世界のプロレス探検隊

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新日本プロレス Best Of The Super Junior 30 9日目 レビュー リオ・ラッシュ対マイク・ベイリー/高橋ヒロム対ティタン

新日本プロレス(NJPW) Best Of The Super Junior 30 9日目 エディオンアリーナ第2競技場大会 5/23/2023

 

Aブロック公式戦
KUSHIDA対田口隆祐
 どれよりも新日本を感じさせるカード。
 敗退が決まっていて、肩の力が抜けた展開もあるが、一度ギアを入れると、ベテランらしい熟練の技を披露。ジュニアらしい軽快な攻防からそれぞれのサブミッションを軸とした手に汗握る攻防の数々。

 安定感と安心感が桁違い。数年前ならメインイベントだったこのカード。時を経ても色褪せない魅力を誇示。両者共レベルが落ちて序列が下がった訳ではないところを確信させる一戦でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

Aブロック公式戦
リオ・ラッシュ対”スピードボール”マイク・ベイリー

 昨年行われたPWG『DINK』以来の対決となる激突。

 冒頭の躍動感溢れるシークエンスは、米インディ史に残るクラシック、アメージング・レッド対ロウ・キーを彼らなりにアレンジした様なもので、これだけでこの試合は特別になるぞという予感を覚える。

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 その後、軽量級らしいスピーディーな攻防はありながらも、まずはベイリーが鋭い攻撃でリオを支配。決して軽くはない攻撃の数々ではあるものの、重くなりすぎてジュニアの世界観に合わないようにはしないバランス感。TVプロレスを数多く経験している両者らしく、時間の限りがある中でも厚みを出していく術を持っている。そしてリオがトペ3連発を皮切りに反撃し、一進一退の攻防へ。

 両者が得意な回転系の蹴りにハイフライングを交えてジュニアらしい華やかな攻防を放つ。そこにアクセントとしてベイリーが腕十字を使用し、カンフーキックを放つ場面も。無駄に思われかねない攻防かもしれないが、そこに至る攻防で既に心を奪われていて、カンフーキックでさえも独創性、立体感のある攻防と良い方に感じる事が出来る。

 また、勢いだけではなく、試合を落ち着かせる術も持っており、そこからギアをトップに入れてラストスパートに持ち込む緩急の使い方も見事。何十回も試合をしてきた様な相互理解の高い完成された攻防の数々。2人の発想力とアクションレベルの高さが合致した一戦。年間ベスト級の内容。生観戦なのでインパクトは倍。

 終始驚きばかりで、思わず「凄い」と唸ってしまう破壊力満点の名勝負でした。
評価:****3/4

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Aブロック公式戦
高橋ヒロム対ティタン

 LIJ同門対決。CMLLの風を感じさせ続けるカマイタチ対ティタンになるかと思いきや、要素としてはあるものの、新日本のジュニアヘビーであることを強く意識させる軽快さも重厚さも兼ね揃えた内容。

 ヒロムの大技攻勢対ティタンのトリッキーかつ華麗な攻撃という構図に、3連覇中のヒロムはまさか負けないだろうという前提を崩しにかかるティタンの粘りが化学反応を引き起こして大爆発。新日本ジュニア最大の壁の1人ヒロムのリードを受けながらもティタンの良さを存分に示した一戦。

 爆発が起こりやすい、そしてエネルギーが伝わりやすい会場エディオンアリーナ第二だったのも功を奏していた。好勝負。
評価:****

 

全体評価:9