新日本プロレス バトル・オータム '22 11/5/2022
IWGPジュニアタッグ選手権試合
ユナイテッド・エンパイア(c)(TJP&フランシスコ・アキラ)対ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(ティタン&BUSHI)
5分終了時に、まだ5分なのか?と思わず思ってしまう程の疾走感と密度を誇っており、ティタンの躍動、UE2人の完成された連携と目を見張るものばかり。BUSHIがその勢いを失わしてしまい、その代わりとなる要素も打ち出してくれないので、単純にBUSHIが出るとそのままダウングレードしてしまうというマイナス要素はあったものの、11分で17〜18分位の充実感は備わっていた。ティタンのレギュラー参戦は大成功。
TJP &アキラ対ティタン&CMLLの誰かで、リマッチが観てみたくなる激闘でした。素晴らしいオープニング。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
ユナイテッド・エンパイア(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス、アーロン・ヘナーレ&ギデオン・グレイ)対棚橋弘至、矢野通、デビッド・フィンレー&アレックス・ゼイン
STRONGで初代タッグ王座に輝いたオージーオープンが日本に参戦。FCP日本大会以来の来日。試合もオージーオープンのためのショーケースマッチとビッグプッシュに期待がかかります。
評価:**3/4
NJPW WORLD認定TV王座決定トーナメント準決勝
成田蓮対SANADA
パラダイスロックにロープパラダイスを重ねたかと思えば、場外でのパイルドライバーと全編通してSANADAが成田を封殺する様な展開が多く、意表を突かれたものとなったが、キャラクターにない事をしたからか終盤にエネルギーが切れてしまったかの様な失速感。成田もそのSANADAを焚き付け、軌道に戻す様な事は出来ず、柴田のコピーを全うするのみ。
ただフィニッシュの成田スペシャルといった説得力のある決め技を備えているのは強く、プッシュをするに値する可能性は示すことが出来た。想像をしていたよりも緊迫感のある試合であり、非常に興味深い内容となりました。
中々良い試合。
評価:***1/2
インクレディブルタッグマッチ
エル・デスペラード&マスター・ワト対石森太二&高橋ヒロム
事前抽選で選ばれた組み合わせでのタッグ。フェイスとヒールの組み合わせになっており、仲違いを起こすシーンが殆どで、ファンマッチ要素がかなり強い、いわばミッドカードらしいミッドカードになっている。
ライバル関係が深いスター選手達の中に、成長著しいワトがいることで、ファンマッチ要素でも予定調和感が少ないのが良く、ストーリー要素の強いファンマッチから4ウェイの予行練習へと移行していたのも前哨戦としては悪くない。クオリティはそこまでだが、しっかりと考えられた試合なので、楽しめる内容には仕上がっている。
平均的良試合。
評価:***1/4
IWGPタッグ選手権試合
FTR(c)(ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラー)対ユナイテッド・エンパイア(グレート・オーカーン&ジェフ・コブ)
遂に来日となった元WWE RAW、SD&NXTタッグ王者であり、元AEW世界タッグ王者、そして現在はIWGP、ROH&AAA世界タッグ王者三冠王、現在世界最高タッグチームFTR。Forbidden Doorの続きでUEとの対決となったが、タッグとしての格の差を見せつける様な試合内容。
細かく素早く正確なタッチワーク、カメラが回っていない所での控えの動き、支配ターンでの応援を引き出すアピール力。個々の能力ではコブ&オーカーンも劣っていなかったものの、タッグとしては差が余りにもあったという印象。
生観戦であれば、控えの選手の動きが良く見えるので、その完成度に驚愕する。シングルでも活躍するハーウッドに目が行きがちだが、FTRの完璧な仕事ぶりに興奮しっぱなしであったが、ウィーラーの躍動感やハーウッドを支える働きと彼の活躍も凄まじく圧倒される。アクシデントは、スタイナーズオマージュの合体ブルドックを決めた所で、ポイントゲッターであるコブが脚を負傷。
これは試合のクオリティに結果的に響いてしまい残念だったが、その分オーカーンが気持ちの篭ったファイトでカバーしていたのも印象的。何とかしないという思いと秘めたポテンシャルが上手くマッチしており、FTRが盛大に仕上げるまで持ち堪える事が出来た。
コブの負傷がなければもっと上を目指せたとは思うが、オーカーンの奮闘も引き出したFTRの貫禄。ぐうの音も出ないレベルで盤石。ライト層は勿論だが、マニアであればあるほどその凄さに言葉を失うでしょう。世界最高の謳い文句に一切の疑いはなし。
好勝負。
評価:****
IWGP USヘビー級選手権試合
ウィル・オスプレイ(c)対内藤哲也
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— njpwworld (@njpwworld) 2022年11月5日
🍁バトル・オータム '22🍁(11/5)を公開‼️
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IWGP USヘビー級選手権試合‼️
凄まじい攻防💥両者一歩も譲らない激闘‼️
果たして勝つのは⁉️
🆚 @WillOspreay × @s_d_naito
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.@WillOspreay "Liger Bomb"
— njpwworld (@njpwworld) 2022年11月5日
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ただこの場でFTRの妙技に立ち向かうことの出来る唯一の人間がウィル・オスプレイ。FTRにはない身体能力と凄技で場の空気を自らのものに塗り替える事が出来てしまう。「FTR凄かった」の空気を「やっぱりオスプレイヤバい」の空気に移し切っていた。冒頭5分は定番の演舞で入ったが、その後オスプレイの轟音響かすチョップで空気を一変させ、対する内藤も七色のネックブリーカーで首攻めと工夫を入れながら終盤への種まきを開始。ロングマッチ覚悟でたっぷりと時間を使いながら、厚みを作っていく。
オスカッターに対する2度の受けミスといった、オスプレイの身体能力に付いていけてない部分は内藤に衰えを感じてしまったシーンだったが、その内藤が意地を見せるかのように往年のハードバンプを取りながら、オスプレイに負けじとカウンター技を決め続ける展開は、華やかな振る舞いとスタイル、派手なムーブを持つ本来の姿を超えた泥臭さを感じ、オスプレイの常人離れした身体から繰り出されるクレイジーな攻撃の数々と共に、この試合を名勝負へと象っていた大きな要因となっていた。
クライマックスにかけては特にボルテージが上がっており、得意のシットダウンパワーボムにおける、オスプレイの強引な叩き付け方と内藤の受けっぷりは圧巻。FTRの技巧を最大限のインパクトで上回る。やられっ放しでは終わらせない、新日本所属トップスターの誇りが前面に出ていたアグレッシブな内容。珠玉のタフバトルでした。
名勝負。
評価:****1/2
全体評価:9.5