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ACTION Wrestling/IWTV Southeast First Review アレックス・シェリー対ACマック ~オープンゲイ選手による新たな革命~

ACTION Wrestling/IWTV Southeast First 1/21/2022

iwtv.live

アンソニー・ヘンリー対アダム・プリースト

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 キレキレのヘンリーが地味渋仕事人プリーストを完璧にコントロールした一戦。グラウンドにおけるテクニカルな面と、プリーストにはないアピール力で圧倒。鋭さと巧さが最高レベルであり、これをされると跳ね返せるのは、ザック・セイバーJr.くらいなもの。プリーストも良い選手ではあるけれども、巧さと凄さを両立したヘンリーには中々敵わない。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

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IWTVインディペンデント・レスリング世界王座戦
アレックス・シェリー(c)対ACマック

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 メジャー団体を渡り歩いた世界的なスーパースター、アレックス・シェリーに挑むACマック。ARフォックスのレスリングスクールを卒業し、キャリア5年、29歳の若手ローカル選手ながら、少しずつ頭角は現しており、オープンゲイの黒人選手として、Black lives MatterとLGBTQ +2つのムーブメントの後押しを受け、ローカルスターへとのしあがりつつある選手が得た最高の舞台。

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 地元ジョージア州かつレギュラー参戦しているACTION Wrestlingの常設会場での大会とあり、100対0でマック支持の客席。また、試合前にマックのアジテーション、シェリーのヒールプロモと更に熱を煽る演出もあり、舞台は最高の形で整った。

 試合は、軽快な動きを見せるマックの攻撃を受けながらも、ベースを掴みそうな所で攻撃を切り、重厚な攻めでじっくりと支配するシェリーの上手さが光る構築。フェイスヒールのダイナミズムを最大限活かす手法を取り、それを会場の熱気も後押し。

 マックもハイフライングを連発するというよりかは、伸びやかなムーブでリズム良く攻めていく選手。高難易度な技を控えたARフォックスという様な印象。この試合では高難易度のムーブ連発は特に必要なく、勢いを持続させる動きとシェリーのコントロールを理解する頭脳が必要。マックはカウンターも冴えており、邪魔することなく、試合内容を昇華させる働きを見せていた。

 クライマックスのニアフォールの攻防も、シンプルだが一番ニーズに合う攻防を選択しているのも堅実。誰も傷つかないフィニッシュも実に美しく、年間通しても数回観れるレベルの最高の王座交代劇となりました。試合後の歓喜のプロモも、マックが饒舌も饒舌で、印象的なシーンを生み出した。

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 環境を最大限活かした試合であり、アレックス・シェリーの実力を余すことなく堪能出来る内容。ヒールとして燃料は注ぐけども、刺々しくはせず、無駄はなく必要な要素だけ入れていく。今の時代、対戦相手にも合った内容を選べるからこそ、今もなおシーンのトップランナーとして必要とされている。消えていく人と残り輝く人の違いがここにある。新鋭マックの晴れ舞台ではあるものの、アレックス・シェリーファンは必見。
 好勝負。
評価:****

 

 

全体評価:7.5+