世界のプロレス探検隊

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海外インディ試合集 2021-2022 ルビー・ソーホー対ジョシュ・アレキサンダー/チャーリー・エヴァンス対カーラ・ノワール他

AAW Unstoppable 2021 12/30/2021

 

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ルビー・ソーホー対ジョシュ・アレキサンダー

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 5年半ぶりの再戦は、両者メジャー団体でスターとなり、レスラーとしての価値を上げてから満を辞しての激突となる。前回はヒールのジョシュ対フェイスのルビーという構図だったが、今回はニュートラルな立ち位置での戦いとなる。

 しかし、展開としては前回と大きくは変わらない。序盤はルビーが体格差のハンデを補いながら果敢に攻めるも、体格差を活かしジョシュが支配。ヒールアピールはないものの、わかりやすく力でねじ伏せる。間を大きく取りながら、ルビーを応援させる様に進める。こういうあたりは、メジャーのTVプロレスを多く経験したからこそ、間を無理やり詰めないといけないプレッシャーから解放されている為、余裕を持って中盤を構築出来ている。

 そして終盤へ移り、ルビーの反撃から一進一退の攻防へ。体格差やダメージ表現を軽視しない一方で、双方にスポットが当たる様に絶妙に配分している。強大な敵に真正面からぶつかり、乗り越えていく様こそルビーの一番の長所である。まさに強大的すぎる敵であるジョシュに対して、ボロボロになっても力を振り絞って突撃し続ける。男子以上にタフ野郎といっても良いでしょう。

 ルビーが全ての必殺技を放つ一方、ジョシュは必殺のC-4スパイクではなく、インディ時代の必殺技であるコークスクリュー・ツームストーンを解禁。それをも耐えたルビーに対し、雪崩式ツームストーンという最終奥義で切り捨てる。

 体格差のあるルビーを文字通りちぎっては投げ、人形の様に叩き付けるジョシュの力強さとそれに打ち勝つルビーのタフさが存分に現れた一戦。シンプルな内容だが、観客が観たいもの、演者がやりたいものを絶妙に具現化することに成功していた。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

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DMDU(Deathmatch Downunder) The Juice Is Worth The Squeeze Night 2 5/22/2021

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DMDUヘビー級初代王者決定トーナメント決勝
リッチー・テイラー対チャーリー・エヴァンス
 トーナメントを勝ち抜き、流血を残したまま登場したチャーリー。プロレスラーとはどうあるべきかを本当に良く理解しているのが伝わるワンシーン。

 試合もリッチーの得意なハードヒッティングをベースにしながら、場外戦でのラフを交え、ドラマ性もアップ。リッチーのパワフルな攻めに引けを取らないラッシュを仕掛けたチャーリーにも当然圧倒される。

 完成度の高いチャーリーを倒せるだけの説得力をリッチーも持っていたのも非常に良く、MCWで観た時よりもこの試合では洗練された戦いぶりを見せていた。決勝、初代王者戦に相応しい激闘。好勝負。
評価:****

 

Wrestling Resurgence Bring Me The Mask Of Cara Noir 1/15/2022

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Wrestling Resurgence王座戦
チャーリー・エヴァンス(c)対カーラ・ノワール

youtu.be 挑戦者のカーラが奇襲を仕掛け先制。その後ステージの攻防や場外戦を経て、まずはヒールのカーラが押す展開に。ベビーフェイスの方が良いカーラだが、ブラック・スワンというキャラクターは、ヒールにもぴったり当てはまるキャラクターなので、冷徹にチャーリーを攻める姿は変わらず画になっている。

 対するチャーリーも攻めはカーラに劣らずパワフル、受けの時は感情豊かにと完成度の高い戦いぶりを見せる。中盤から終盤に移ってもペースは落ちず、カーラの厳しい攻めに対しても同じくらい厳しい攻めを返す。

 一方でフラフラとなったり、わかりやすく苦しそうな表情をしたりと、仲の良いエディ・キングストンの影響やデスマッチの経験をフルに活かし、情緒豊かに試合を進める様は、UKトップのカーラに全く引けを取らない。

 打撃の打ち合いなどは性差を飛び越えるバチバチ感が堪らない。この団体だからこそ実現したカードだが、この団体に留めておくには勿体ない大熱戦でした。好勝負。
評価:****