世界のプロレス探検隊

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STARDOM STARDOM WORLD CLIMAX 2022 ~The Best~ Review KAIRI凱旋/朱里対ジュリア他

STARDOM 『LECクリンぱっ!Presents STARDOM WORLD CLIMAX 2022 ~The Best~』
3/26/2022

 

飯田沙耶対MIRAI
 ゴツゴツとした肉弾戦。オープニングの着火剤としてはこれくらい振り切って貰う方が良く、互いにキャリアもステージも近い選手同士手が合っていた。1シリーズ以上ずっと戦い続けていき、更にカードの魅力を上げていくのは理想だが、2人もしくは片方は朱里の新ユニットに入るのも良いでしょう。平均的良試合。
評価:***1/4

 

ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合
FWC(c)(葉月対コグマ)対Black Desire(渡辺桃&スターライト・キッド)
 スピーディーな攻防の連続。タッグマッチとしては成功しているものの、桃&キッドの王座奪取試合としては、飛び抜ける事ができる要素が沢山あったのにもかかわらず、埋もれに行った感のある内容。

 桃の破壊力、葉月の場をリードする力は突出していて、キッドのインサイドワークも良かったが、ここはラフファイトの使い所含めもう少し向上出来る余地はある。それこそドラゲーには教科書が沢山あるので、そこからも吸収すれば更に完璧なヒールタッグとなる。中々良い試合。
評価:***1/2

 

KAIRI&岩谷麻優対Cosmic Angels(中野たむ&ウナギ・サヤカ)

youtu.be

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 メイ・ヤング・クラシック覇者、元NXT女子王者、WWE女子タッグ王者、一軍のPPVのメインイベントも飾るほどの大スターとして戻ってきた海賊姫KAIRI。この試合でも、他とは一線を画し、表情で魅せるWWE卒ならではのファイトを見せる。

 その分普段のスターダムのテンポの早さからは一歩遅れる事となるが、それこそが他との違いでもあるので、問題はなし。カイリの存在感と岩谷との再会、たむとの遭遇、最高級に美味しい噛ませ犬役のウナギと見たいシーンは作り切ったテーマ通りの一戦。 

 まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

ワンダー・オブ・スターダム選手権試合
上谷沙弥(c)対林下詩美
 同門対決らしく手が合っており、目指す完成形の共有もなされていた。ただ最大のネックは、2人とも自分から試合を動かすよりも、動かして貰った方が持ち味を発揮するタイプ。

 同門対決であると同時にフェイス対決となる中で、細かなアクセントを効かせるタイプではないので、ハードな投げと上谷のハイフライングに頼ることとなる。とはいえ最大の武器には違いないので、一定の高いレベルには到達する。ただそれ以上となると頭打ちとなってしまう。

 これに関しては今のスターダムで出来るとすればヒールターン位しか改善の余地がないのが難点。後はアクセントを効かせる事が出来る相手をそれぞれに当てるのみ。場外への投げで過激度をとにかく高く上げ、ボリューミーにしていき、まとめにかかったが、互いのポテンシャルを最大限活かし切った内容にはならず。

 才能、実力や華はこの短いキャリアの選手としては、最高地点に到達していて、自らではチャレンジしにくい環境下の中で、周りが変化を与えていくしかない。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

ワールド・オブ・スターダム選手権試合
朱里(c)対ジュリア

 こちらも同門対決。ただこの試合では、序盤はジュリアがテーブルへのパイルドライバー等ハードコアファイトを見せ、終盤以降は朱里がハードヒットでねじ伏せる形でラッシュ。それぞれの得意な形に互いが踏み込んでいく形で、いつもとは違った画を作り出す。生え抜きではないからこその利点をフルで活かした内容となっている。

 終盤までジュリアが上手く試合をコントロールしたことにより、終盤以降の朱里が世界最高峰のハードヒットでジュリアを打ち砕くシーンが最大限映えていく。結果的には攻防とダメージ値のインフレになってしまうものの、それが嫌にならない仕掛けを中盤までに散りばめた事が、終盤以降のブーストに役立った。

 掟破りの攻防も良いアクセントとなり、徹底した大ボリュームの試合はスターダムのお家芸、ブシロードグループのお家芸だが、それだけに留まらず、各々のルーツや経験値から導き出されたアイデア力を注ぎ込んだからこその特別な名勝負となりました。

 評価:****1/2

 

全体評価:8.5+