世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

Impact Wrestling Hard To Kill 2022 & "AAA&ROH女子二冠戦" ディオナ・パラッツォ対Rok-C Review ~Invasion of Honor~

Impact Wrestling Countdown To Hard To Kill 2022 1/8/2022

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フェイタル・4ウェイ・マッチ
“スピードボール”マイク・ベイリー対ラレド・キッド対クリス・ベイ対エース・オースチン
 昨年後半に契約したベイリーが登場。その他もハイフライヤー揃いの一戦とあって、派手なダイブ連発もあり、4ウェイらしさもありと実質のオープニングとしては非常に満足出来る内容、事前番組には勿体ないレベルでした。平均的良試合。
評価:***1/4

 

Impact Wrestling Hard To Kill 2022 1/8/2022

 

www.fite.tv

 

 

#1コンテンダー-アルティメットXマッチ
チェルシー・グリーン対ターシャ・スティールズ対アリーシャ対ローズマリー対ジョーディン・グレイス対レディ・フロスト
 女子初のアルティメットX。オリジネーターの1人、クリス・セイビンが恐らくプロデューサーを務めている一戦。セイビンとゲイルが導けば、不安な初戦も上手くまとまる。
 序盤はワイヤーを掴む展開に不慣れな所が見られたが、ハードコア要素や場外ダイブスポットを追加し、往年のアルティメットXらしい名シーンを再現する事で場を整えていく。メンバーもパワーのジョーディン、ハイフライヤーのフロスト、オールラウンダーのチェルシーとターシャ、人気者のローズマリーとハードコア要員アリーシャと幅を広げやすいメンバーが揃っていたのも大きい。

 

 アルティメットXの良さと個々の持ち味が上手く混ざり合った内容。是非定期的に行って欲しい。いずれ男女混合もあるかもしれない。中々良い試合。
評価:***1/2

 

 

Impact Wrestling Xディビジョン王座戦
トレイ・ミゲル(c)対スティーヴ・マクリン
 マクリンの重爆ダイブから先制。マクリンのパワフルさとミゲルの軽快さの交わり方は、今回も絶妙。3ウェイ2戦とその他のブロモも挟み、遺恨決着戦として据えられたこの試合に必要な激しさも備わっており、X級の華やかさ、長いストーリーを考慮した死闘感を上手く共存させている。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

ROH世界王座戦-ピュア・ルールズ
ジョナサン・グレシャム(c)対クリス・セイビン
元々はサーチ・アンド・デストロイの同門対決。
基本の動きだけで沸かせる事が出来る職人対決。グラウンドやサブミッションよりも軽量級らしいキレを軸にした試合展開で、セイビンを立てる様な内容だったが、グレシャムもそのフィールドで十分戦えるので、無駄がなくメリハリの効いた試合となっている。起承転結がはっきりしており、テクニカルな切り返しの応酬はありながらも、終盤にわかりやすく盛り上がるポイントを配置したのも大きく、決して長くはないが濃密な好勝負となった。好勝負。
評価:****

 

ジョシュ・アレキサンダー対ジョナ
 鉄人対怪物の遭遇。血祭りに上げられ、テーブルにも沈められ、雪辱を誓うジョシュだが、ジョナの怪物パワーに悪戦苦闘。色々器用に動けるジョナだが、WWEの経験が生きたか、徹底的に怪物である事に拘って試合をしており、強いジョシュをねじ伏せるだけの力を示していた。

 そしてそのジョナを、得意の脚攻め、鉄柵越えダイブ、豪快な投げ技とあの手この手で攻略しにかかり、最後も耐えるジョナを鬼神の表情で脚を折りにかかるジョシュに圧倒された。コンセプト通りに両者の持ち味を全て織り込んだ激戦。TVプロレスにこの怪物大戦争を上手く反映させたのも実にクレバー。好勝負。
評価:****

 

ハードコア・ウォー
グッド・ブラザーズ(カール・アンダーソン&ドク・ギャローズ)対ヴァイオレント・バイ・デザイン(エリック・ヤング、ジョー・ドーリング&ディーナー)対エディ・エドワーズ、ヒース、ライノ、リッチ・スワン&ウィリー・マック
 多人数ハードコアファンマッチ。この試合で主役となるべきライノの衰えが顕著なのが痛いけれども、エドワーズやEY、スワン等役者が確実に役割をこなす。エドワーズが繰り出した火炎竹刀、場外テーブル葬、有刺鉄線ボードと見栄えの良いスポットもありと、中休みとしては上出来。平均より上。
評価:***

 

試合後、マット・テイヴェン、マイク・ベネット、ヴィンセント、PCO、マリア・カネリス-ベネットのはぐれROH軍団が乱入し、ベビーフェイス等を襲撃。ROH復活まではインパクト正規軍対はぐれROH軍の戦いとなりそうです。

 

Impact Wrestling世界王座戦-トリプル・スレットマッチ
ムース(c)対W・モリッシー対マット・カルドナ
 元WWE2人とムースなので、WWE式ムーブで繋いでいくオーソドックスな3ウェイ。カルドナが1人フェイスだが、インパクト以外では大ヒールなので、全員ヒールの様な錯覚を覚える。それを察したか、フェイスとしてそつなく振る舞い、ムーブ主体の試合運びにシフト。カルドナもインディでは大きいので、ビッグマン2人に引けを取らなかったのは大きく、迫力で押せている。

 モリッシー、ムース共々動けて上手さもある選手なので、上手くまとまっている。この試合の前後がハードコアなので、過激度は上げれなかったが、3ウェイのカオスさとチェルシー・グリーン介入、レフェリー失神とこちらはコテコテの演出を惜しみなく投入。期待値は高くなかったが、ベテランの技を見せ、PPVのトップ王座戦に求められるラインは超える事に成功。まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

Impact Wrestlingノックアウツ王座戦-テキサス・デスマッチ
ミッキー・ジェームス(c)対ディオナ・パラッツォ

 ビッグマッチ、ハードコアの魅せ方にはミッキーに一日の長があり、試合作りはディオナの方に一日の長がある。互いの領域に出たり入ったりしながら、基本的にはディオナがコントロールし試合が進む。テキサス・デスマッチの3カウントは奪わせても良い位に設定されている点を、丁寧に示し、一つ一つの攻防を堅実に積み上げていく。

 凶器や流血は早い段階から導入。噛み合わない部分、やりたいことに身体が落ち着いていない部分が散見されたものの、現世代トップのディオナのコントロールは安定しており、ミッキーもここぞというは、流石元WWEのリビングレジェンドといった貫禄を見せる。こういう内容をもしAEWでやっていたら、評価が高くなっていたはず。インパクトの人気の無さを感じるものの、女子選手の扱い方、スポットの当て方はAEWに引けは取らない。

 

 ただ安定しているとはいえ、大きな見せ場は作りきれてなかったが、早めに画鋲を投入してからは一気に加速。マシュー・レイウォルトの介入もあり、捨て身の場外ダイブ、テーブル破壊にギターショットと印象的なスポットを次々投入。メイン抜擢に応える激戦となりました。これでミッキーはベルトを保持したままロイヤルランブルへ。 

 中々良い試合。
評価:***1/2

全体評価:9+

 

Impact Wrestling #910 1/13/2021
AAAレイナ・デ・レイナス王座戦&ROH女子世界王座戦
ディオナ・パラッツォ(AAA ch)対Rok-C(ROH ch)

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 ROH FINAL BATTLEでの対戦アピールを経て、ダブルタイトル戦に挑むこととなった両者。放送は金曜だが、収録はHard to Killの翌日で、ハードな連戦となったディオナ。対するロキシーは敵陣に乗り込んではいるが、地元テキサスでの対戦。
 ダブルタイトル戦で期待はかかるものの、前回のNew Texasでの試合以上に、TVマッチとなるとディオナの貫禄、充実度が勝り、新星ロキシーの勢いを飲み込んでいく。同じ腕への関節技を得意とする両者らしい、腕攻め合戦も楽しめるが、終始ディオナがロキシーを掌に乗せている印象のままフィニッシュ。

 ROH侵攻ストーリーの一環としては弱いけれども、試合自体は、高いテクニックが堪能出来る一戦。Rok-Cも若干20歳でここまで出来るのは素晴らしい。中々良い試合。
評価:***1/2