世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

AEW Review 2021 コーディ対アンドラーデ/キングストン対ガルシア他 ~This Fire Burns~

AEW Dynamite #112 – Thanksgiving 11/24/2021
ブライアン・ダニエルソン対コルト・カバーナ

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 かつてはROH王座を争い、本来なら無限に試合が出来る両雄の再会だが、ブライアンとハングマンのストーリーが続いているので、グラウンドは早々に切り、両者シリアスモードに。

 シリアスが強い試合でも無限に出来るのがカバーナではあるものの、TVプロレスでは反映されず。とはいえ仕事は遂行しており、カバーナはまだまだ錆びていないと思わせる事には成功。

 平均レベル。
評価:***

 

AEW Rampage #17 - Black Friday 11/26/2021
エディ・キングストン対ダニエル・ガルシア(w/2point0)

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 ジャパニーズストロングスタイルとシュートスタイルにラフを組み合わせたダーティー・レスリング。キングストンの真骨頂ともいうべき試合運びに、ハードヒットも上乗せして対応するガルシアの対応力が光る一戦。玄人好み過ぎる内容を良くもスタジアムサイズで行うなとAEWの懐の広さに驚きを隠せない。

 決して綺麗な試合ではない。むしろあえて崩している。しかし今のキングストンはかなり洗練されている為、悪い意味の泥臭さはなく、メジャーの舞台でも通用するものに仕上げる事が出来ており、ガルシアもこのスタイルのエキスパートなので、まさにうってつけの存在。

 2point0の2人もしっかりと脇を固めていた。この様な試合もやれてしまうのがAEWの凄さ。そしてこの2人が団体内でいかに大切な存在となっているか、トニー・カーン含め裏方組にもトップロスターと定められているかが良く分かる試合でした。好勝負。
評価:****

 

AEW Dynamite #113 12/1/2021
CMパンク対リー・モリアーティ
 CMパンク若手チャレンジ企画、今回はモリアーティ戦。基本技を中心に、パンクがモリアーティの様な軽快な動きを繰り出し張り合い、モリアーティも活きの良さを示していく。アレックス・シェリーばりのボーダーシティ・ストレッチや掟破りのペプシ・ツイストを決めるなど善戦するも、パンクが貫禄の勝利。

 モリアーティには最高の経験となったでしょう。この試合の後にクリス・ヒーローのセミナーに出向いている事実もパンク戦を通してみると更に感慨深くなる。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

AEW TBS王者決定トーナメント準々決勝
ルビー・ソーホー対クリス・スタットランダー

youtu.be インディ育ちでポテンシャルに優れているものの、AEWではその実力を発揮出来ていない選手同士の対決。女子同士よりも対男子の方がポテンシャルを発揮出来るという共通点があり、今回は特にフェイス対決の為、シンプルに腕を競い合う形となったことが功を奏し、実直にプロレスリングをする事が出来ていた。

 インディの要素が色濃く表れた試合となり、ルビーがスタットランダーの潜在能力をTVプロレスの世界でも引き出せていたのが印象的。男子顔負けのパワフルさが魅力でした。スタットランダーは豪快な投げ技を、ルビーはハイディ・カンラナ(HAYATAのヘデックと同型)など引き出しを開けて応戦。尻上がりに内容が良くなっていた熱戦。2人の現時点でのAEWベストです。中々良い試合。
評価:***1/2

 

アトランタ・ストリート・ファイト
コーディ・ローズ(w/アーン・アンダーソン)対アンドラーデ・エル・イドロ(w/ホセ・ザ・アシスタント)

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 最愛のシャーロットと別れたのは関係ないだろうが、今回はロウ・キーばりにヒットマン・スタイルとなったアンドラーデに、シナばりにブーイングが飛ぶ団体の象徴コーディがローズ家のお膝元アトランタでストリートファイトに挑む。

 試合は、場外戦からリングに戻ってもピュア・ハードコア。様々な凶器とT-PAINが乱れ飛ぶ乱戦。観客の反応を利用し、HHHオマージュも見せる茶目っ気もありつつ、頭部への椅子攻撃やチェーン、テーブル等を容赦なく叩きつけていく。

 

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 アンドラーデなので、陰鬱な流血戦というよりはスポット重視のルチャ・エクストレマのテイストとなっているけれども、流血もあり、ハイスポットばかりの苛烈な死闘を締めくくったのは、まさかまさかの火炎テーブル。マット・トレモント現役復帰と電流爆破を意識しているとは思えないものの、デスマッチコーディ遂に爆誕。解説にタズがいる時にこれをやるのも憎らしい。予想を遥かに超える激闘でした。好勝負。
評価:****

全体評価:8