世界のプロレス探検隊

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WWE WrestleMania 38 Saturday Review コーディ・ローズ登場&ストーンコールド19年ぶり現役復帰!

WWE WrestleMania 38 – Saturday 4/2/2022

 

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ザ・ミズ&ローガン・ポール対レイ&ドミニク・ミステリオ 

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 格闘系メガYouTuberローガン兄弟の兄、ローガン・ポールのミズ並にわかりやすいヒールっぷりと”父親?” エディ・ゲレロに似せたコスチュームで現れたドミニクの成長を見せて、脇はミズとミステリオという大ベテランが固める試合。ローガンのエディトリビュートからミステリオ親子のW619&Wフロッグ・スプラッシュで盛り上げる。セレブリティマッチとしては十分な内容。平均的良試合。
評価:***1/4

 

RAW女子王座戦
ベッキー・リンチ(c)対ビアンカ・ブレアー

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 マーベルのオープニングオマージュの映像から登場したハリウッド、ディズニーも注目しているベッキーと、こちらもマーチングバンドの演奏による特別入場のビアンカ。

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 昨年のサマースラムから、昨今のWWEにしては珍しく時間をかけて作り上げたカードだけあり、秒殺を意識させるスタートから掟破りまで最高速度で持っていき、中盤はベッキーのコントロールで勢いをキープ。そして終盤以降は、それぞれの得意技に切り返しからのカウンターが数多く炸裂し、鉄階段への投げや場外への逃げにあわやカウントアウトかというシーンも挟み、全編通して勝敗をわからなくする事を徹底しており、その為スリル感が全く落ちない試合に仕上げている。

 試合のタクトを握っていたのは、経験に勝るベッキーだが、ビアンカも王者、トップロスターとして怪我なく回り切った成長を示し、持ち前のアスリート力のみならず、レスラーとしても新技も含め出来る事が増えていて、それが試合のクオリティに反映されている。

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 切り返しに今回はイマナリロールではなく、全女オマージュ、モモ☆ラッチを使用したインディからの叩き上げらしいチョイスを見せたベッキーも、ヒールとして、スターとして、先輩レスラーとして、貫禄満点の試合運びを見せ、この試合がある意味真のメインイベントだと上層部とシャーロットにアピールするが如し活躍だったのも印象的。

 最後もビアンカが過去一のKODを決めて豪快にフィニッシュ。スーパーアスリートらしい理屈を超越出来るバネの力は、やはりスーパースターだと確信出来る。

 正直オースチンがいなければこのカードをメインにすべきではあったが、この位置だからこそ作り上げることが出来た試合でもある。試合全体の大枠でも、細かなレスラーとしてのテクニックを掘り下げるでも楽しめる、ライト層もマニアも全方向で心打たれる名勝負です。
評価:****1/2

 

セス・”フリーキン”・ローリンズ対???

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 ミステリー・オポーネントは、噂通りコーディが、WWEリリース後〜AEWまで使っていたコスチュームと入場曲「Kingdom」で、アメリカン・ナイトメアとして登場。セスも「ビッグリーグにおかえり」と挑発するものの、家柄は元々格上で、世界中のインディ、インパクト、新日本、ROH、そしてAEWでサバイブしてきた今のコーディは、スター性も格上。セスは元々野暮ったいのを、あえて野暮ったく胡散臭くしているとはいえ、真のエリートが降臨したとレッスルマニアに相応しいベストモーメントでした。

 

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 ただ入場をピークとして試合は思うように運ばず。ローズ兄弟対シールドの時に、対戦はしているものの、それはもう8年半前の話。WWEの管理プロレスの中では、思う様に試合のクオリティを上げていきづらいのは難点だが、そこはセスがもっとリード出来れば良かった。終盤以降は、攻防を重ね、必殺級の攻防にニアフォールの連発で体裁を整える。一進一退の攻防メインの試合といい、博打は打たずに最低ラインを越える試合にしてきた。

 

 クロスローズ乱れ打ちに、「特別待遇である事が一目でわかる」WWEでも使用可能だったコーディ・カッター、そして父親ダスティの代名詞ヴァイオニック・エルボーとコーディ復帰記念に相応しいフルコースでフィニッシュ。期待していたものにはならなかったものの、力技で形にした格好。上手く一定のハイレベルな試合に持ち込んだとも言える。中々良い試合。
評価:***1/2

 

ノー・ホールズ・バードマッチ
ケビン・オーウェンス対”ストーンコールド”スティーブ・オースチン

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 テキサスのガラガラ蛇が地元テキサスで、KOショーに出演するだけではなく、2003年3月30日「WrestleMania XIX」でのザ・ロック戦以来、19年ぶりに現役復帰をする特大のサプライズが、噂通り現実のものとなり、サンドマンの倍以上の時間を取った入場や、オーウェンスの挑発に応えるマイクだけに留まらなかったのは予想外。

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 試合は、スタナーの正統継承者であるオーウェンスが、見事なバンプで引き立て、オースチンをリード。オースチンも殴る蹴るスタナー、はい終わりではなく、普通のスープレックスを客席や入場ゲートでも放つだけでなく、自らも喰らい、受け身も限定的ではあるがきっちり取る。ナックルのキレはブランクの割にはまずまずで、試合が進む程、キレが増していた。オースチンのレスラーとしての意地と覚悟が強く伺える選択であった。

 

 その他の部分は、オーウェンスが徹底的に受けて試合を作り、テーブル破壊や椅子跳ね返り自爆とこの場に見合ったスポットを導入し、最後はスタナー一閃。ただその中でも自身もキッチリスタナーを打ち込んでいるのも存在感を示した要因。

 ケビン・オーウェンスに信頼がないと実現しないマッチメイクと試合内容。ケビン・オーウェンスが残留するだけでなく、ベルト戦よりも価値がある、レスラー人生一生ものの快挙である、レッスルマニアのメインで現役復帰したストーンコールドと戦い、スタナーで散るという大役を勝ち取って、見事にやり切った。WWEに残った価値がある。汚れ仕事もバックステージでの活動も契約交渉も全部やり切った価値があった。

 

 レスラーとしてのゴールに到達したといっても良いでしょう。カナダからフィラデルフィア、カリフォルニアと、スーパー・ドラゴンに手錠で手を繋がれた状態で、画鋲へのサイコ・ドライバーを喰らったり、ザンディグ、ネクロ、ホミサイドやダミアンらにしばかれながら強くなっていった歴史が全て繋がっている。オースチンの復帰も喜ばしい最高の演出で大満足だったが、ケビン・スティーンの夢が叶った瞬間に立ち会えるだけで、絶対に観る価値がある。中々良い試合。
評価:***1/2

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全体評価:9