WWE NXT 2.0 #523 9/6/2022
ロクサーン・ペレズ対里村明衣子
20歳の神童ロクサーンに里村がジャパニーズレジェンドの強さと重みを叩き込む一戦。本当はUKでもっとしたかったストロングな内容を、USでも上手く実行出来ており、里村の攻めの重厚さとシンデレラガール、ロクサーンの受け手としてのタフさ、攻め手としての的確さが光り、世界トップの実力を誇る里村相手でさえもロクサーンは対応出来るのかと感嘆の一言。
得意のサブミッションで追い込むシーンも勝ってしまうのではないかと思わせる所まで行っており、振り切った里村のキレの鋭さもやはり天下一品。2人の良さを最大限引き出し、上手くTVサイズに収めたのも見事。演者裏方含め全てが良いサイクルで回っていることを示す様なハイレベルな一戦でした。
好勝負に届かない良試合。
評価:＊＊＊3/4
WWE NXT 2.0 #524 - One-Year Anniversary 9/13/2022
WWE NXTタッグ王座戦-スティール・ケージマッチ
プリティ・デッドリー(c)(エルトン・プリンス&キット・ウィルソン)対クリード・ブラザーズ(ジュリアス&ブルータス・クリード)
ジュリアスの跳躍力、ブルータスの怪力、クリード兄弟の類稀なる身体能力とPDの小悪党キャラクター&要所で繰り出す鋭い連携技を金網戦に見事に落とし込んだ一戦。この優れた素材を殺さずに活かし切れるのは、管理プロレスの良さ。
若手が安心して伸び伸び実力を出せている。クリード兄弟を裏切ったデーモン・ケンプが現れ、ジュリアスを手錠で固定。孤立したブルータスが1人で粘り、ギリギリまで追い詰めるもPDが息を吹き返しと彼らのキャラクターに最適な試合内容、クライマックスからフィニッシュへの絵作りとなっているのも見逃せない。
期待の新鋭2組の価値を更に高めながら、上手く次の抗争に向かわせる演出。最初は優れた原石ばかりでスタートしたが、その原石が真価を見せ始めて軌道に乗り、尻上がりに内容が良化してきたNXT2.0の1周年と総決算に相応しい激戦でした。
好勝負。
評価:＊＊＊＊
WWE NXT UK #212 9/1/2022
WWE NXT UK新王者決定トーナメント決勝戦
タイラー・ベイト対トレント・セブン
NXT UKブランドのグランドフィナーレは旗揚げからのメンバーであり、唯一無二の親友、パートナーだったブリティッシュ・ストロング・スタイル&マスタッシュ・マウンテン対決。袂を分かった両雄とはいえ、1番お互いの良さを出し合える間柄である事を証明するかの様なハイレベルな戦い。
ベイトの高いアスリート力とセブンのハードヒット&ヒールワークのコンビネーションの激突。ベイトが勢いに完全に乗り切ろうとしたところで攻撃を切りに行くセブン。完全にドミネイトするのではなく、ある程度攻めさせて断ち切る事でベイトの力も示しつつも、終盤での爆発の為のエネルギーをチャージ出来る。長年のパートナーであり先輩、兄貴格のセブンだからこそ出来るパーフェクトな組み立て。
見事な中盤までを経て、終盤はグランドフィナーレに相応しい大盤振る舞い。的確な切り返しの攻防を組み込みつつ、それぞれの得意技、必殺技を繰り出していく。中盤での脚攻めのダメージも丁寧に表現した上で、一気にブーストをかける。
必殺技のキックアウトに掟破り、雪崩式、裏必殺と思い残す事がない様に大放出していく特別な展開。インディ時代からNXT UK、BSS、マスタッシュ・マウンテン全ての歴史と想いが乗り移った死闘。試合単品でも物凄い試合だが、歴史が更にこの試合を極上のものへと昇華させる。締めくくりに最高の置き土産を残してくれた。
2022年を代表する試合の一つです。名勝負。
評価:＊＊＊＊1/2
全体評価:7+
