STARDOM STARDOM NAMBA GRAND FIGHT 2024 9/14/2024
白川未奈対上谷沙弥
トップコンテンダー対決。日本で飛ぶ鳥を落とす勢いの漆黒の不死鳥上谷と海外で躍進を続ける白川の激突は、白川がアメリカンTVプロレス仕様の構築になっており、アピール多め、ベースの脚攻めに見栄えの良い蹴り技を織り交ぜる形。
日本ではまだ置いてけぼりだが、アメリカやイギリスで成功しているので問題ない。白川に1番声援を送っている海外のファンもいたので、海外に向けた戦略は成功している。対する上谷もヒールターンし、真のトップレスラーの道を歩み出している。一挙手一投足に目を奪われる、その存在感と華は特別。
人気のある2人を無料枠のオープニングに据えて、主に海外のファンに見て貰う様にする仕掛けは賢明。2人もこの意図に応える様なショーケースマッチを完遂。フィニッシュもこれ以上ない絶妙なものでした。
平均的良試合。
評価:***1/4
E Nexus V(月山和香&HANAKO)対God’s Eye(妃南&八神蘭奈)
月山&HANAKOコンビは、凸凹タッグとしてブレイクする可能性を秘めている。元々の学プロ時代からの経験がある上に、アメリカンプロレスを学んで帰ってきたHANAKOは、優れた体格を活かす術を覚え、それを活かし切れば、早々にブレイクスルーしていくでしょう。プッシュのし甲斐がある。身長はやはり正義。
平均より上。
評価:***
STARS/アイコンタクト(岩谷麻優&羽南)対Neo Genesis/02Line(AZM&天咲光由)
ハイスピードのタッグマッチ、先輩後輩のチャレンジマッチ、羽南対天咲の若手対決、そして岩谷対AZMのトップコンテンダー対決4つのポイントがある試合。その中でも岩谷対AZMの攻防のレベルが非常に高く、研ぎ澄まされており、若手2人を完全に凌駕していたのが印象的。
02Lineの連携などその他の魅力もあるにせよ、この試合を経た結果としては、岩谷対AZMのシングルの機運を高めたのが1番でした。
中々良い試合。
評価:***1/2
ワンダー・オブ・スターダム選手権試合
なつぽい(c)対葉月
なつぽいの挑発にスイッチが入り、激しさを増していく背水の陣で挑む葉月。ハイスピード色の強いファストペースの試合展開の中に、激しさという要素を追加し、メインカードらしいボリューム感を与えていく形。
カイリの得意技であるイカリを使うといった特別な仕掛けもあり、全編通して華麗さと激しさを共存させた試合内容となっている。終盤からクライマックスにかけても互い得意技必殺技を惜しみなく披露する展開。
これまでの試合が、この試合と似た様な毛色の試合が多くあり、大会自体も長丁場なため、この試合が素晴らしくても、どうしてもインパクトが薄れてしまうところは永遠の課題だが、白ベルト戦、このカードに相応しい見所満載の内容には仕上がっている。 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
ワールド・オブ・スターダム選手権試合
中野たむ(c)対舞華
メインの最高王座戦ということでこれまでとは異なる重厚な立ち上がり、試合展開で進めていく形。5スターGP全勝優勝の舞華が、5スターGP全敗ながら王座奪取に成功したたむを徹底的にドミネイトしていく流れ。
強さが持ち味の舞華に、ボロボロになりながらも這い上がっていく、その弱さも武器に変えてしまうたむを当てることで、舞華のスケールをより一層昇華させることに成功。舞華が場外に投げた際に、たむはエプロンに両膝を痛打も試合続行。ここからたむがダウンモードに入るも、悲壮感たっぷりのダメージ表現は観る物を惹きつける魅力を放っていた。
タフマンコンテスト、ハイスピード、ハードヒッティング一辺倒これらのどれかになりがちな所、見事に差別化を実現することに成功し、差別化出来たということは、この試合オンリーワンの魅力を生み出せている。互いに互いを活かし合い、高め合った理想的な試合内容でした。
好勝負。
評価:****
全体評価:8.5+