格闘技のスーパーエリートたる姿を積極的に見せることで特別感を出す。

 独特のキャラクターから来るラフなスタイルとも上手くミックスすることで、キャラクター性も備えたシューターとして覚醒することに成功。

 対する鷹木は直線的なファイトは業界トップに立つ上に、変化球も何でも対応出来るオールラウンダーでもあるので、オーカーンの新基軸を受け止め、引き出し、最後は直線的なハードヒッティングで押し上げて締めることが出来る。

 鷹木が相手だからこそこのオーカーンのスタイルが映えたのは間違いないでしょう。オーカーンがシングルプレイヤーとして上のステージに登ったことを示した試合でした。
 好勝負。
評価:****

 

G1 CLIMAX 34優勝決定トーナメント・ファーストステージ(Bブロック)
KONOSUKE TAKESHITA対辻陽太
 開幕戦では互いの凄さを徹底的に示した本カード。ツアーを通して価値を深めた一方、ダメージの蓄積もある中で、特に成田に徹底的に攻められてダメージを負っている竹下の脚。その影響を絶妙に竹下が表現するだけでなく、辻も追撃し脚を攻めることで、ただ凄いだけではない、深みも出せることを示している。

 竹下が脚のダメージで敗れた、もし脚のダメージがなかったら?というエクスキューズも与えることで今後の対決にも伏線を与え、AEW所属である竹下の価値も試合のクオリティに影響させずに残せるのも実に巧妙。
 その上、身体能力の高さやヘビー級の重みを感じさせる攻防、ライバル関係を示す激しい攻防も的確に用意しており、隙がない。エンターテイメント要素とスポーツ要素を高次元で両立させた一戦。

 クライマックスにかけても、1戦目で生み出した数々の攻防をアップグレードさせる工夫も忘れない。2戦目も見応え十分。竹下は敗れても価値が上がる戦いぶり。5勝4敗、ファーストステージ敗退以上の価値を示した特別なツアーとなりました。

 名勝負。
評価:****1/2

全体評価:8+