AEW Dynamite #155 - Grand Slam 2022 9/21/2022
ROH世界王座戦
クラウディオ・カスタニョーリ(c)対クリス・ジェリコ
縁もゆかりも無いROH世界王座にジェリコが挑戦と、やっていることはWWECW時代のビッグ・ショーとさほど変わらないけども、そんなことを誰も言わないのは、ジェリコに対する支持の高さとみんなWWECWの悪夢を忘れているからか。
試合は、クラウディオのスーパーパワーに苦戦するジェリコだが、のらりくらりと寸のところで耐え続ける展開。ブライアン戦に続き、基本はスーパースター・クリス・ジェリコだが、要所でライオンハート要素を出していく所は憎い。ただクラウディオも、「ハート・ダンジョンの最後の生存者はお前でなく、俺のダチのタイソン・キッドだよ」とばかりにシャープ・シューターを決めていく。
セザーロ・スイングを含むクラウディオの得意技フルコースを受け切ってのズル勝ちとジェリコの上手さが光った一戦。ジェリコはまだまだ健在。
中々良い試合。
評価:***1/2
AEW世界タッグ王座戦
スワーブ・イン・アワー・グローリー(c)(スワーブ・ストリックランド&キース・リー)(w/Fabolous)対ジ・アクレイムド(マックス・キャスター&アンソニー・ボーウェンス)(w/”ダディ・アス”ビリー・ガン&DJ Whoo-Kid)
ALL OUTでショーをスティールした対決のリマッチは、ニューヨークのレジェンドラッパーFabolousとレジェンドDJ DJ Whoo Kidを引き連れた特別仕様。両人共にヒップホップ界では普通にビッグネーム、出すことにかなり価値がある。
ニューヨーク開催とはいえ、アクレイムドの人気が物凄く、MJFと2トップと言っても過言では無い程の声援を受けていた。その入場と王座戴冠の光景で十分元は取れている。
ただ試合内容は、ストリックランドのヒールターン、SIOGの分裂、このカード3度目の対決の伏線を張る事が優先されすぎてしまい、連携のミス、キャスターの脚の負傷、ストリックランド×ビリーの因縁等詰め込んだがとっ散らかり過ぎてしまう、ストリックランドの試合らしくない展開となり、前回の好勝負を思うと消化不良ではある。
平均的良試合。
評価:***1/4
AEWオール・アトランティック王座戦
PAC(c)対オレンジ・キャシディ
ラフとハイフライングで制圧するPAC対いつもの変幻スタイルで挑むキャシディ。過去何度も対戦している関係なので新鮮味はなく、PACも景色を変えるタイプのスタイルではないので、リングに刺さるDDT連発など見せ場は作るものの、フィニッシュもチープフィニッシュと普通のTVマッチに収まった内容。PACをヒールとして再設定したかったが為の試合でした。
平均レベル。
評価:***
AEW女子世界王座戦-フェイタル・4ウェイ
トニー・ストーム(c)対セリーナ・ディーブ対アティーナ対Dr.ブリット・ベイカーD.M.D(w/レベル)
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— TDE Wrestling (@tde_gif) 2022年9月22日
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— WWU Clips (@W_W_U_Clips) 2022年9月18日
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This is the one! Thank you to my lovely husband @PWMonsterHunter for creating and letting me use this transition! This one was for you!!! #AEW #AEWDynamite https://t.co/c6HFRZWAdV
— Athena is All Elite (@AthenaPalmer_FG) 2022年9月22日
トイレ休憩かと思うくらい静まり帰っている会場。シンプルな技の打ち合いで回していく展開は、ストーリーを作らなくても出来るもの。ただ使っているレスラーは一流ばかりで、特にセリーナの複数人を攻撃するテクニック、アティーナの旦那マシュー・パルマー直伝の力技と見せ場は多く作ることが出来る。
女子部門をリードするストームとベイカーがもう少し存在感を見せて欲しかったが、主役の彼女たちを押しのけるインパクトをセリーナとアティーナが示していたのは好材料。
試合後には、WWEの元ペイジことサラヤ(本名がサラヤ・ジェイド・ベヴィスなので、そこからサラヤと名乗っている)が登場という大サプライズ。元WWEディーヴァズ王者は、Twitterフォロワー数270万人(CMパンクとほぼ同じ、ケニーやハングマンの約4倍)という男子を入れても超上位のインフルエンサー、実績十分でAEWの女子部門史上最大のスターとなる。
首の怪我によりリタイアしていたが、WWE退団前後から復帰を仄めかす発言もしており、満を辞しての登場となる。ルビー、アティーナ、ストームは実力者で人気もあるが、サラヤはWWE女子革命の旗手であり、前述の3人よりももう一段上のスター。ブランクがあるので時間はかかるかもしれないが、絶対にモノにしないといけない存在なので、トニー・カーン及び裏方陣は中々浮上出来ていない女子部門を復活させる為に本当に踏ん張り所。ちなみにサラヤの必殺技の中に「ランペイジ」(高角度DDT)という技があるので、「Rampage」で「Rampage」を決める瞬間も出てくるでしょう。
平均的良試合。
評価:***1/4
AEW世界王座新王者決定トーナメント決勝戦
ジョン・モクスリー対ブライアン・ダニエルソン
BCC同門対決となった決勝戦。互いを憎みあうような展開はないものの、全編通して厳しい攻撃が続く。激しい打撃戦からエプロンへのジャーマンとブライアンが手を打てば、モクスリーも同じ様に鋭角なスープレックスで反撃。
目新しいものがある訳ではなく、AlLL OUTのカジノラダー戦で勝ち取った王座挑戦権を持つMJFをこれでもかと映す演出がある中で、ハードヒッティング中心のBCCのスタイルを順守しつつも、2人のスターパワーでこの大会場でも形にしてしまうのは流石トップ対決というべきでしょう。
予定していたストーリーが消滅する危機的展開もこの2人に任せておけばまずは何とかアーサーアッシュを乗り切れるだろうという期待に、期待通りに応え切るトップスター同士の熱戦。最後のデスライダー乱れ打ちも相応しい内容でした。
好勝負。
評価:****
全体評価:8