世界のプロレス探検隊

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ChocoPro200 Day2 Review 駿河メイ対中島翔子/藤田ミノル対バリアン・アッキ

ChocoPro ChocoProLIVE! #200 Day 2 2/13/2022

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駿河メイ対中島翔子
 試合前からビッグファイトの雰囲気が出来上がっているドリームマッチ。この会場、このキャラクターだからこそ実現した意味がある。
 堅実なレスリングから窓枠を使い積極的に動いていく展開。元気一杯機動力を最大限活かしたチョコプロらしい試合展開は、東女にも当然の様に通ずるものがあり、まるで初めてでは無いかのような手の合い方であり、それだけではなく、普段の2人よりもよりシリアスに厳しい面も打ち出すギャップも印象的。

 駿河は、得意のサブミッション以外に相手を持ち上げてのフルネルソン等パワームーブを繰り出せば、中島も得意技以外に、投げを中心とした試合運びを見せる。体格の小ささをカバーするだけでなく、スピーディーな試合展開からのクイックの攻防というチョコプロらしい展開の中にも、東女オリジナルのトップレスラーで、次期王座挑戦者である風格を醸し出す事に成功。
 その一方で、チャレンジマッチテイストになることもなく、駿河もチョコプロのエースとして真っ正面から鬩ぎ合う。終盤も軽量級の立体的な攻防に疾走感は残しつつ、サブミッションやクイックの追い込み力を最大限活用し、スリル感を演出。

 東女の後楽園大会のメインにもAEWのDynamiteやRampageにもそのまま出せるレベルの素晴らしい内容。この試合こそ多幸感溢れる大激戦でした。文句無しに好勝負。
評価:****1/4


スーパーアジア王座統一戦-ラスト・マン・スタンディングマッチ
藤田ミノル(c)対バリアン・アッキ(Interim ch)

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 ChocoPro100と同じカードがメインイベント。今回は、チョコプロを裏切り、DAMNATION T.A入りした今回のヴィラン、藤田ミノルと、地上波のドラマで役者デビューを果たし、今回団体の威信にかけて裏切り者を討ち取りに向かう今回のヒーロー、アッキ。

 また試合形式はラストマン戦ということで、激しさを打ち出しながら、脚攻めやサブミッションで10カウントで立てなくする種蒔きを行う序盤。行動に制限があるマットプロレスにおいて、脚攻めでラストマン戦のセッティングを行うのは過去にも見られた定石。百戦錬磨の藤田のみならず、アッキも攻め手の時の厳しい表情と受け手の時の辛い表情の使い分けも上手く出来ており、セッティングは上々。
 その後場外での椅子トラップへのデッドリー・ドライブを経て、場内に戻っても試合は激化。種蒔きをしていた脚攻めを大きな軸として据えながら、さくらえみを連想させる技に行ったかと思えば、剥き出しの床への攻撃と隙のない試合運びを見せる藤田。アッキも跳び技のミスを脚攻めのダメージ表現に咄嗟の判断で切り替え、やり直しはセントーンにする機転は見事。

 


 十分死闘感を演出してきた中でハイライトとなったのは場外でテーブルに寝かした藤田へ、屋根からの高所ダイブ一閃。まさにholy shit!というべき一撃。これで終わっても良いけれども、会場内に戻ると椅子を使い仕上げに。立てた椅子や椅子盛りと確実にハードコア感を出せるチョイスも的確。

 

 勧善懲悪とハードコア。ダイナミズムを生み出せる抜群の組み合わせを見事に使い切り、後は演者の奮闘。全編通してのハードワークとラストマン戦への理解力。チョコプロには余り無いフェイスヒールのストーリーテリングを最高の形にハードコアに落とし込んだ大熱戦でした。
 セミの好勝負を払拭するのは大変だったが、見事に払拭し、最高のハッピーエンディングを作り上げたのは称賛の一言。文句無しに好勝負。
評価:****1/4

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全体評価:9