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TNA Rebellion 2025 Review アルティメットXマッチ/ムスタファ・アリ対マイク・サンタナ他

TNA Rebellion 2025 4/27/2025

www.trillertv.com

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TNA Xディビジョン王座戦-アルティメットXマッチ
ムース(c)(w/アリーシャ・エドワーズ)対レオン・スレーター対イホ・デル・ヴィキンゴ対マット・カルドナ対シドニー・アキーム対KCナヴァーロ(w/AJフランシス)

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 レオン・スレーターによる鉄骨からのスーパーダイブを受け止めなかったか否かで大論争となった本試合。単なるスワントーンならまだしも、450°スプラッシュとなると加速がつき過ぎて難しい、受け身も取りづらいので、レオンの必殺技とはいえ出し所は考えた方が良いかもしれないが、自分がレオンの立場でも地位を確立させるために同じことをしていたと思うので、誰も責められないシーンではあるでしょう。

 ただ、この試合は、腕利き揃いの大空中戦となっており、レオン、ヴィキンゴ、シドニー、ナヴァーロ辺りのクルーザー戦士が躍動し、魅力的な名シーンを連発。ムースとカルドナは互いにロープに登れないという立ち位置が被っていたのは惜しかったが、ムースは怪力で価値を示してカバー。

 レオンのスーパーダイブ以外にも連続ダイブスポットやヴィキンゴによるエプロンでの雪崩式カナディアン・デストロイヤーといったメガスポットもありと、アルティメットXの中でも上位の熱戦となりました。好勝負。
評価:****

 

フォールズ・カウント・エニウェアマッチ
ムスタファ・アリ(w/ジョン・スカイラー、ジェイソン・ホッジ&ターシャ・スティールズ)対マイク・サンタナ

 

 


 サンタナはホミサイドから送られたジャケットを着用。ホミサイドは先日引退をしたが、その引退試合の相手の1人がLAXの盟友であるサンタナでした。試合はホミサイドの全盛期顔負けのハードコアブロウル。

 鉄階段、椅子、テーブルとリミッターなしのメガスポット連発でありながらも、FCA戦を絶妙に利用した攻防の数々。場外でのフォールがあることでリズムが途切れない。アリのセコンド活用とそのセコンド制裁シーンも的確。アリの価値を下げずに悪さを出すバランス感も見事。

 テーブル破壊乱舞のド派手な試合ながら、細部にも拘っており、印象的な絵作りを意識し続けたことが大成功。WWEAEWとどちらもメジャー団体で良い時期も悪い時期も過ごした末に。心機一転団体のトップを狙う2人が、積み上げてきた経験と技術、トップを狙うハングリーさを最高の形で示した激戦。団体のMOTY候補になり得るインパクト満点の好勝負でした。
 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

TNAノックアウツ世界王座戦
マーシャ・スラモヴィッチ(c)対テッサ・ブランチャード
 期待の一戦。男子顔負けのフィジカルの強さ、タフネス、テクニックを兼ね揃える両者。女子レスラーの上層の数%の選ばし者にしか出来ない動きを見せるものの、テッサへのヘイト、ストロングな部分が魅力のマーシャが、現時点ではまだダメージ表現では大観衆を惹きつけられないなど様々な要因が、クオリティ上昇を拒む。

 あまり言うべきではないことだが、同じ内容でもマーシャがアメリカ人ならば、こうはならなかった可能性は正直ある。高いレベルでぶち当たる壁。テッサのジャベとラフを織り交ぜた脚攻め自体は、レベルが高いけれども、大枠の手法としては基本ワンパターンのため、一つが上手くいかないと苦しい部分はある。

 それならと素晴らしいアクションの連続で押し切りたかったが、まだ初戦のため、少しボリュームとテンションは抑え目に作られていた。一つ一つの攻防や終盤の畳み掛けは流石の一言だが、全体としては思ったよりも面白さが上がっていかなかった印象を受けました。正直期待値が高過ぎたのも要因でしょう。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

全体評価:8