ICW No Holds Barred Volume 19: Deathmatch Horror Story 10/23/2021
パンプキン・パッチ・デスマッチ
ニール・ダイヤモンド・カッター対セージ・シン・スプリーム
パンプキンペイントでお馴染み西海岸のデスマッチサラブレッド、スプリームの娘セージが、GCWで竹田誠志と対戦するニールとパンプキン・デスマッチで対決。パンプキンカラーの凶器も多数飛び出し、華やかなアイテムとは異なり、過激度は高め。安定感抜群ニールが試合をコントロールし、対するセージも今まででベストに近い働きを見せ、非常に勢いに乗っていた。ただのファンマッチゲストマッチを軽々超えた熱戦で、大会にも勢いをつけるオープニングでした。中々良い試合。
評価:***1/2
クルール対サトゥ・ジン
血塗れ魔人対決。ジンが新鋭クルールを迎え撃つ対決だが、クルールもMLWではマッド・クルーガーやインディではローガン・クリードとして活躍している選手。デスマッチへの順応が不透明ではあったが、ノーセルの受けを活かした怪物性を押し出した試合運びと積極的にデスマッチアイテムを駆使する器用さも兼ね揃えており、そして何よりも大きな背中を真っ赤に染めた姿を見せたこと。マスクを被って居ようとも凄惨さがわかる印象的なシーン。
ジンもクルールの巨体に苦労しながらもデスマッチでは先輩として、容赦なく凶器を叩き込み続けていた。小細工を使う展開にせずにシンプルにすることで、怪物性が最大限に光った形となりました。想像を遥かに超える熱戦。クルールがレギュラーを勝ち取ったのが頷ける健闘ぶりでした。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
ICWアメリカン・デスマッチ王座戦-60分アイアンマン・デスマッチ
ジョン・ウェイン・マードック(c)対エリック・ライアン
昨年に引き続き実現した60分アイアンマン・デスマッチ。今回はICWNHBを代表する数え歌となったマードック対ライアンで挑戦。
ヒール要素が付加されているので、冒頭10分はあの手この手でライアンが逃げて、フラストレーションを溜めさせる流れ。その展開のまま丸め込みでライアンがまず1本先取。攻める必要が出てきたマードックが蛍光灯攻撃を解禁し、ようやく試合に動きが出て、デスマッチモードへ。すぐさまライアンがガラスボードに叩きつけ、あっさり0-2に。
試合後、GCW NGI6出場後に判明することだが、ライアンは両手の怪我を長らく抱えており、手術が必要な状態。投げ技は元々多く使わない選手だが、この試合では殆ど殴る蹴る凶器を叩きつけるのみで構築していた。試合作りの幅に制限はあるものの、蛍光灯等の凶器の物量と試合運びの上手さで形にしてしまうのは流石の一言。マードックも打撃で試合を作れるというのも大きい。
Finally putting this out there…
— Eric Ryan (@Ericryanpro) 2021年11月15日
For the last 6 or so months, I’ve been battling tingling and numbness In my right hand. Now for the last 3, I’ve gotten severe numbness in both hands to where I can’t feel any of my fingers.
It’s been causing me to not sleep, waking up in..
..the most severe pain I’ve ever felt. It’s severely hindering my QOL since basic tasks like opening a twist cap of soda is difficult.
— Eric Ryan (@Ericryanpro) 2021年11月15日
Getting surgery on my right hand Friday and the left in December.
I am unsure of my timeline out, but know when I come back..
..I can get essential bills paid.
— Eric Ryan (@Ericryanpro) 2021年11月15日
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20分に差し掛かる頃にはマードックが必殺ブレーンバスターを連発し、2-2のタイに一気に持っていく。前回のマードック対オリンとは異なり、ポイントの奪い合いがメインとなっていき、25分経過時点では両者身体が血塗れ。やる事はずっと変わらないものの、リング→場外→マットを剥がした状態でのリングとシチュエーションを変えながら、凶器と打撃の打ち合いで互いを痛めつける武骨な戦い。
折り返しの30分経過時点では、必殺のハーフボストンからのストンピング攻撃を見舞ったライアンが2本連取し、3-5でライアンがリード。ある意味これぞデスマッチと言う様な消耗戦。本来ならもっと色んな時間の使い方が出来る実力がある両者だが、冒頭の10分を除けば、シンプル過ぎる程の真っ向勝負を選ぶ。
試合の緩急、起伏は少ないので、本当にデスマッチが好きでないと観続けられないかもしれない位玄人好みな内容だが、アスリート路線エンタメ路線とは違う、ひたすら泥臭く戦い続けるICWNHB、いやよりディープなIWAテイスト溢れる内容である。演者が名実共にIWAの魂であるマードックとKOTDM2連覇のライアンなのでそうなっても違和感は一切ない。
その為、45分過ぎに万を辞して放ったガラスボード&ドアへのスーパープレックスの破壊力は満点。そして50分経過時点で、5-5の同点。体力が限りなく0に近い状態での極限バトル。ペースはかなり落ちたが、蛍光灯の消費量は落ちず。ライアンの方が限界だったものの、マードックが何とか何とか押し上げる。最後はナックル合戦から奥の手コウジ・クラッチで劇的勝利。
面白さで言えば色んな試合、デスマッチが沢山あるけども、凄さで言えば、歴代デスマッチでもトップクラス。アイアンマン・デスマッチなのだから凄くなるのは当たり前だけども、投げや飛び技も使えず、縛りプレイを強いられる程ライアンのコンディションが悪い中でも、破壊的な物量の高さと一定のラインでクオリティを保ち続ける粘り強さで60分完走。両者物凄いけども、特にマードックのタフさには感嘆の一言。前回のオリン戦を超えるレベルで凄惨な死闘。2021年を代表するデスマッチの1つなのは言うまでもない。只々凄い。そして両者天晴れ。他に何が言えるのだろう。好勝負。
評価:****
全体評価:8.5+