WWE Survivor Series 2021 11/21/2021
ベッキー・リンチ対シャーロット・フレアー
大親友同士が、半ば強引に興味を持たせていったこの対決。普通に行うだけでも最高のカードなのに、実際のところはどうなのかは謎ではあるが、ベッキーとの不仲疑惑に留まらず、AEWにいる彼氏アンドラーデを追ってWWEを辞めるかもだったり、プロモの時にちゃんとやらなかったシャーロットにソーニャ・デヴィルがブチ切れたりと、色々な情報を錯綜させ、団体やSNS、ニュースサイトまで巻き込んだセットアップには脱帽。
ただ、トニー・ストームの退団劇にもある様に、シャーロットと絡む人は、ベッキー、サーシャやリア辺りを除き、団体からのプロテクトをさせていない人は良い結果にはなっていないので、本当に色々あるのだろうとは推測。
しかし、この試合に関しては、ラフ要素とファストペースで進める事により、壮大なセットアップを回収。攻防間のシャーロットとベッキーの表情の作り方も憎しみを示す様なもので実に見事。話題が作りにくいヒール対決をパーソナルな闘いに上手く置き換えていたのは流石。投げ技もコーナーへの投げを入れ、互いの必殺技を決めるシーン、ベッキーがディス・アームハーを超えて、両腕を降りに行くザックのクラーキー・キャットの様な関節技を決める等、この為に特別仕様となっている。終盤にはシャーロットのビッグダイブ連発も抜群のタイミングで決まり、ボリュームアップ。
本来なら団体を上げてセットアップしなければいけないけれども、ビンス他裏方陣が機能していない中で、スターのクリエイティブ性に丸投げするしかない状況を、逆手に取ってこの2人がやれる内容をコントロパーシャルな形を残した上で、最大限のクオリティで遂行。これはWWEとこの2人にしか出来ない一戦。
しかし、今の時代に求められているストーリーではないのが悔やまれる。
文句無しに好勝負。
評価:＊＊＊＊1/4
ビッグ・E対ローマン・レインズ(w/ポール・ヘイマン)
王者対決最後は両ブランドの大看板対決。実績を踏まえると、本来ならレインズが圧倒的な差を示しても良いけれども、大人気選手でパワーハウス、更にBLM的黒人選手への配慮もあり、ビッグEの扱いに対して細心の注意を払った試合となっている。大きなストーリーや関係性はない為、アクションが肝となった試合だが、ビッグEのパワーを示しつつ、レインズが貫禄の試合運びを見せる。
ビッグスターであるレインズの安定感がモノをいった内容。大きな仕掛けもない中で、メインに相応しいロングマッチを構築。2人の奮闘のお陰で格好は付いたが、ブランド間対決は、結局繋ぎにならざるを得ないので、もう無理にする必要はないでしょう。好勝負に届かない良試合。
評価:＊＊＊3/4
全体評価:7.5+
WWE Monday Night RAW #1477 9/13/2021
WWE王座戦
ボビー・ラシュリー(c)(w/MVP)対ランディ・オートン(w/リドル)
オートンが脚のダメージを負いながらも、怪物ラシュリーにも劣らない鋭さを見せる展開。13分と短時間の中にエネルギーを十二分に込めており、無駄もなく、激しさと楽しさが備わった内容となっている。あわや王座交代という様なニアフォールの連続に、会場も応え、非常に良い空間を作っていた。
サンダードーム明けというのも良い方向に作用した要因だった。セコンドのMVPとリドルを絡め、RKO祭りをしっかり入れて幕と観たい内容が全て詰まっていた一戦。この後にブライアン・ダニエルソンAEW登場というサプライズに対抗するべく行われたビッグEのキャッシュインのおまけつきで、非常に満足出来る一戦でした。
好勝負に届かない良試合。
評価:＊＊＊3/4
WWE Monday Night RAW #1483 10/25/2021
#1コンテンダー・ラダー・マッチ(WWE王座戦)
セス・ローリンズ対レイ・ミステリオ対フィン・ベイラー対ケビン・オーウェンス
腕達者揃いの一戦だが、誰よりもラダー戦の経験に勝る業界随一のハードコアモンスター、オーウェンスが試合を回し、攻守に渡り大活躍。1人ヒールセスもキーマンにはなっていたが、それを超えるオーウェンスの働き。ハードなスポット、ラダーを使う攻防、権利書を取る攻防の入れ方と1人でここまでやってくれれば他は楽。
ミステリオとベイラー、一緒に戦う駒としては超優秀なので、役割を堅実に果たしてくれる。オーウェンスがここまでやる気に漲っていれば、契約更新も必然的。まだまだトップを目指すぞという気合に満ちている。好勝負。
評価:＊＊＊＊
WWE Monday Night RAW #1489 12/6/2021
WWE RAW女子王座戦
ベッキー・リンチ(c)対リヴ・モーガン
youtu.be 小生意気な格下モーガンの健闘に恐れを抱くベッキーという展開。しかし、試合としては皆の人気者モーガンを何とか押し上げてあげたいという切なる思いが具現化した様な丁寧な試合作り。モーガンも成長し続けているとはいえ、当然まだベッキーとは差がある中で、わかりやすいオーソドックスな攻防を徹底した一戦。
ベッキーがかなりキャリーをしているものの、モーガンもそれに応え、PPVに抜擢される程の内容は作る事は出来ていた。平均的良試合。
評価:＊＊＊1/4
