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WWE Hell In A Cell 2022 Review HIAC戦! コーディ・ローズ対セス・ローリンズ/RAW女子王座3ウェイ戦

WWE Hell In A Cell 2022 6/5/2022

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WWE RAW女子王座戦-トリプル・スレットマッチ
ビアンカ・ブレアー(c)対アスカ対ベッキー・リンチ

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 徒党を組む事なく1対1対1が全編通して続く3ウェイ。ビアンカとアスカが凌ぎを削りながら、ベッキーは小狡く立ち回る形。ビアンカ×ベッキー、ベッキー×アスカという過去に好勝負を残した盤石の組み合わせの良い所と、ビアンカ×アスカという新鮮な組み合わせが合わさるお得感満載の試合内容。

 ベッキー、アスカというS級の実力者と並んで、尚且つ3ウェイでも、安定した働きとまだまだ増幅させているスターとしての輝きを見せるビアンカは、正真正銘団体を背負う大看板へと成長している。

 皆が主役で脇役にもなれる。目まぐるしくもスケール感は非常に大きくと隙がない。クライマックス周辺のカットプレー連発が少しくどく感じた程で、基本的にはWM級のハイクオリティ。オープニングにしてメイン。女子の3ウェイとしては当然ながら歴代トップクラスの激戦模様でした。文句無しに好勝負。

評価:****1/4

 

ヘル・イン・ア・セルマッチ
コーディ・ローズ対セス・”フリーキン”・ローリンズ

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 大会直前、トレーニング中に胸筋を断裂したコーディ。試合など出来るレベルではない大怪我を負いながらも、メイン抜擢の責務を果たす為、強行出場。

 結果的にこの試合の後負傷ストーリーが組まれ、負傷箇所は手術。9ヶ月の長期欠場が明らかとなったが、この試合でも登場したコーディの左胸はドス黒く腫れ上がっており、腕も満足に上げれない、ロープワークはやっと、受け身を取るだけでダメージが生じる悲痛さ漂う状況。

 欠場すべきだという声が出ても理解出来るレベルではあるが、リアルとファンタジーの間で、コーディの極上の痛み表現と表情作りにより、PG時代になってから最もドラマティックなセル戦に昇華していくのは不幸中の幸い。

 ダスティの水玉コスチュームを模した、まさにWWE&ビンスから見たダスティを如実に表したセスが、上手く手綱を握りながら的確に試合を進める。セスも注意を払いながらではあったとは思うが、コーディが取れる範囲の受け身を取っていき、負傷箇所への攻撃も次々と受けていくので、過激度は決して高くないが、相応の死闘となっていく。金網への投げを手でカバーせずに、ノーガードで金網に頭を打っていくコーディのデスマッチファイター魂も見事。
 途中水玉コスでダスティを馬鹿にしたセスとWWEに対抗する様なブルロープを召喚。これはNWAなどでの勇姿を思い起こさせるもの。

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 そしてテーブル葬や互いの必殺技を打ち合ったところで、最後に登場したのはスレッジハンマー。RAWでAEW時代のコーディが『Double or Nothing 2019』にてHHHの玉座破壊をパロディにしたことをネタにした事に対する伏線回収。

 オーソリティでHHHの寵愛を受け、ペディグリーも継承したセスがこれを行うことにより、ここでようやくコーディの対戦相手がセス・ローリンズである意味が生まれてくる。そこに掟破りのペディグリーにクロスローズ連発とハンマー攻撃というコーディが今出来る攻撃のフルコースで、最終決戦に相応しい締めくくり方も見事。

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 放送終了後に今のキャラにない悔しがり方をしたセスと、痛みを堪えながら観客の声援に応え、リングにキスをするコーディ。コーディ・ローズ対セス・ローリンズが一つのブランドとして特別なものになった瞬間であり、AEWからの黒船であるコーディが、WWEの為に選手生命を削る闘いを見せた事により、WWEでも正真正銘のトップスターとなった瞬間を目の当たりにした。

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 流血もドッグカラーも金網からのムーンサルトも火炎テーブルもないけれど、AEWで夢の時間を作り出してきたコーディが、いかに凄い存在であるかを再認識出来る一戦。
PGになってからのセル戦ではトップの試合です。名勝負。
評価:****1/2

 

全体評価:8