新日本プロレス(NJPW) Music City Mayhem 7/30/2022
アレックス・シェリー対KUSHIDA
盟友との感動の再会。タイムスプリッターズのパートナー同士の対決。新日本的には長く離れていたけれども、EVOLVEやNXTでは再会しているので、目新しさはそこまでないとはいえ、戦うとなるとかなり新鮮な組み合わせとなる。
世界屈指のテクニシャン同士とあって、互いの技術を確かめ合う様な展開を積み重ねていく一方で、打撃の応酬、厳しく腕を絞り上げる攻防と単なるアピールでは終わらせない勝負に行った攻防の数々はスリリング。新日本参戦時よりもアレックス・シェリーのコンディションがかなり上がっていることもあり、直線的なものも変化球も様々で、観る者を手玉に取り続ける内容となっている。
シェリーが導き出す道に乗り、試合を通してKUSHIDAもトップフォームを取り戻していく。シェリーが繰り出す関節技の一つ一つがバリエーションも違う魅せ方も一つ一つ違う、しかし理には適っている。芸術的だが、関節技を掛けている時、技の合間の見せ方も同時に芸術的。色気も最高級で、シェリーの一挙手一投足に目を奪われる。
対ジェイ・ホワイト戦でもそうだったが、KUSHIDAクラスであっても空間をコントロールし切ってしまう今のアレックス・シェリーの凄さを再確認する一戦である。KUSHIDAはKUSHIDAで、シェリーのもう1人の正パートナー、クリス・セイビンの必殺技であるクレイドル・ショックを繰り出す演出でこの試合を更に特別に仕上げる。残り1分になってからのボーダー・シティ・ストレッチを巡る攻防も見事。単なる盟友対決に収まらず、世界最高のレスラー対決に昇華させた好勝負です。
評価:****
ノーDQマッチ
ジョン・モクスリー対エル・デスペラード
キーワードは葛西純。有刺鉄線十字架ボードに空き缶ボードとFREEDOMSで使う凶器を用意し、ハードコアよりもよりドープなデスマッチテイストを強めたノーDQ戦。葛西意識の為ハードコアにしてはテンポが重め。葛西純の存在を知っているかどうかでこの試合への興味や評価は大きく変化するであろう。
新日本のレスラーとは思えない程身体を張っていくデスペラードだが、デスマッチにおいても百戦錬磨のモクスリーを超える所までは行かず。むしろ「新日本のレスラーがここまで受けるのか凄えな」と思ったか、モクスリーがデスペラードをサポートしながら進めていたのが印象的。場外テーブル葬、ギターや竹串とサブ凶器も文句無し。
この様な小大会での実現となる事が勿体無い位のレアカード。来たるモクスリー×葛西とデスペラードの更なる飛躍のキーポイントとなり得る試合ではあるだろう。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
全体評価:7.5