GCW The Wrld On GCW 2022 1/23/2022
ECW、ROH、WWECWの「One Night Stand」の2005と2006が行われたハマースタイン・ボールルームへ遂に進出。当然GCW史上最大規模の大会となります。
グラブ・ザ・ブラス・リング・ラダー・マッチ(勝者は好きなタイミングでどの王座にも挑戦出来る)
アレックス・コロン対トニー・デッペン対ジミー・ロイド対G-レイヴァー対ジョーダン・オリヴァー対PCO対AJグレイ
Double Springboard Double Rotation Senton #TheWrldOnGCW @Tony_Deppen pic.twitter.com/HVvcZ2PW46
— 𝖆𝖘𝖍 𝖉𝖆𝖇𝖇𝖆𝖙𝖍 𝖛𝖔𝖑. 𝖋𝖔𝖚𝖗 (@AshDabbath) 2022年1月24日 当初エディ・キングストンと戦うはずだったAJグレイを交えた7ウェイ。このメンバーで多人数なので、当然の様にスポットフェスト。その筋のプロは揃っており、馴染みのレギュラーメンバーなので、息は合っており、場外ダイブ、ラダーを使ったスポットと次々と展開させていく。
安定のまとめ役デッペンや経験十分PCOが持ち味を発揮する中、レイヴァーやグレイはヒヤっとするミスムーブかありと緊張が手に取る様に伝わる。そこで「You Fucked Up」チャントが飛ばない程暖かい観衆達。
しかし、フワっとした空気のまま、コロンにリベンジを誓うジョン・ウェイン・マードックの介入も悪いカメラワークでいまいち盛り上がらないまま終了。理屈抜きで盛り上げるはずの試合で上手く決まらずと大会に暗雲が立ち込めます。平均レベル。
評価:***
グリンゴ・ロコ、デモニック・フラミータ&アーレス対バンディード、ラレド・キッド&ASF
L U C H A #TheWrldOnGCW pic.twitter.com/vXb32XTnAN
— 𝖆𝖘𝖍 𝖉𝖆𝖇𝖇𝖆𝖙𝖍 𝖛𝖔𝖑. 𝖋𝖔𝖚𝖗 (@AshDabbath) 2022年1月24日
ECWなどでリングアナを務めたステフェン・ディアンジェリスが登場しコールを務める。
大会のゲームチェンジャーとなったのはルチャトリオスマッチ。そもそもその中にバンディードとフラミータがいること自体がおかしいレベルではあるのだが、ビッグマッチ慣れしている彼らとAAAで実績を残しているラレド、アーレス、好調のグリンゴ・ロコらも続く。
ルードの支配からテクニコの反撃シーンまで驚愕の攻防や度肝を抜くハイフライングにエストレージャとルチャの良い所てんこ盛り。更に2人を肩車した状態でのカナディアン・デストロイヤー等今大会のハイライトとなり得る攻撃も圧巻。フィニッシュをミスしたのは惜しかったが、それまでの内容が余りにも素晴らしかった。好勝負。
評価:****
Sit on my shoulders and let's slug it out! #TheWrldonGCW pic.twitter.com/ap5S6a4QYY
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
ブレイク・クリスチャン対リオ・ラッシュ
Blake Christian is shining like a true star! #TheWrldonGCW pic.twitter.com/b5yDjzkvrY
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
当初はジョナサン・グレシャム対ブレイク・クリスチャンのROH世界王座戦だったが、グレシャムが欠場の為、ラダーマッチに出場予定のリオがクリスチャンの相手にスライド。
極上のルチャリブレの後に、ハイフライヤー対決を入れるのは、構成としてはかなりバッドチョイスではある。大会後半のクオリティに不安を抱えているのなら、エフィー対JJと入れ替えるぐらいでも良かったはず。グレシャム戦であれば、この位置で正しかったので、不運だったとしかいいようはないが、ピンチをチャンスに変えるパワーを持っている団体だけに勿体ない。
WWEからリリースされた後、ウィル・オスプレイの様にトータル・パッケージ化を目指しているクリスチャン。NXTで活躍する彼女に負けずに上を目指す、意識の高さを存分に試合運びに反映させている。リオも動き回るけれど、流れ無視で飛び回る様な選手ではないので、今のクリスチャンにとっては最適の相手。WWE移籍前は抗争していただけあって、呼吸も合っている。やたらスピアーに拘る無意味な攻防はあったけれども、ハイフライングや凶器攻撃に頼らずに、レスリングで通す意志が感じられたのは良い部分。
終盤は互いに意識するバックグラウンドが反映された攻防が多く、クリスチャンのオスプレイ&ケニームーブに、リオは、元パートナーであるパトリック・クラーク、所謂WWEのベルベティーン・ドリームが使うシスター・アビゲイル式DDTを使うなどオマージュ要素が強い。クリスチャンは良い選手で、どんどん良くなっているけれども、彼を見ると、オスプレイがいかに神童であるかを再認識出来る。クライマックスも驚愕ムーブから上手くまとめてフィニッシュ。中々良い試合。
評価:***1/2
Caught him! #TheWrldonGCW pic.twitter.com/gJ8hj4qL2S
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
ジョーイ・ジャネラ対マット・カルドナ(w/チェルシー・グリーン)
IF CARDONA WINS WE RIOT! #TheWrldonGCW pic.twitter.com/zsP6GqNODK
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
ライノを倒してECW世界TV王者と名乗り、放送前だがインパクト・レスリングではデジタルメディア王者となるなど、TVやらネットが関係するものは総なめにしつつあるカルドナ。今回は徹底的にECWをオマージュ。メジャー兄弟としてWWECWでデビューした人なので因縁はある。
新妻チェルシーは、フランシーンばりにシンガポール・ケインを持参。カルドナは、メタリカのエンターサンドマンと自身のテーマを同時に流しながら、ビールを飲み、fuck mick foleyと書かれたシャツを着用、ICWNHBのリングクルーで、ニュージャージー近辺ではどこにでも現れるミッテンにビールを吹きかけ、「One Night Stand 2005」でサンドマンとドリーマーが、観客とエレクトラにビールを胸の谷間に注いで飲むオマージュのキスをするなどやりたい放題。これが、メインがかなり押した原因。しかし、ジョーイの担当試合であり、カルドナなので、怒られはしなかったとは思うが。本当はジョーイが主役のはずだが、カルドナ劇場が全てを持っていった。
Marko Stunt is here at #TheWrldonGCW pic.twitter.com/XazO6T4zIM
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
試合は、ドア破壊や椅子攻撃をメインにエンタメ重視。色んな客演を出したいが為に、楽しめるけれども中身はスカスカ。WCWのヴィンセントことヴァージルやAEWではジョーイより売れてしまったジェイド・カーギルのマネージャー兼MJFとブライアン・マイヤースとカルドナお抱え弁護士マーク・スターリング、マルコ・スタンドにスワグル等2人に縁のある登場人物満載。
The modern-day Francine (Chelsea Green) gets a piledriver for her troubles!#TheWrldonGCW pic.twitter.com/YNenV8l2hp
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
最後は「One Night Stand 2006」のシナ対RVDでのエッジ乱入オマージュをエッジヘッズがやるという形で締め。
He's helping out his best friend! Brian Myers is here at #TheWrldonGCW pic.twitter.com/HwU6l50L6O
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
試合後はGCWの前身JCW時代にジョーイとタッグ王者に輝いたXパックことショーン・ウォルトマンが登場し、カルドナ軍団を撃退。お祭りに相応しいファンマッチではあった。しかし、この後の試合群を考えると、ここである程度試合内容とエンタメを共存させるべきではあったが、この時は知れる由もないのでやむなし。ただ自分のスポットを犠牲にしても、敵味方問わず輝かせる事を選ぶのは、良し悪しは抜きにして、これぞジョーイ・ジャネラである。平均レベル。
評価:***
Sean Waltman looks to take out the modern-day Shane Douglas and Francine! #TheWrldonGCW pic.twitter.com/niD6Ln0ar9
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
Sabu and Bill Alfonso are here #TheWrldonGCW pic.twitter.com/I92hFcGndj
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
JARRETT WITH THE GUITAR!! @GCWrestling_ #TheWRLDonGCW pic.twitter.com/ZRO2yzDZY1
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
GCW世界王座戦
ジョン・モクスリー(c)対ホミサイド
シンシナティとブルックリンの狂犬対決。とはいえアルコール依存症治療から帰ってきたばかりのモクスリーと象徴天皇状態のホミサイドでは、格は百点だが、大会を救えるレベルにはなり得ない。
しかし、時間に制約があったことがかえって良い方向に作用し、ソリッドな一進一退を生み出している。余計なことはせず、必要なことだけ丁寧に行う。病み上がりのモクスリーが、コンディションが上がらないなら上がらないなりに、相当ホミサイドを立てるスタンスを取っており、ある意味現役バリバリの世界的トップランナーであるモクスリーとの差が埋まっていたのは、怪我の功名。
この試合単品で見ると厳しい部分はあるが、他の試合との合わせ技なら価値のある内容に仕上がっている。問題はその合わせ技がなかったこと。モクスリーとゲイジがもし万全だったら、世紀の再戦だったかもしれないと思うと、巡り合わせが悪かった。しかし、今の状況では最善の策で、最善の対応だった。平均より上。
評価:***
GCW世界タッグ王座戦
ブリスコ・ブラザーズ(c)(ジェイ&マーク・ブリスコ)対H8 Club(ニック・ゲイジ&マット・トレモント)(w/デューイ・ドノヴァン)
MDK STAND UP!! NICK GAGE IS HERE!! @GCWrestling_ #TheWRLDonGCW pic.twitter.com/eeyrQOcSJk
— FITE (@FiteTV) 2022年1月24日
ブリスコズのオープンチャレンジ。噂されたFTRという候補はいたが、まず鳴り響いた「Separate Ways」。マット・トレモントが登場。と来ればもう1人しかいない。そうGCWの絶対的象徴。デスマッチ・キング、ニック・ファッキン・ゲイジが、響き渡る鐘の音と共に、遂に復帰。
ジョーイ対カルドナ以降低調だった大会を無事に締めることが出来るのはこの男しかいない。試合が5分少々だったとか、ゲイジのコンディションは病み上がりで、無理して出てきたのだなと明らかにわかるレベルだが、椅子とドアで上手く誤魔化せたのは良かった。MDK復活は当然嬉しく、ボーナストラックとして悪くはないものの、PPVあるあるとはいえ、流石に短すぎた。
評価:**3/4
全体評価:7.5