AEW Dynamite #252 7/31/2024
“ハングマン”アダム・ペイジ対ダービー・アリン
試合中に会場の照明が落ちてしまうハプニングはあるものの、ハングマンは前のキャラクターの姿は見る影もない獰猛さを打ち出し、ダービーは変わらずスーサイドな面を示す。
エプロンへの投げ連発から鉄階段の角への投げ、更には雪崩式フォールアウェイスラムを喰らった後に、鉄階段に座っている状態のハングマンにトペスイシーダで突撃するというダービーだからこそ出来る攻撃とハードバンプで構築。
革ベルトこそ使うものの、実質ノーDQ戦位の激しさがある試合。フィニッシュまでの流れは、クオリティを上げていくものではなく、中々良い試合レベルに収まったものの、今のハングマンとダービーの魅力が出ていたのは事実です。
中々良い試合。
評価:***1/2
AEW Collision #58 8/17/2024
#1コンテンダー・マッチ(AEW世界タッグ王座)
FTR(ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラー)対ジ・アクレイムド(マックス・キャスター&アンソニー・ボーウェンス)(w/ビリー・ガン)
人気、キャラクター先行感が強かったアクレイムド。
勢いで獲った1度目の王者時代を経て、本格派のタッグとして、世界最高タッグの1つであるFTRの土俵に乗り、基本技からクラシカルなムーブ、個々の攻防から多彩な連携技の応酬とオーソドックスなスタイルのロングマッチを展開。
アクレイムドの土俵でもFTRは戦えるが、あえてアクレイムドがFTRの土俵に乗る。観客を乗せる形ではなく、個人の技術で観客を乗せていくことを意識。キャスターもボーウェンスも得意のアピールを一切廃し、徹底してシリアスを崩さない。それどころか日頃の鍛錬の賜物か、力強く研ぎ澄まされた魅力を放っており、FTRの確実な試合構築によるものはあるにせよ、FTRに頼り切ることなく、自身の力で試合を発展させていた。
現代のエッセンスを取り入れながら、ベースは古き良きアメリカンプロレス。全編通してハイレベル。終盤になってもペースは落ちず、掟破りの必殺技やニアフォール、カットプレーでボリュームを増していく。
FTRの安定感は流石の一言だが、このアクレイムドの戦いぶりであれば、ただバックス対FTRのマンネリ阻止役としてではなく、実力で1番ベルトを獲得して欲しい存在に昇華していた。
対Bang Bang Gang戦に代表されるCMパンクがコントロールしていた時期のCollisionの様に、FTRの技巧が最大限光るロングマッチ。そこにアクレイムドの進化が合わされば更に極上のものに仕上がります。
文句無しに好勝負。
評価:****1/4
AEW Dynamite #255 8/21/2024
AEWコンチネンタル王座戦
オカダ・カズチカ(c)対クラウディオ・カスタニョーリ
クラウディオという肉体技巧実績最強のスーパーマンに対しても技術や実績は勿論のこと、ルックスや存在感で全く見劣りしない日本人。今回は特に中指と受けの表情以外は新日本スタイルを強めた形で望んだこともあり、オカダの凄さを再確認出来る試合。
20分なんて短過ぎる。1時間マッチも簡単に出来る底なし感は持ちつつも、20分に上手くパッケージしていても攻防の安定感の高さで圧倒する。
力強さあり、テクニカルあり、ジャパニーズプロレステイストアメリカンプロレステイストの両方の良さを兼ね揃えた総合力が物凄く高い好勝負。また観たいカードです。
評価:****
全体評価:7