新日本プロレス G1 CLIMAX 32 8/18/2022
G1 CLIMAX 32ファイナルトーナメント決勝戦
オカダ・カズチカ対ウィル・オスプレイ
静寂の中でのヘッドロック、必殺技の切り返し合いを見せた後、首攻めの種蒔きを行いながら試合を進めていく。互いを熟知した元師弟対決。攻防の質は完璧。読み合いも的確。そこにオスプレイの人間離れした飛び技や怪力でまとめていく。前半から隙のない展開が続く。中盤からは種蒔きをしている首攻めをオカダの七色のマネー・クリップを駆使し、試合に幅を持たせながら勢いを増幅。対するオスプレイのダメージ表現も絶妙。
ここまでも完璧だが、オスプレイのムーブの破壊力、オカダ×オスプレイの比類なきスイングした攻防が全てを飲み込む。各種得意技にエプロンでのオスカッター、切り返し連発に必殺技、裏必殺技等全てを織り込み、ダメージ表現は怠らずも全速力で駆け抜ける。非の打ち所がないパーフェクトな内容。これしか良い様がない凄い試合。
完成度が余りにも高過ぎてまるで造形物の様。格下相手ならばやりたい様にやりたい事をやるものの、オカダの様な格上兄貴分には、チャレンジャーの様に這い上がりながら、一度攻撃シーンになれば圧倒する。これ以上ない程出来る後輩プレイを行うオスプレイは優秀過ぎるビジネスマン。
後は好き嫌いしか判断しようのない、完璧な5スターマッチ。
評価:＊＊＊＊＊
全体評価:7.5
新日本プロレス G1 CLIMAX 32 8/10/2022
Aブロック公式戦
オカダ・カズチカ対”フィルシー”トム・ローラー
新日本のエース、まさにトップドッグを狩りに、ローラーが、ストロングのエースを超え、元UFCの様な鋭さでオカダを関節地獄に捉えていた試合。対するオカダも技を絞り、ローラーの強さ上手さを引き出す試合運びを選んでおり、グラウンドへの対応力や腕攻めに対するダメージ表現の豊かさで実力を証明。
怪物や曲者揃いのブロックだが、オカダの類稀なる対応力ならば問題ないだろうという全幅の信頼とオカダはオカダで新鮮な気持ちで戦える苦しい連戦の中にリフレッシュの意味も込めていた人選。遊びやコミカルな表現は手拍子を煽り続けていた位で、その他はまさにキラーモードだったローラー。様々なテクニックを駆使し、ザックとは違う怖さを持った関節技によるコントロールを見せていた。
この試合に賭けていたローラーが、己の真価を発揮。トム・ローラーのキャリアベストワークといっても過言ではない活躍とそれを引き出し切り最後もこれしかない丸め込みで仕留めたオカダも見事な活躍でした。
好勝負。
評価:＊＊＊＊
Cブロック公式戦
棚橋弘至対後藤洋央紀
ロングマッチ仕様というよりはテンポ良く試合を進めていく形。愚直な後藤と緩急織り交ぜる棚橋。過去の名勝負の幻影も感じさせながら、隠し技も存分に繰り出し、引き出しほぼフルオープンの特別仕様に変化。そして棚橋の張り手が顔にヒットし後藤は出血。この流血模様がボルテージを更に上げる要因となり、決死の反撃を試みた後藤が、とっておきの昇天・改を含む必殺フルコースで大逆転を遂げるこれ以上ないエモーショナルな内容でした。
文句無しに好勝負。
評価:＊＊＊＊1/4
全体評価:7.5
