世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

MLW Pit-Fighters Review AKIRA対イクロ・クォン他 ~テコンドー×バーリトゥード×タイペイ・デスマッチ~

MLW Pit-Fighters 9/26/2024

youtu.be

 

MLW女子世界フェザー級王座戦-テコンドー・ルール
ジャナイ・カイ(c)対デルミ・エクソ

 


 MLW女子部のエース対決は、ジャナイのバックボーンであるテコンドー・ルールでの激突。道着着用での試合だが、テコンドー・ルールなので組むことも出来ず、ジャナイが圧倒する展開に。

 デルミは打撃系の選手ではないので、流石に圧倒的不利。その不利を活かす内容でもなく、ただ打撃戦をやりましたもいう内容で、ジャナイの蹴りの鋭さが印象に残るのみの試合でした。
評価:**

 

バーリオ・ブロウル
マシュー・ジャスティス(w/ビル・アルフォンゾ)対ヘス―ス・ロドリゲス

 


 バーリオ・ブロウルという名のハードコア・マッチ。
 ハードコア・レスリングにおいて、業界の誰よりも信頼のおける選手がマシュー・ジャスティス。ジャスティスが出て、暴れればクオリティは確実に保証。今回は対戦相手の元WWEリカルド・ロドリゲスことヘスースが椅子にテーブル葬と受けに受けたことで、ジャスティスの攻めっぷりが生かされた格好。存分にECWの香りを感じさせる乱戦でした。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

タイペイ・デスマッチ
AKIRA対イクロ・クォン

youtu.be

youtu.be

 


 拳にガラスの破片を貼り付けて、それで殴り合うタイペイ・デスマッチ。デスマッチが本業でもあるAKIRAが攻守に渡り試合をリード。デスマッチの激しさとレスリングを織り交ぜていくデスマッチ×シュートスタイルの理想形を示すAKIRA。

 冒頭のタイペイナックル→手を掴んでグラウンド→固め技のシーンの美しさは、タイペイ・デスマッチのベストモーメントの一つでした。

 そしてインディではAbove The Restという勢いのある若手タッグの片割れとしても活躍し、現在は鈴木みのるとタッグ王者に輝く、クルール率いる新生コントラの特攻隊長クォンは、デスマッチファイターではないものの、ガラス攻撃、フォーク攻撃を躊躇なく受けていく。

 一方で、攻め手としては、華麗な足技やマウントを取ってのタイペイナックルなど自身の持ち味をデスマッチ仕様にアレンジした上でAKIRAに対峙。AKIRAのクレイジーさを織り交ぜた絶妙なダメージ表現の後押しもあり、他の凶器を投入しなくてもレスラースキルでタイペイ・デスマッチを作り上げたのは賞賛に値する。

 フィニッシュもこれ以上ない正調グレート・ムタオマージュで美しくダーティにフィニッシュ。アジア人(系)の若手2人による才能とエネルギーに満ち溢れた大熱戦。クレイジーに振り切るのではなく、これぞデスマッチレスリングというべきテクニカルな面とも見事に両立させることに成功。

 この魅力を放っていても、まだまだ伸びしろを感じる両者。もっと上を目指せるタイペイ・デスマッチ大会のMOTNは確定です。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

バーリトゥード・ルール
マット・リドル対”フィルシー”トム・ロウラー(w/サン・ローラン)

 


 バーリトゥードという今や死語となった用語を引っ張り出したのは、ロウラーがいるからか。久しぶりの元UFC対決。MMAテイストのグラウンドや膝蹴りはあるものの、特にリドルだが、年齢を重ねたことにより、キレで勝負出来なくなっており、MMAの刹那的な魅力を出すことが不可能となっている。それが全てという内容です。
評価:**3/4

全体評価:7+