世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

AEW Dynasty 2025 Review ジョン・モクスリー対スワーブ・ストリックランド/ケニー・オメガ対リコシェ対マイク・ベイリー他

AEW Dynasty 2025 4/6/2025

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オーエン・ハート・ファウンデーションメンズ・トーナメント 2025 準々決勝
ウィル・オスプレイ対ケビン・ナイト
 新加入のナイトが持ち前の跳躍力を発揮するものの、それはオスプレイの土俵でもある。新日本との2団体契約で成長させていくレベルのナイトとコンプリートプレイヤーのオスプレイでは完成度に違いがあり、オスプレイがナイトを完璧にリードし、良い面を引き出し、コントロールしたままフィニッシュとオスプレイの凄さが光る内容でした。

 中々良い試合。

評価:***1/2

 

オーエン・ハート・ファウンデーション ウィメンズ・トーナメント 2025 準々決勝
メルセデス・モネ対ジュリア・ハート

 

 


 現在3冠王、シングル無敗街道を突き進む最強最高のモネに対し、復帰したジュリアが著しい成長曲線を示し肉薄する嬉しい誤算だった試合。
 まだまだ拙いところは感じるものの、動きの面がかなりスムーズになっており、一発逆転の必殺サブミッション、ハートレスもある。珍しい細かなミスをしたモネだがすぐさま立て直す余裕の試合運び。

 モネの難攻不落、安定感満載の試合運びがあるからには違いないが、モネに頼り切らず、自らの力で歓声を引き出し、クオリティを上げる役割を担えていたのは大収穫。ステートメントメーカー対ハートレスのサブミッションを巡る攻防も冴えており、ジュリアが耐えて耐えて大逆転か?というシーンは非常に盛り上がった。

 この活躍を残せばジュリアには更なるスポットが与えられるでしょう。若干23歳、今後がますます楽しみ。
 中々良い試合。
評価:***1/2

 

AEW女子世界王座戦
“タイムレス”トニー・ストーム(c)(w/ルーサー)対メーガン・ベイン(w/ペネロペ・フォード)

 


 フィラデルフィア開催のため、ロッキーオマージュのビデオ有の入場で登場したトニー。メーガンの巨体を活かしたスープレックスシティと打撃技に苦戦を強いられるも、ルーサーを駆使し反撃。

 キャリアベストワークを更新し続ける強敵メーガンを相手にしても存在感で負けることはない。アテネの女神ギミックを持つメーガンとタイムレスギミックのトニーは、空気感はベストマッチ。
 互いにスターダムで名を上げた者同士、日本仕込みの激しい肉弾戦が得意という意味でも相通じるものがあり、非常に噛み合った試合となっていた。メーガンの強さを存分に表現しながら、トニーが絶妙にコントロールしてまとめる形。この試合も十分メイン級の内容。対マライアが一段落してもタイムレス政権は好調をキープし、新入りメーガンはPPVでも自らの価値を示しました。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4


オーエン・ハート・ファウンデーションメンズ・トーナメント 2025 準々決勝
カイル・フレッチャー対マーク・ブリスコ

 

 

 マークの狂ったハードバンプとフレッチャーの鋭角な首攻めがマッチしたタフマッチ。
他にもたくさんハードな試合が揃っているが故に目立たないものの、十分メイン級の大激戦。通常放送で結果を残し、PPV登用で更に結果を残す良い例。この組み合わせは数え歌といっても良いでしょう。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

AEWインターナショナル王座戦-トリプル・スレットマッチ
ケニー・オメガ(c)対リコシェ対”スピードボール”マイク・ベイリー

 

 


 カナダが誇る名勝負製造機2人が躍動する中、この試合の軸として活躍したのはリコシェ。リコシェのハゲネタ、ミームになる様な蹴り受けなど小悪党ヒールの全てを示し、この試合を大きく動かす潤滑油となっていた。

 それでいて一度動けば極上のハイフライングに怪力を活かした豪快な投げ技も披露。普通に戦っても軽く好勝負レベルとなるこの組み合わせを昇華させたのは、リコシェのヒールプレイによるものである。

 新入りベイリーも復帰したケニーも安定感抜群の動きを見せる。3ウェイの経験値は、リコシェ、ベイリーからすれば劣るケニーだったが、この2人のリードもあり、無理に主役に躍り出なくても、2人が勝手に試合を良い方向に進めてくれ、3人が絡む攻防も用意してくれるので、合わしていけば光る最高の形となっている。

 このスタイルの30分超えは長過ぎたのは否めないが、3人が死力を尽くし、独創性と経験値を振り絞った好勝負となっている。クオリティ以上に印象的なシーンやスポットが多く、SNSでバズが起きやすい内容だったのもこの試合の評価が高い要因でしょう。

 キャリアはかなりのベテランとなった3人が、まだトップインディレスラー顔負けに、前衛的に取り組んで結果を出したのが凄まじい。時代を作ったレスラー達の夢の共演に相応しい激戦でした。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

 

AEW世界王座戦
ジョン・モクスリー(c)(w/マリーナ・シャフィール)対スワーブ・ストリックランド(w/プリンス・ナナ)

 


 メインらしい格式高い、重厚な試合内容をしよう。クオリティを犠牲にしても、フェイスヒールを明確にする。いくらでも激しくクオリティの高い試合をすることは出来る。その中でウケを狙わずに徹底的に好意を抱かせないヒールを全うモクスリー。批判やヘイトが向くことは覚悟の上でこのスタイルを並んでいる。良し悪しはあるものの、今のロスターでそれを引き受けられるのは、モクスリーだけ。

 スワーブもその意図を汲める選手。ペースは落としても、瞬間の輝きで魅せることが出来る。流血を負い、典型的なベビーフェイスの振る舞いで対応。細かいところで言えばモクスリーの柔術のテクニックを散りばめたグラウンドに、スワーブも正確に喰らい付いていたことにレベルの高さを実感出来る。

 じっくりとスワーブをグラウンドで削った後は、徐々に大技を繰り出していく展開。疾走感を意図的に削っており、良い意味の重厚さではなく、重たさが際立ってしまったものの、スワーブのキレ味鋭いハウス・コールで持ち直す。ラダーからのスワーブストンプでの実況席破壊といったハードなスポットを経た後は、豪華客演陣による介入祭り。その中でもハングマンが登場した時の輝きは格別でした。

 往年のECWの様な目まぐるしい介入劇の最後は、まさかのヤングバックス。衝撃の結末でDoNに向かっていく次が気になる展開でした。各所で言われているほど内容は悪くなく、好勝負には届かないものの、良試合には違いない。

 セミで同じくらいの試合時間で、より前衛的な試合を行ってしまったが故に、その反動を受けたいつものAEWなだけ。TKは懲りないというかそのまま突き進むだけなのだが、メインで思い切りWWEスタイルの試合をし続けるのなら、セミの様な試合をせめて20分台にするなどある程度の配慮はして欲しい。

 当然、デスライダーズに対するモヤモヤを払拭出来る仕掛けは、今後用意されるのだろうが、モクスリー対スワーブという飛び切りのカードにしては期待値をかなり下回る形となってしまいました。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

全体評価:8.5+